【汗牛充棟(かんぎゅうじゅうとう)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

汗牛充棟(かんぎゅうじゅうとう)

読書家にとっては嬉しい四字熟語が「汗牛充棟」です。一見すると、「牛舎で汗を流して働くのは有益である」といった風に思えなくもないですが、正しくは「多くの書物を保有する」となります。なぜ、この言葉からその様な意味になるのか、詳しい解説をさせて頂きます。

汗牛充棟の意味

「汗牛充棟」の意味は以下の通りです。
・蔵書が非常に多い。多くの書物を保有している。大量な蔵書の喩え。
・大量の本の形容で、その量は牛車で運ばせると牛は汗を掻き、家では棟に届く程も高くなる。
・膨大な本の量は牛が汗を掻くほど重く、積み上げると屋根にまで届く高さとなる事から、大量な本の喩えとなる。
・反対にした「充棟汗牛」も同義。
「汗牛充棟」は要するに、大量に本を所有する喩えです。重い荷物を運べる牛でも、その本の重さに汗を掻き音をあげ、家で積み上げると棟(天井)に届くほどの高さになります。それぐらい本が多いので、勤勉家や収集家などの喩えとしても使えそうですが、それは誤用となります。飽く迄も、蔵書が多いだけという限定的な使用にのみ用いられる四字熟語となっています。

汗牛充棟の由来・出典

「汗牛充棟」の由来は、中国唐代中期の政治家・柳宗元の「陸文通墓表」となります。

汗牛充棟の類義語・同義語

「汗牛充棟」の類義語には、「載籍浩瀚」「左図右史」などが挙げられます。

汗牛充棟の使い方・例文

例文1.姉の部屋は漫画から小説、古典から教育や芸術などあらゆるジャンルで汗牛充棟となり、空きスペースがまったくない。
例文2.我が町の図書館の汗牛充棟振りは誇りであり、全国に自慢が出来る。
例文3.日本は世界に誇れる汗牛充棟な国ではないのか。本屋や図書館の数だけでなく、出版社や関連企業も大変多い。
例文4.ゴルゴ13とこち亀を全巻集め汗牛充棟に浸っていたら、父から漫画だけでなく書籍にも興味を持ちなさいと苦言をされた。
例文5.ネット世界では、汗牛充棟を写真や動画でアピールする人が後を絶たない。
書籍で想像力を鍛えましょう。

汗牛充棟の会話例

男性
今日の仕事終わり、新宿の巨大本屋に付き合ってー!
女性
いいですよ。本当に本が好きですね。
男性
だって、心がワクワクしない。あんなに本があったら、もう最高。
女性
汗牛充棟って、Aさんみたいな人に使うんでしょうね。

大きな本屋さんはワクワクしますね!

汗牛充棟の豆知識

「汗牛充棟」の様に”汗を使った四字熟語は意外に多く、「汗顔無知」「揮汗成雨」「青史汗簡」「冷汗三斗」などがあり、その中で動物と”汗”の組み合わせは「汗馬之労」と「汗牛充棟」だけになります。「汗馬之労」は、成功させるには汗を掻くように苦労をする必要があると説いています。

汗牛充棟の難易度

「汗牛充棟」は漢字検定準2級から9級相当で、高校から小学校低学年レベルの四字熟語となります。

汗牛充棟のまとめ

「汗牛充棟」は蔵書がとても多いといった意味から、大量な蔵書に対する喩えとして使用されます。その発祥・語源となったのは、牛を使って運ばせても本の重さから汗を掻き、部屋で本を積み上げると天井にも届くほどの高さになる事から、「汗牛充棟」と呼ばれるに至りました。

大量に積み重ねられた本はまさに汗牛充棟だ
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