【大所高所(たいしょこうしょ)】の意味と例文と使い方

大所高所(たいしょこうしょ)

「大所高所」とは「広い視点や大きな観点から、全体を見るという意味」です。これは、生活や仕事において細かな点に拘るあまり大きな流れを見逃がしたら本末転倒ですよね。特に会社の社長やリーダーなどはこの能力が求められ、全体を把握してより良くなるように努めています。そんな「大所高所」についての解説となります。

大所高所の意味

「大所高所」の意味は以下の通りです。
・物事の細部にとらわれない大きな観点。
・細部に拘らず、全体を見通す視点や視野の事。
・全体的な立場から物事を見る。物事を大きく見る。
・逆さにした「大所高所」も同義。
”大所”は「小さな点に拘らない」「大きな立場で物事を見る」「晴れの場所」、”高所”は「高い場所」「高い立場」「高い見地」で、小さな事は拘らずに物事を大きな視点で見通すのが「大所高所」です。まるで大物や実力者のように堂々として、細かな粗探しををするのではなく、全体の利益を追求するなどの姿勢とも受け取れます。要するに、普通の人とは違った見方であり、上司など上に立つ者に求められるスキルではないでしょうか。政治などでは「大局を見据えた」「大局的に見る」といった言葉が頻繁に使われますが、これも「大所高所」と基本的には同じような事を言っています。そこから、全体の状況を掴むや全体の成り行きを見るも同じような事で、些細な点から方針変更をするのではなく、俯瞰的に全体を見渡し、そこから最終判断をするべきとも受け取れます。

大所高所の由来・出典

「大所高所」の由来は残念ながら不明です。文献としては、日本を代表する文芸評論家・唐木順三の著書「明暗」(1952年)などに文言が記されています。

大所高所の類義語・同義語

「大所高所」の類義語は四字熟語では「着眼大局」、それ以外では「事大主義」「大局的」「大局的視点」「客観」などが挙げられます。

大所高所の使い方・例文

例文1.子供の頃から引っ越しが多かったので知らずと考えが成熟したのか、大所高所に物事が見れるようになった。
例文2.政治家や官僚は大所高所な能力が求められるが、実際は権力者へのゴマすりや自己保身に虚偽答弁が出来れば将来は安泰だ。
例文3.偉い父親を持つと息子も勘違いをするのか、当人は大所高所な判断が出来ていると揺るぎない自信を持っているからまた厄介で救いようがない。
例文4.投資における相場観は大所高所にするべきという声もあるが、一方で投資は細部に拘るべきという声もあり、結局は儲けた者が好きなように言っているだけだ。
例文5.コロナ禍で医療体制は何年間も混乱しているが、現場をまったく把握できない厚生労働省に大所高所なスキルが備わっていないと露呈されただけだった。
政治や厚生省を批判的に「大所高所」を使った例文となります。

大所高所の会話例

男性
俺と成功者は何が違うんだろうね?
女性
それは学歴の差でしょう。
男性
俺だってそこそこの有名大学を卒業して大企業に就職したよ…、すぐに辞めたけど。そうじゃなくて、根本的な違いがあると思うんだよ。
女性
多分だけど、成功者の多くは大所高所に物事を見ているよね。私達凡人は目の前の事しか見ていないから、その差じゃない。

成功願望が強い彼氏が自身の現状について不満を抱き、彼女が相談に乗っています。

大所高所の豆知識

「大所高所」から”視野”や”観点”に関する四字熟語は、頑固で視野が狭く道理を弁えない「頑迷固陋」
、自分の意志を守りとても頑固な「狷介固陋」、長期的な視野の大計画「百年大計」、視野が狭く見識もない「用管窺天」などがあります。

大所高所の難易度

「大所高所」は漢字検定8級から10級相当の文字組み合わせで、”所”は8級で小学校中学年レベル、”高”は9級、”大”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

大所高所のまとめ

「大所高所」は物事の細部にはとらわれず、広く全体を見通す事です。小さい点に拘って判断するのではなく、全体の利益に繋がるように状況を判断するとも理解できます。要するに、成功者などが持ち合わせるような能力や才能とも言え、まるで俯瞰的に見通して全てを把握しているのです。

大所高所の観点で見つめる男性。
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