【和衷協同(わちゅうきょうどう)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

和衷協同(わちゅうきょうどう)

「和衷協同」とは「心を一つにして協力し合い仕事をする」という意味です。仲違いや迷惑などを掛けずお互いに協力し合って頑張る事で、まるでラグビー日本代表のスローガン「ワンチーム」を彷彿させるチームワークこそ「第一」と連想させます。この様な考えは理に適っていて、一人の力よりも仲間と協力した方が効率的で仕事が捗り、何よりも最後の達成感も違いますよね。そんな仲間との美しき連帯感「和衷協同」についての解説となります。

和衷協同の意味

「和衷協同」の意味は以下の通りです。
・心を一つにして力を合わせて仕事をする。
・互いに協力して仕事や作業に当たる。
”和衷”は「心の底から和む」「心から和らぐ」、”協同”は「複数人が力を合わせる」「共同」で、大勢が心を合わせて協力し仕事に取り組むのが「和衷協同」です。従って、「一致団結」や「一蓮托生」、または結束や一枚岩なども類似となります。さらに深掘りすると「一致団結」や「一蓮托生」は、仕事やスポーツなどでも使う反面、国民決起や内乱やテロを連想させる感もあります。ニュースなどで「一致団結でテロを防ぐ」といった見出しも記憶に新しいものがありますし、「一蓮托生」も事件などで犯人が自暴自棄になった際に使われる事も多くあります。もちろんこれら以外のポジティブな使い方もされますが、ネガティブな様が印象的な言葉でもあるのです。一方、「和衷協同」はより平和で友好的、そしてポジティブな印象を抱くのではないでしょうか。理由として、明治時代に天皇陛下が内閣や議会に出した文章を「和衷協同の詔」等と呼ぶので、そこから高貴で特別な深みが感じられ、あまりネガティブな表現でも用いないのが通説になったと推測します。

和衷協同の由来・出典

「和衷協同」の由来は、古代中国の歴史書「書経」の「皐陶謨」となります。 

和衷協同の類義語・同義語

「和衷協同」の類義語には、「一致団結」「一致協力」「同心協力」などが挙げられます。

和衷協同の使い方・例文

例文1.新社長が就任式で、和衷協同をする大切さを熱く語り感銘を受けた。
例文2.医療従事者はコロナ渦でも、和衷協同して未知なるウイルスに立ち向かう英雄である。
例文3.荒んだ世界をより良くするには、人種差別をなくし全人類が和衷協同していくしか道はない。
例文4.亡き親友の為、残された仲間が和衷協同すると誓った。
例文5.弱小チームが勝利を掴むには、もう一度和衷協同の気持ちを思い出して団結するしかない。
仲間との団結といった意味合いで「和衷協同」を使った例文です。

和衷協同の会話例

男性
あー、もう本当に憂鬱だよ!
女性
どうしたの、そんな大人が泣き事を言って?
男性
人事異動が発表されて、来週から新しい職場だよ。俺は誰よりも人見知りなのに…、会社は何考えているんだよ!
女性
よしよし、良い子だからそんなに怒らないの。新しい職場の人達と和衷協同して、頑張って働いてきて下さい。

人事異動で不貞腐れる夫を妻が宥める様子です。

和衷協同の豆知識

”協同”と”共同”の違いについての解説となります。どちらも似た様な意味合いですが、”協同”は「複数人が協力する」、“共同”は「複数人が協力する」「同じ条件や資格で協力する」「協同」となります。よって、”共同”の方が意味合いが多くその一部に”協同”も含まれます。”協同”を使った四字熟語は今回の「和衷共同」「産学協同」、”共同”は「共同遺言」「共同運航」「共同戦線」「共同アンテナ」といった言葉になります。

和衷協同の難易度

「和衷協同」は漢字検定準2級から9級相当の文字組み合わせで、”衷”は準2級で高校レベル、”協”は7級、”和”は8級で小学校中学年レベル、”同”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

和衷協同のまとめ

「和衷協同」は、職場の同僚など考えを共にした仲間と心を一つにして協力して作業する事です。そこから団結して頑張る事の重要さを説く四字熟語で、かつては明治天皇が内閣や議会に意見を求めた「和衷協同の詔」としても有名です。

和衷協同して、大きなことを成し遂げた
最新情報をチェックしよう!