【年百年中(ねんびゃくねんじゅう)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

年百年中(ねんびゃくねんじゅう)

「年百年中」とは「一年中いつも、始終、年がら年中などの事」です。要するに、一年中などについての古きよき表現であり、これだけで趣などを感じさせてくれると個人的には思っています。単純に一年中としても間違いではないですし、現在では当たり前ですが、そこを敢えて「年百年中」とすると昔の時代と感じたり、文学作品なら設定が現代ではないと一目で認識できますよね。そんなメリットも多々ある「年百年中」の解説となります。

年百年中の意味

「年百年中」の意味は以下の通りです。
・一年中いつも。始終。常に。年がら年中。
・寝ても覚めても。どんな時も。恒常。朝から晩まで。
・「年年百」も同義。
・「ねんびゃくねんちゅう」とも読む。
”年”は「年月」「一年」、”百”は「あらゆる」「多い」「数字の百」、”年百”と”年中”は同義となり、「一年中」や「年がら年中」となるのが「年百年中」です。因みに、「年がら年中」は”年柄年中”と書き、”年柄”は一年で”年中”も一年という意味合いです。従って、「年百年中」もどちらも一年という意味合いを繰り返して強調し、そこから一年中・常に・終始・寝ても覚めてもといった解釈として使用されます。実際に文章などで用いる場合は、「年百年中遊びほうけている」「年百年中苦労している」といった風に、自虐などを込めた良くない事で使うのが一般的です。ですから、「年百年中テストで100点を取る」といった形はあまり宜しくありません。

年百年中の由来・出典

「年百年中」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、江戸時代から庶民の間で流行った写実的風俗小説「人情本」の「契情肝粒志」(1825~27年)などに文言が記されています。

年百年中の類義語・同義語

「年百年中」の類義語には、「年頭月尾」「春夏秋冬」「常住坐臥」「四六時中」などが挙げられます。

年百年中の使い方・例文

例文1.年頃なのもあるが、年百年中遊んでばかりな娘には毎日を手を焼いている。
例文2.年百年中ろくな事がないので、今日も深酒をしてさっさと忘れるにかぎる。
例文3.政治家とは年百年中、常に国家や国民の事を考えるのが本業だが、その実態はお友達を優遇し会食を重ねて、如何にして一日でも長く権力を持つ事しか考えていない。
例文4.私は奴隷として、年百年中ぐうたらな妻に代わって家事をやり続ける。
例文5.高齢者が怖いのはコロナよりも年金が下げられる事で、夫が怖いのはコロナよりも年百年中小言ばかり垂れ流す妻、そして政府が怖いのはコロナよりも支持率低下だろう。
愚痴や不満で「年百年中」を使った例文です。

年百年中の会話例

男性
また、スマホを弄っているの?
女性
ごめんごめん! 暇だとついスマホを触っちゃうんだよね!
男性
暇じゃなくても、積極的にスマホを見ているでしょう!
女性
そうだね、もう依存症! 年百年中だから流石に目が痛いし、あなたにも悪いからもう控えるわ!

妻がスマホばかり操作している事に辟易する夫との夫婦の会話です。

年百年中の豆知識

繰り返しになりますが、「年百年中」の”年百”と”年中”は一年中といった意味合いになります。しかし、まったく同じ”年中”でも一年の半ばや半年という意味の時もあります。それはどういう事かと言うと、「年半」は「としなか」と読み「年中」とも書くからです。従って、”年中”は大半の場合では「ねんじゅう」と読み一年という意味合いですが、場合によっては「としなか」と読み半年という意味の時もあります。

年百年中の難易度

「年百年中」は漢字検定10級相当の文字組み合わせで、全3文字が小学校低学年レベルの四字熟語となります。

年百年中のまとめ

「年百年中」は一年中いつもや始終という意味合いですが、一般的に馴染みがある言葉の「年がら年中」と同義という方が理解しやすいでしょう。よって、寝ても覚めてもや朝から晩まで等も類似であり、ほぼ同じ意味となります。実際のところはあまり頻繁に使われる言葉ではありませんが、昔の言葉として文学作品などでは多い表現なので覚えておきましょう。

隣の子供は年百年中勉強している。
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