付和雷同(ふわらいどう)
「付和雷同」とは、自身のしっかりとした意見がなく、他人の言うことをそのまま受け入れ賛同してしまうことです。会議などの場で意見を話し合うようなときに、あまり自分の考えや意見を持たずに、ついその場の意見や多数派に賛同してしまうことがあるかもしれません。日本人の性格的な特徴として、他人の意見を尊重しやすく、欧米や中国と比べて自己主張や自己表現が得意でないと言われています。今回はそのような人を表す「付和雷同」について解説をさせて頂きます。
付和雷同の意味
「付和雷同」の意味は以下の通りです。
・自身ではっきりとした考えや意見がなく、相手に言われるがままに同調すること。
「付和」は他人の意見に軽々と賛同してしまう、「雷同」は雷が鳴った時にモノがそれに応じて響くことから、疑いなく他人に合わせ、軽々と賛同してしまうという意味になります。
付和雷同の由来・出典
「付和雷同」という言葉は、古代中国の古典「礼記(らいき)」の中の、“勦説(そうせつ)する毋(な)かれ、雷同(らいどう)する毋(な)かれ”という一文からきたとされています。これは、他人の説を盗み、それをいかにも自分の説のようにしてはいけないという意味で、他人の考えや意見に軽々しく賛同してはいけないということです。
付和雷同の類義語・同義語
「付和雷同」の類義語には、「阿附雷同」、「付和随行」、「唯々諾々」、「党同伐異」、「軽挙妄動」、「吠影吠声」があります。
付和雷同の使い方・例文
例文1.私の父は付和雷同な性格のため、母の意見が通ることが多い。
例文2.あの人はいつも多数派の意見に付和雷同している。
例文3.他人の顔色を伺って付和雷同するだけでなく、しっかり自分の意見を主張しよう。
例文4.付和雷同する人が多く中々意見が集まらない。
例文5.付和雷同する人に意見を聞いても意味がない。
「付和雷同」という言葉は、どちらかと言えばあまり良い意味では使われにくいです。
付和雷同の会話例
会議で意見を述べる男性と、そこで付和雷同してしまう女性の会話です。
付和雷同の豆知識
「付和雷同」と少し似たような意味で「他力本願」という言葉があります。その言葉の通り他人の力に任せるというような意味ですが、「付和雷同」と「他力本願」では意味が変わってきます。その違いとして、「付和雷同」は他人の意見に賛同はするものの、自身も共に行うというような感じですが、「他力本願」は完全に他人任せで、自分の手はほぼ加わらないというようなイメージになります。
付和雷同の難易度
「付和雷同」は漢字検定4級から9級相当で、中学校在学から小学校低学年レベルの四字熟語となります。
付和雷同のまとめ
「付和雷同」という言葉は、自身のしっかりとした意見がなく、他人の言うことをそのまま受け入れ賛同してしまうことです。あまり良い意味では使われにくく、他人の意見を尊重しそれに賛同することも決して悪いことではないのですが、冒頭でも述べた通り日本人の性格的な特徴でもある自己主張や自己表現をすることが苦手なことから、やはり自分の意見をしっかり持って生きていくというのもとても大切なことかもしれないです。しかし、他人の意見によく耳を傾け、自身よりも他人の意見を尊重するという短所でもあり長所でもある日本人ならではの性格のために「付和雷同」という言葉があるのかもしれません。