【旋転囲繞(せんてんいじょう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

旋転囲繞(せんてんいじょう)

「旋転囲繞」とは「相手の周囲を囲む事」です。一見すると使い勝手が悪そうにも思えますが、実は日常生活で囲まれてしまう事ってありますよね。車を走らせていて渋滞に巻き込まれると周囲の車に囲まれていますし、人気者なら友人や同僚などが常に席に集まってきます。他にも、何匹もペットを飼っているなら帰宅すると玄関に一堂に集まって歓迎しますよね。そんな様々な囲まれについて使える「旋転囲繞」について、より詳しい解説に入らせて頂きます。

旋転囲繞の意味

「旋転囲繞」の意味は以下の通りです。
・相手を取り囲む。
・相手の周りをぐるぐる回りながら囲む。
”旋転”は「ぐるぐる回る」「回転する」「くるくる回す」、”囲繞”は「周りを取り囲む」です。”囲繞”は元々は仏教用語で右回りに周りを巡って敬礼する事で、それが法会で尊像の周囲を回って行道する事となりました。そんな経緯から、現在は単純にぐるぐると回って取り囲む事の全般に対して「旋転囲繞」が使われます。例えば、街を歩いていてキャッチセールスに声をかけられ気が付いたら数人に囲まれてしまったり、逃げようとする容疑者を何人もの警察が囲んでしまう事が「旋転囲繞」です。正確には、周りながら囲むとなりますが、そこまで拘らずに様々な囲んでしまう際に使われるのが現状です。

旋転囲繞の由来・出典

「旋転囲繞」の由来は残念ながら不明です。文献としては、”旋転”は中国南北朝時代の歴史書「北史」の斛律光伝、”囲繞”は平安時代後期の公家・藤原基俊による漢詩集「新撰朗詠集」(12世紀前半)などに文言が記されています。

旋転囲繞の類義語・同義語

「旋転囲繞」の類義語は四字熟語では残念ながらありません、四字熟語以外で比較的に近いのは、「取り巻く」「まとわる」「捕らえる」などが挙げられます。

旋転囲繞の使い方・例文

例文1.小学生の頃は休み時間になると、友人とふざけて旋転囲繞するような遊びを夢中でやっていた事を思い出し、懐かしさで胸が熱くなった。
例文2.ボーっと街を歩いていたら、パトカーが突然サイレンを鳴らして走り去り、犯人を旋転囲繞するような事態が起こっているのだと不安になった。
例文3.サッカーやバスケは相手のエースである攻撃選手を守備陣がどのように旋転囲繞するかが勝敗を左右する鍵である。
例文4.我が家はペットを沢山飼っているので、偶に訪れるお客には愛犬や愛猫による旋転囲繞な手厚い歓迎が待っている。
例文5.暴れまわるデモ隊に対し、機動隊が本気になり旋転囲繞をして封じ込めた。
様々な取り囲みについての例文となります。

旋転囲繞の会話例

男性
知らないと思うけど…、俺も若い時はけっこうモテていたんだよ。
女性
本当に?
男性
そうだよ。学生時代なんて、休み時間に廊下を歩けば女子生徒に旋転囲繞されて、キャーキャー言われて大変だったよ。トイレもいけないぐらいだよ。
女性
あなたの嘘は年を取る度に、どんどん上手になるわよね。感心するわ。

学生時代はモテていたと豪語する夫と、それを完全に嘘だと決めつける妻の会話内容です。

旋転囲繞の豆知識

「旋転囲繞」から”回転”に関連する四字熟語は、天を回転させる事から天下を一変する事業の「回天事業」、車輪が回転し続ける事から、人が何度も生死を繰り返す「輪廻転生」、車輪が回転して極まりないように霊魂は不滅で死後に生まれ変わり、六道の世界を迷い続ける「六道輪廻」などがあります。

旋転囲繞の難易度

「旋転囲繞」は漢字検定1級から8級相当の文字組み合わせで、”繞”は1級で大学一般レベル、”旋”は準2級で高校レベル、”囲”は6級で小学校高学年レベル、”転”は8級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

旋転囲繞のまとめ

”旋転”がぐるぐる回るや回転する、”囲繞”が周囲を囲むとなる「旋転囲繞」は、相手の周りを取り囲むという意味になります。有名人がファンに囲まれたり、或いは泥棒が警察に囲まれる、他にもサッカーなどのスポーツで敵選手にマークされて囲まれるなど意外にも使い道が多い言葉となっています。

赤い積木が旋転囲繞されている
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