【悪木盗泉(あくぼくとうせん)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

悪木盗泉(あくぼくとうせん)

あまり馴染みある四字熟語ではない「悪木盗泉」ですが、その意味を知ると誰かに思わず教えたくなるのそんな素晴らしい言葉ではないでしょうか。それぐらい心に刺さる感慨深いものがあります。人生において途方に暮れて困っていたりすると、盗みや犯罪などが頭を過る事もあるものです。そこで思い留まらせてくれる「悪木盗泉」について、解説をさせて頂きます。

悪木盗泉の意味

「悪木盗泉」の意味は以下の通りです。
・どんなに困窮でも人の道に外れる様な行為はしない。少しでも疑われる行動を取らない。
・志のある人は決して不義をしない。悪事には近付かない。
”悪木”は「役に立たない木」「人を刺す木」、”盗泉”は「(喉が渇いていた)孔子が飲まなかった水」となり、そこから上記の様な意味合いとなります。多少無理もありますが、喉が渇き水を求めていた孔子だが、やっと泉を発見しても名前が悪いという理由から、飲むのを断念します。そこから、金銭苦や生活苦に陥っても人の道に外れた悪い行いはしない、また悪事そのものに近付かないという喩えとなります。辛くても悪事に手を染めない戒めとしても知られています。

悪木盗泉の由来・出典

「悪木盗泉」の由来は、中国南北朝時代の皇族・蕭統による詩文集「文選」の「陸機・猛虎行」となります。

悪木盗泉の類義語・同義語

「悪木盗泉」の類義語には、「瓜田李下」「瓜田之履」「李下之冠」などが挙げられます。

悪木盗泉の使い方・例文

例文1.父親が家族を捨て出て行ってから家計は大変苦しくなったが、母と二人で力を合わせて悪木盗泉を胸に頑張った。
例文2.幼い頃に両親を亡くした私は、悪木盗泉をしたら人生終わりだと、祖父や祖母からキツク教えを受けて育てられた。
例文3.中学と高校時代は不良で生活態度が悪かったが、万引きやカツアゲなど悪木盗泉となる行為は一度もしなかったのが唯一の自慢だ。
例文4.通退勤時の満員電車では悪木盗泉の心構えから、痴漢に勘違いされないように必ず両手を上げている。
例文5.二人の子供には、悪木盗泉だけを心に刻み真面目に育ってくれれば、後は余計な注文や口出しはしない。
犯罪をしないといった意味で「悪木盗泉」を使った例文となります。

悪木盗泉の会話例

男性
子供の頃、随分苦労したんだってね。
女性
ええ。幼い頃に父が病気で亡くなって。それからは母と二人だったので、生活は大変でした。
男性
男だったら、不良になったりするパターンだけど、グレたり悪くならなかったの?
女性
そんな余裕はないです。それどころか、悪木盗泉で家庭環境が悪いからダメと世間に思われたくなくて、勉強も必至でとにかく真面目でした。

子供の頃に苦労しても、真面目に頑張ったという会話を男女がしています。

悪木盗泉の豆知識

「悪木盗泉」とは直接関係ないですが、悪い行動や評判はあっという間に世間に広まる「悪事千里」という四字熟語があります。良い事が広まるのは時間がかかり、また無関心な人が多いのに、悪い事は途端に大勢が関心を持ち瞬く間に広まるのです。これは現代でも同様で、だからこそ少しでも疑いを持たれない様に、やっていなくても悪い事には近寄りもしない「悪木盗泉」は今後も通用する戒めとなるでしょう。

悪木盗泉の難易度

「悪木盗泉」は漢字検定4級から10級相当の文字組み合わせで、”盗”は4級で中学校レベル、残り三文字は小学校で習う四字熟語となります。

悪木盗泉のまとめ

「悪木盗泉」は、困難な状況でも人の道に外れる悪い事はしない、悪事には近付かないという意味がある四字熟語です。中国の偉人・孔子の逸話の一つで、悪事に手を染めない戒めとなっています。

悪に加担しない悪木盗泉の心を持っている
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