【大処着墨(たいしょちゃくぼく)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

大処着墨(たいしょちゃくぼく)

「大処着墨」とは「絵を描く際に大事な所から描き始める事から、大切なポイントから物事を始める喩え」です。実際にはその人の性格ややり易さも関係していますが、難しい事から真っ先に片付けたい人と、或いは最後に取っておく人に分かれますよね。試験の場合は簡単な問題から片付ける方が点数を獲得する意味では正しいですが、仕事などの場合はまた違うので、ケースバイケースとも言えます。そんな「大処着墨」についての解説となります。

大処着墨の意味

「大処着墨」の意味は以下の通りです。
・大事なところから墨をつける事から、大切なポイントから物事を行う喩え。
・物事の一番重要な部分から始める事。
・「大処より墨を着く」(たいしょよりすみをつく)と訓読する。
”大処”は「最も大切な部分」、”着墨”は「墨をつける」「書き始める事から最初に取り掛かる」で、絵や文章は大切な部分から書き始めるのが一般的とされ、それが転じて、何事も大切な点から物事を始める喩えが「大処着墨」です。大抵の場合で大事な部分などが最も難しかったり、或いは物事の肝となるので、そこから始めて片を付けるのは理に適っています。大変な部分が終わると、残りは大した事がないので気が楽になります。もしかしたら、「大処着墨」にはそんな意味も込められているのかも知れません。実際の使い方としては、「大処着墨が肝心」「大処着墨の気持ち」「大処着墨から始める」といった風になります。

大処着墨の由来・出典

「大処着墨」の由来は残念ながら不明です。文献としても「大処着墨」が記された書物など判明されていません。

大処着墨の類義語・同義語

「大処着墨」の類義語には、「大処落墨」などが挙げられます。

大処着墨の使い方・例文

例文1.子供の頃の夏休みの宿題は父親から大処着墨の教えを受けていたので、苦手な算数からいつも始めていた。
例文2.大処着墨の考えから、週末にはトイレや台所など嫌な場所から掃除をする習慣が身に付いた。
例文3.大処着墨は大切な教えで、これは仕事をやる上で私のアイデンティティーになっている。
例文4.食べ放題のバイキングに出掛けたら、まず最初に大好物をお皿に盛り付けてから食べるのもある種の大処着墨ではないのか。
例文5.五輪を否が応にも開催する政治家の頭の中には、利権団体への資金流れを確保する目的が大前提の大処着墨であり、その為には無理やり屁理屈をこねるという荒業を使うが、今の国民は賢いのでそんなやり方を心底信じ切る間抜けは少ない。
大切な事から始めるとして「大処着墨」を使った例文です。

大処着墨の会話例

男性
新しいジャージ買ってきたよ。似合うかな?
女性
また買ったの。 あなたはいつもダイエットを決意するとジャージを買うけど、結局は走るのも三日坊主でしょう。
男性
そう言うなよ。今度の意志は固いよ。
女性
柔らかいでしょう。ダイエットで大処着墨となるのはジャージ購入ではなく、食事制限と運動よ。あなたにはどちらも出来ないもの。

ダイエットの為にと格好ばかり気にする夫に、妻が苦言を放ちます。

大処着墨の豆知識

「大処着墨」から”墨”や”筆”に関する四字熟語は、筆で書いたものがみずみずしくて表現が生き生きしている書道や絵画の「墨痕淋漓」、文人と墨客の事で詩文や書画に優れ風雅を楽しむ「文人墨客」、勉強の為に書籍に朱色の墨で入れた書き込みが鮮やかな事で勉強に励み研究に没頭している「朱墨爛然」などがあります。

大処着墨の難易度

「大処着墨」は漢字検定3級から10級相当の文字組み合わせで、”墨”は3級で中学校卒業レベル、”処”は5級で小学校高学年レベル、”着”は8級で小学校中学年レベル、”大”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

大処着墨のまとめ

「大処着墨」は絵や文章などを書く際に大事なところから書き始める事から、転じて、大切なポイントから真っ先に取り組む喩えです。これは、仕事や勉強などで難しい事やきつい事から始めるのと同じです。個人的には集中力や体力がある最初に片付ける方が理に適うからだと思いますが、正しい理由は分かっていません。それでも、大事な部分から終わらせると後が楽になるのは間違いないでしょう。

大処着墨で、大事なポイントから抑える。
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