【千射万箭(せんしゃばんせん)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

千射万箭(せんしゃばんせん)

「千射万箭」とは「弓道の教えで一本一本を真剣に射る事から、一つ一つに手を抜かずに頑張る事」です。同じような事を何度も繰り返していると単調になるので、だんだんと嫌気からいい加減な気持ちになりがちですよね。そうならないように諭す言葉が今回の「千射万箭」なのです。弓道で矢を放つ以外にも様々な事柄で応用が利くので、座右の銘やモットーとしても人気を博している「千射万箭」について調べてみました。

千射万箭の意味

「千射万箭」の意味は以下の通りです。
・一つ一つに手を抜いてはいけない。
・弓道の心構えの言葉で、千本万本の矢を射る時でも全ての矢を疎かにしないで真剣に放つ。
”千射”は「千本の矢を射る」、”万箭”は「万本の矢を射る」で、そこから上記のような弓道やそれ以外でも使われる言葉となっています。元々は弓道に伝わる言葉「千射万箭悉皆新」を四字熟語にしたもので、千本や万本の矢を放つ場合でも、一本一本を真剣に放たなければいけないという教えです。そこから、弓道以外でも、物事を真剣に取り組む際の言葉となります。要するに「真面目に頑張る」「初心忘るべからず」「一生懸命」などに非常に近く、仕事や勉強などを熱心に取り組む際の頑張りを奮起させる言葉ともなるのが「千射万箭」です。使い方としては、「千射万箭の気持ち」「千射万箭の精神」「千射万箭を胸に」といった風になります。

千射万箭の由来・出典

「千射万箭」の由来は、1947年に結成された全日本弓道連盟の初代会長・宇野要三郎の教えとされる「千射万箭悉皆新」です。

千射万箭の類義語・同義語

「千射万箭」の類義語には、「一球入魂」「一心不乱」「全力投球」などが挙げられます。

千射万箭の使い方・例文

例文1.千射万箭を胸に、今日も朝からバットで素振りをして甲子園出場を目指す。
例文2.写経をすると精神が落ち着くが、その為には千射万箭をしっかり胸に刻む必要がある。
例文3.官僚達による政権忖度の不祥事隠しの手際良さは、千射万箭と嫌味を言いたくなるほど見事だ。
例文4.弓道をやっていて、千射万箭という言葉と出会えた事に感謝している。
例文5.千射万箭の精神世界を娘や息子たちに教えなくてはと思っている。
物事への真面目な取り組みとして、「千射万箭」を使った例文です。

千射万箭の会話例

男性
昔、テレアポのバイトをしていたんだけど。
女性
あれって大変ですよねー。私も家庭教師の勧誘をやっていました。
男性
何度も電話をかけて、それで断られてばかりだから段々と気持ちが萎えてくるんだよね。その時は、昔弓道をやっていたから、千射万箭の気持ちを思い出して、また電話をかけ続ける…。
女性
気を振り絞って電話すると、お客から大声で嫌味を言われて、今度は職場の社員から文句を言われるんだよね。本当に大変だった。

知人男女がテレアポのバイトについて会話をしています。

千射万箭の豆知識

「千射万箭」から”弓”に関する四字熟語は、身に帯びたなめし革と弓づるから自分の性格の欠点を改める喩え「韋弦之佩」、弓の弦を強めたり緩めたりする事から人に厳しくしたり優しく接する「一張一弛」、桑で出来た弓とヨモギの矢から男子が志を立てる喩え「桑弧蓬矢」、物事の要点や急所を正確に捉える「不失正鵠」などがあります。

千射万箭の難易度

「千射万箭」は漢字検定準1級から10級相当の文字組み合わせで、”箭”は準1級で大学一般レベル、”射”は5級で小学校高学年レベル、”万”は9級、”千”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

千射万箭のまとめ

「千射万箭」は弓道の有名な言葉から派生したもので、弓から矢を放つ際に千本でも万本でも一本一本を大切に射なさいという教えです。そこから、現在は弓道以外でも、一つ一つを真剣に手を抜かないで頑張りなさいという意味合いで、座右の銘などでも使われています。

千射万箭で弓を射る。
最新情報をチェックしよう!