【和衷共済(わちゅうきょうさい)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

和衷共済(わちゅうきょうさい)

「和衷共済」とは「大勢が心を一つにして助け合う事」です。仲間割れや文句ばかり言っても物事は捗らないので、それよりも協力して物事を進める方が建設的であり前向きであると理解できます。端的に言うなら一致団結や一致協力の事で、どうしてもこちらの方が馴染みがありますが、歴史ある文学や書物では「和衷共済」と使われている事も多いです。それでは「和衷共済」の解説を始めさせて頂きます。

和衷共済の意味

「和衷共済」の意味は以下の通りです。 
・心を合わせて協力して物事を行う。
・皆で心を合わせて助け合う。
・一致協力する。支え合いながら仕事をする。
”和衷”は「心の底から和む」「心の底から一つに合わせる」、”共済”は「共同で事をなす」「共同で助け合い力を合わせる」となり、上記のような皆と協力して物事を行うのが「和衷共済」です。よって、協調・同調・力を貸す・手助け・結集などから、一致団結・挙国一致・一枚岩・一致協力なども類似となります。同じような意味合いの言葉は大変多くなりますが、「心の底」という意味を持つ「和衷」が使用されている事からも、より心の奥底から本心で力を合わせていると解釈できます。使い方としては、「和衷共済をする」「和衷共済の必要」「和衷共済で力を合わせる」といった形になります。

和衷共済の由来・出典

「和衷共済」の由来は、残念ながら不明です。文献としては”和衷”は初代内閣総理大臣・伊藤博文による「伊藤特派全権大使復命書附属書類」(1885年)、”共済”は近代日本の数学者・藤沢利喜太郎の著書「生命保険論」(1889年)などに文言が記されています。

和衷共済の類義語・同義語

「和衷共済」の類義語には、「協心戮力」「同心協力」「和衷協同」などが挙げられます。

和衷共済の使い方・例文

例文1.コロナ禍や大震災では人々が和衷共済する姿に心を打たれた。
例文2.職場でグループ対抗のボーリング大会が開催され、日頃とは打って変わって大勢が和衷共済して大変盛り上がった。
例文3.五輪やワールドカップでは日本全国が和衷共済となってチームや選手を応援する。
例文4.互いに憎しみ合っている人種が和衷共済となるには、宇宙人が攻め込んでくるなど新しい人類共通の敵が必要だが、当面はそんな事が起こらないだろう。
例文5.新大臣が協力の呼びかけとして、「和衷共済とならなければいけない」と強く訴えたが、令和世代にはまったく心に響かなかったそうで、SNSには罵詈雑言が溢れていた。
皆で協力するとして「和衷共済」を使った例文となります。

和衷共済の会話例

男性
元気がないね。どうしたの?
女性
私が職場でチームリーダーに選ばれたんだけど、皆を纏める事ができないのよ。自分勝手な人達をどうやって和衷共済な集団にするか…。頭が痛い。
男性
それは大変だね。人間関係はドロドロだから、それを一致団結させるのは骨が折れるよね。
女性
これで失敗したら、私の評価が下がるし。本当に嫌な大役を任されたわ。

妻が仕事の悩みを夫に打ち明けている会話やり取りです。

和衷共済の豆知識

「和衷共済」は協力という意味なので、今回は反対となる”妨害”や”邪魔”に関する四字熟語には、邪魔者や嫌な奴など自分に害をなす喩え「眼中之釘」、人を忌み嫌い遠ざける「七里結界」、世の中は良い事が少なく悪い事ばかりの喩え「寸善尺魔」、良い事ほど邪魔が入る喩え「好事多魔」などがあります。

和衷共済の難易度

「和衷共済」は漢字検定準2級から8級相当の文字組み合わせで、”衷”は準2級で高校レベル、”済”は5級で小学校高学年レベル、”共”は7級、”和”は8級でそれぞれ小学校中学年レベルの四字熟語となります。

和衷共済のまとめ

「和衷共済」は人々の助け合いの精神を表す言葉で、皆が心を合わせて協力して物事を行う、協力して仕事をするといった意味です。一致団結などの全員で協力する意義を呼びかけている側面もあり、大勢が心を一つにするべきと説いています。

和衷共済する姿は時に感動する。
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