【入境問禁(にゅうきょうもんきん)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

入境問禁(にゅうきょうもんきん)

「入境問禁」とは「国境を越えたらその地のルールに従うべき」とする事です。かつての古代中国は様々な民族がいて地域によっても法や習慣なども違っていたので、このような言葉が誕生したのでしょう。それでは、有名な諺「郷に入れば郷に従え」と同義でもある「入境問禁」についての解説を始めさせて頂きます。

入境問禁の意味

「入境問禁」の意味は以下の通りです。
・知らない土地や国に入ったら、まずは禁止事項を聞いてそれに従う事。
・国境を越えたら何が起こるか分からないので、まずはその国やその土地の習慣や仕来りに従うべきという教え。
・諺「郷に入れば郷に従え」と同義。
・「境に入りては禁を問う」(さかいにいりてはきんをとう)と訓読する。
”入境”は「国境を越える」「他の土地に入る」、”問禁”は「禁止事項を聞く」となり、国境を越えたり或いは他県や他地域に入った時は、その土地ならではの禁止事項をまず最初に聞いて従うべきという意味です。そこから、その土地の習慣やルールに従うのが賢い生き方と説いています。どんなに偉くてもよそ者や新参者という自覚を持ち、まずは揉め事をしない為やその地に馴染む為にも、禁止されている事を知らずに破らないようにするのです。よって、他にも同じような諺として「国に入ってはまず禁を問え」「国に入ってはまずその法を聞く」なども類似となります。

入境問禁の由来・出典

「入境問禁」の由来は、古代中国における儒教の経典「経書」の一つ「礼記」の「曲礼・上」となります。

入境問禁の類義語・同義語

「入境問禁」の類義語には、「殊俗帰風」「入郷従郷」などが挙げられます。

入境問禁の使い方・例文

例文1.成田空港には入境問禁を理解した外国人旅行客で溢れていた。
例文2.何処の国でも不良外国人による迷惑行為が問題となっていて、入境問禁をどのように浸透させるかが問題となっている。
例文3.彼女との初めての海外旅行では、入境問禁をする事だけを念頭に入れていた。
例文4.Jリーガーや野球選手の外国人が日本の文化などに順応する入境問禁な姿勢を見せると一気にファンになってしまう。
例文5.米中は互いに相手の文化を受け入れないところがあるので、それぞれが入境問禁を理解するのは骨が折れそうだ。
外国旅行や米中関係などで「入境問禁」を使った例文です。

入境問禁の会話例

男性
早くコロナが終息しないかなー!
女性
やっぱり海外旅行に行きたいんですか?
男性
それはそうだよ。冒険旅行だけが生き甲斐の俺が、もう2年も海外に行ってないんだよ。もう狭い日本にいるのは息苦しいよ。
女性
でも海外って、その地ならではの入境問禁を覚えて従わないといけないから、大変じゃないですか?

職場の同僚男女の会話です。男性は根っから旅行が好きで、コロナ終息を心待ちにしています。

入境問禁の豆知識

「入境問禁」から”従う”に関連する四字熟語は、仏門の教えに従う「帰依三宝」、妻が夫に従う「嫁鶏随鶏」、年長者に逆らわずに従う「婉娩聴従」、夫婦仲が非常に良くて夫に妻が従う「夫唱婦随」、状況次第でどちらにも従う「二股膏薬」などがあります。

入境問禁の難易度

「入境問禁」は漢字検定6級から10級相当の文字組み合わせで、”境”と”禁”は6級で小学校高学年レベル、”問”は8級で小学校中学年レベル、”入”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

入境問禁のまとめ

「入境問禁」は自国を出て他の国や地域などに入ったら、その地で禁止されているルールを守り従うべきという事です。要するによその習慣や仕来りに沿うのが常識やマナーであり、己の身を助けて相手とも良好な関係を築けるようになるのです。現在なら海外旅行や訪日者などに対して使用できる言葉となっています。

イスラム教徒を入境問禁にしようとしている。
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