【梁冀跋扈(りょうきばっこ)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

梁冀跋扈(りょうきばっこ)

「梁冀跋扈」とは「権力を武器にして欲望に従い、好き勝手で我儘放題な男の事」です。要するに、とんでもなく嫌な人物なのですが、権力があるので周囲は従うしかないのです。また、時には残忍な行為も出来るので、その恐怖から部下などは逆らえないとも考えられます。そんな大昔から現在に至るまで、権力者とは横暴になりがちだと思い知らされる「梁冀跋扈」の解説となります。

梁冀跋扈の意味

「梁冀跋扈」の意味は以下の通りです。
・欲望のままに好き勝手に振る舞う事。
・家来が権力を使って驕り高ぶり、我が物顔で振る舞う事。
・自分勝手、我儘、独断的、自由勝手な振る舞いで周囲を困らす。
”梁冀”は「中国後漢時代の将軍の名前」、”跋扈”は「好き勝手に振る舞う」「のさばり蔓延る」で上記の様な意味合いとなります。「梁冀跋扈」の背景を解説すると、”梁冀”は古代中国の将軍で横暴な振る舞いをする事で知られていたが、ある日幼いながらも優秀な質帝(皇帝)に「跋扈将軍」とバカにされた事を腹に立て毒殺で殺した事から、欲望のまま好き勝手に生きる権力者を「梁冀跋扈」と呼ぶようになりました。現在で例えるなら、世襲政治家・二代目社長なども限りなく近い意味合いで、要するに権力を握る器にない者を貶して使われる言葉となっています。また、”跋扈”だけでも「梁冀跋扈」とほぼ同義となりますが、強調するなら「梁冀跋扈」とする事が多くなります。よって、善人が自由に振る舞うのではなく、悪人が悪態を吐く自由となるのが「梁冀跋扈」です。他人の気持ちなどはお構いなしに、己の欲望を最優先にして権力を使って自分勝手に横暴を繰り返しています。

梁冀跋扈の由来・出典

「梁冀跋扈」の由来は、中国後漢時代の歴史書「後漢書」の「崔駰伝」、又は日本でも使われていた中国の小学生向けの教科書「蒙求」の「梁冀跋扈」となります。

梁冀跋扈の類義語・同義語

「梁冀跋扈」の類義語には、「横行闊歩」「横行跋扈」「放辟邪侈」「飛揚跋扈」などが挙げられます。

梁冀跋扈の使い方・例文

例文1.宝くじが当選した友人はどんどん性格が様変わりして、今では顔つきまで梁冀跋扈な悪代官の様になってしまった。
例文2.職場で一番優秀だが性格も飛びぬけて悪い同僚は、梁冀跋扈と呼ばれても何とも思わずに今日も誰よりも仕事に没頭する。
例文3.我が家の暴れん坊は3歳にして、不機嫌になると梁冀跋扈を繰り返して家族中を困らせる。
例文4.現在は草食系や空気を読む若者が多いが、そんな彼らも老いてくるといずれ必ず梁冀跋扈に豹変して、その時の若い世代から老害とバカにされる未来が待っている。
例文5.総理大臣の梁冀跋扈な態度には辟易とするが、それを許している国民も同罪である。
我儘や態度が悪い人を「梁冀跋扈」とした例文です。

梁冀跋扈の会話例

男性
今日、出勤で電車に乗っていたら態度が悪い人が居て驚いたよ。
女性
どんな態度だったんですか?
男性
荷物を横に置いて一人で二席分を独占して、ガムをくちゃくちゃ、おまけに脚組みしているからね。で、これ実は小学生なんだよ。びっくりでしょう!
女性
えっ! ずっと典型的な男性だと思っていました。今時そんな梁冀跋扈な態度をする人が居るんだと思ったら、小学生ですか!

職場にて、出勤前に電車内で見掛けた態度が悪い人について会話をしています。

梁冀跋扈の豆知識

「梁冀跋扈」の”梁冀”は将軍の名前なので、同じように人名が付けられている四字熟語を紹介します。中国春秋時代の刀鍛冶である”干将”とその妻の”莫邪”を合わせた「干将莫邪」は名剣の喩えで、呉に住む親愛なる蒙さんとなる「呉下阿蒙」は無学な人の喩えとなります。

梁冀跋扈の難易度

「梁冀跋扈」は漢字検定1級から準1級相当の文字組み合わせで、”冀”と”跋”と”扈”の三文字は1級、”梁”は準1級でそれぞれ大学一般レベルの四字熟語となります。

梁冀跋扈のまとめ

「梁冀跋扈」は”梁冀”が古代中国の我儘な将軍で、”跋扈”は好き勝手に振る舞う性格が悪い人となり、それを合わせて欲望のままに横暴を繰り返す非道な権力者の事です。権力と言う笠があるのをいい事に威張り散らし、気に入らない者は粛清するという高慢な人物を「梁冀跋扈」と表現します。

梁冀跋扈な人になり過ぎるなと言われ続けた。
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