【対症下薬(たいしょうかやく)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

対症下薬(たいしょうかやく)

「対症下薬」とは「病気になると症状によって適切な薬を投じる事から、問題点から有効な解決法を講ずる喩え」です。風邪を引いても薬を飲めば治るように、起こった問題を対処するには適切な解決法を導けば良いのです。現在でも様々な事柄に使えて便利な「対症下薬」についての解説となります。

対症下薬の意味

「対症下薬」の意味は以下の通りです。
・症状に応じて薬を処方する。
・適切な薬を処方する事が転じて、問題点を確認し有効な解決法を講ずる喩え。
・「症に対して薬を下す」(しょうにたいしてくすりをくだす)と訓読する。
”対症”は「それぞれの病気に対応する」「病状に対応する」、”下薬”は「薬を与える」となり、病気や症状に応じた薬を与えるのが元々の「対症下薬」ですが、それが転じて、問題を解決する為の処置や対策をする事となっています。従って、現状が今一つであったり伸び悩んでいる際に打開する策として「対症下薬」が使われます。具体的には、「テスト成績が悪い友人に対症下薬として評判が良い参考書の存在を助言した」といった風になります。このような形の他にも「対症下薬の処置」「対症下薬を処方する」といった使い方があります。

対症下薬の由来・出典

「対症下薬」の由来は、中国宋時代の儒学者・朱熹の言葉をまとめた書物「朱子語類」の「四一」となります。

対症下薬の類義語・同義語

「対症下薬」の類義語には、「因機説法」「応病与薬」などが挙げられます。

対症下薬の使い方・例文

例文1.症状が重い叔父に対して、医師が全力で対症下薬をすると言ってくれて安心した。
例文2.我が校にドラゴン桜のような教師が赴任してきて、さっそく成績が悪い生徒を抜本的に対症下薬する事になった。
例文3.コロナ禍という事もあり営業成績が悪いチームを盛り上げようと、課長がリモートでの飲み会を提案した。これがストレス発散の対症下薬となったのか、新しいアイディアが出てきて成績が回復しつつある。
例文4.部屋でもアレルギーに悩まされていたが、新型の空気清浄機を購入する対症下薬に出たら、見事にくしゃみひとつしなくなった。
例文5.これまで趣味がなかったので新しい事を始めようとスポーツカーを購入したら見事にはまり、今ではルーレット族となって深夜に首都高を暴走をするほどだが、これは対症下薬が効き過ぎて毒薬となった悪いパターンだ。
解決策などで「対症下薬」を使った例文となります。

対症下薬の会話例

男性
最近、夜寝付けないんだよね。
女性
それって、寝具が悪いんじゃないですか?
男性
ベッドとか枕って事?
女性
そうです。私も知人に勧められて最新のものを購入したら寝つきが良くなりました。対症下薬だと思ってやってみて下さい。

職場での同僚男女の会話です。寝付きが悪い男性にベッドなどを新しくするように女性が提案しています。

対症下薬の豆知識

「対症下薬」から”薬”に関する四字熟語は、病気を治す薬と食べ物は本来根源を同じくするものである「医食同源」、病状に合わせて適した薬を与える事から人の性質や素質や理解力などに応じた指導をする「応病与薬」、薬を飲んでも医者にかかっても病気が治らない「薬石無功」などがあります。

対症下薬の難易度

「対症下薬」は漢字検定準2級から10級相当の文字組み合わせで、”症”は準2級で高校レベル、”対”と”薬”は8級で小学校中学年レベル、”下”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

対症下薬のまとめ

「対症下薬」は状況に応じて薬を処方する事です。薬を与えると症状が快方するので、そこから、様々な問題に対して有効な解決方法を講じる喩えとしても使われる言葉です。

対症下薬の薬。
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