【南船北馬(なんせんほくば)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

南船北馬(なんせんほくば)

「南船北馬」とは「全国を旅したり、絶えず旅で忙しい事」です。かつては広大な中国大陸を船や馬で旅行する際に使われていましたが、現在は本当の旅好きから出張などが多い人に対して使える言葉ではないでしょうか。そんな「南船北馬」についての解説となります。

南船北馬の意味

「南船北馬」の意味は以下の通りです。
・全国各地を絶え間なく旅を続ける事。
・古代中国で馬や船といった交通手段を用いて旅を続ける事が転じて、あちこちと忙しく動くまわるや頻繁に旅をする。そして絶えず旅ばかりで忙しない事。
”南船”は「南への船旅」、”北馬”は「北への馬に乗った旅」で、かつての古代中国では南に旅する場合は川が多いので船を利用して、反対に北上する場合は山が多いので馬を利用した事から誕生した言葉が「南船北馬」です。そこから全国を忙しく旅行する、旅ばかりで忙しない、忙しく動き回るといった意味合いがあります。よって、あくせく・大忙し・急ぎ・駆け回る・長旅・漫遊なども類似となります。

南船北馬の由来・出典

「南船北馬」の由来は、中国前漢時代の思想書「淮南子」の斉俗訓となります。

南船北馬の類義語・同義語

「南船北馬」の類義語には、「東行西走」「東奔西走」「南行北走」などが挙げられます。

南船北馬の使い方・例文

例文1.社会人になって旅行サークルに所属してからは、仲間と南船北馬するのが人生の生き甲斐だ。
例文2.大企業に就職が決まった時はこれで楽して安定収入を得られると喜んだが、その実態は出張ばかりで毎週のように南船北馬されて正直騙されたと思っている。
例文3.実家が離島にあるので、東京から帰省すると十時間ぐらいかかり今では南船北馬みたいな心境を抱いてしまう。
例文4.渡り鳥みたいな南船北馬をする人生に憧れるが、実家住まいの半ニートなのでまずは就職先を真剣に探す事にした。
例文5.部屋に閉じ籠る個人投資家は、いつか大金を稼げばトレード生活を引退して南船北馬をするのが夢だと語るが、やはり相場の魅力に取りつかれるとそれ以外は一切興味がなくなり、旅行したいのは本心からではないのだ。
個人投資家やサラリーマンなどで「南船北馬」を使った例文となります。

南船北馬の会話例

男性
何見ているの?
女性
新婚旅行の写真。あの頃は若かったわねー。
男性
あの時は、東南アジアを弾丸ツアーのように一気に回ったんだ。南船北馬みたいで大変だったけど、懐かしいなー。また行きたいよ。
女性
そうね。コロナが落ち着いたらまた行きましょう。

中年夫婦が新婚旅行の思い出を語っています。

南船北馬の豆知識

「南船北馬」から”旅”に関する四字熟語は、旅の途中で両親を思い出す「白雲孤飛」、長い人生は困難や苦労があると旅程に喩えた「人生行路」、道中の無事を祈り旅立つ人にかける言葉「一路順風」、非常に苦しい旅「草行露宿」などがあります。

南船北馬の難易度

「南船北馬」は漢字検定9級の文字組み合わせで、全4文字が小学校低学年レベルの四字熟語となります。

南船北馬のまとめ

「南船北馬」は古代中国の船や馬を使った旅行から、全国を忙しく旅をしたり、あちこちを忙しく動き回るという意味の言葉です。現在の旅行は鉄道や飛行機に車を使うのが主流ですが、それを敢えて「南船北馬」とすると趣があるように感じるものです。

あちこちへ南船北馬旅をする。
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