【極悪非道(ごくあくひどう)】の意味と例文と使い方

極悪非道(ごくあくひどう)

「極悪非道」とは「悪人やヤクザ者などが起こす人の道に外れた悪い行為」です。人間の感情がないような残虐行為、或いは迷惑行為などを多少オーバーながらも「極悪非道」と非難する際に使ったりします。とんでもない悪い事なので「極悪非道」と呼びますが、一方で実生活ではなかなか使い勝手が難しいのも事実です。そんな「極悪非道」についての解説となります。

極悪非道の意味

「極悪非道」の意味は以下の通りです。
・人の道に外れた悪い行為。人の道に外れ極めて悪い事。
・この上なく悪く道理に外れている。
・無法者、犯罪者、ヤクザ者などに対する呼び方。
”極悪”は「この上なく悪い」「悪逆極まる」、”非道”は「人の道に外れる」「人情に外れる」「専門外の道」で、上記のようにとんでもなく悪い悪人や極悪人が「極悪非道」です。では実際にどのように使うかというと、これがなかなか難しいです。例えば、実際にヤクザなどを目の前にして一般人が直接「極悪非道」とは言えないからです。ですから、映画や小説のキャッチコピーとして使ったり、ニュースなどで流れる残忍な犯罪者などに使うのです。一方で、本来は人の道に外れた悪い行為となるので、実はかなり抽象的であり、世間が想像するような残忍行為や非情行為ばかりとも言い難いのも事実です。それでも、一般的には惨い事件や横暴で常識が通用しない無法者などを「極悪非道」と言いますし、最近ではアジアの大国のウイグル人迫害などは「極悪非道」の表現が相応しいです。何より、悪質な事件を起こした罪人、逮捕されても逆に威嚇するような態度の容疑者には心情的にも「極悪非道」と感じるものです。

極悪非道の由来・出典

「極悪非道」の由来は残念ながら不明です。文献としては、小説家・武田泰淳の著書「風媒花」(1952年)などに文言が記されています。

極悪非道の類義語・同義語

「極悪非道」の類義語には、「悪逆無道」「悪逆非道」などが挙げられます。

極悪非道の使い方・例文

例文1.アパートの隣人は極悪非道で、夜中も騒音を出すはゴミを時間通りに処分しないなどやりたい放題だが、冷静に考えるとスケールが小さく単なる迷惑者だ。
例文2.かつての歌舞伎町などは闇金ウシジマ君の世界で、右を向いても左を向いても極悪非道な輩ばっかりだったが、最近は変わりつつあるそうだが俺は絶対に近付かない。
例文3.公務員や警察官に就職希望する学生が多いそうだが、それは極悪非道な人達と接する機会が当然多くなる事でもある。
例文4.学生時代は極悪非道だったのに、大人になって改心したのか飲食店などを経営して強面アピールをしつつ今は普通ですと装うが、そこに本職が客として現われたらどのような対応をするのか見物である。
例文5.何だかんだ言いながらも、最も極悪非道なのは我儘放題で民家や人間を襲う野生の熊や猿に決まっている。
迷惑な者達を「極悪非道」とした例文です。

極悪非道の会話例

男性
仕事終わりの深夜、お腹が減ったから牛丼屋に寄ったのね。そしたら居たよ、極悪非道な客が。
女性
店員に悪態をついていたんですか?
男性
そう。味が薄いって、大声で文句を言っているの。お前聞いているのか。こっちは客だぞって威張り散らして。
女性
そういった人は何が目的なんでしょうね? 牛丼を無料にしろって事なんですか?

深夜の飲食店にて迷惑な客を「極悪非道」とした内容です。

極悪非道の豆知識

「極悪非道」から”悪人”に関連する四字熟語は、仏教用語で阿弥陀仏の本願は悪人を救う事とする「悪人正機」、悪人や犯人を一挙に捕らえる「一網打尽」、一人の悪人を犠牲にして大勢を救う「一殺多生」、君主の側で悪巧みする悪人「君側之悪」、悪人がのさばり蔓延る「跳梁跋扈」などがあります。

極悪非道の難易度

「極悪非道」は漢字検定6級から9級相当の文字組み合わせで、”非”は6級で小学校高学年レベル、”極”は7級、”悪”は8級で小学校中学年レベル、”道”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

極悪非道のまとめ

「極悪非道」はこの上なく悪く道理に外れている人の事です。とんでもない悪党や犯罪者に対して通常は「極悪非道」と表現しますが、一般的にはヤクザ映画や小説などのキャッチコピー的な認識が強いのかも知れません。どうしても主観的な表現なので、そこが映画などで多く使われる印象が強い理由ではないでしょうか。

極悪非道で足枷をつけられた人。
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