【他言無用(たごんむよう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

他言無用(たごんむよう)

「他言無用」とは「大事な話や秘密話を漏らしてはいけない」というお願いのような言葉です。学生時代などは親友同士がそれぞれの秘密を教え合ったりして、さらに仲を深めたものですよね。そんな時に「二人だけの秘密だよ」「他の人には言わないでね」という約束に近い感覚が「他言無用」にはあります。少々堅苦しい言葉なので子供や学生は好んで使いませんが、実際の意味は通じるものがありますよね。それでは、解説に入らせて頂きます。

他言無用の意味

「他言無用」の意味は以下の通りです。
・他人に話を漏らしてはならない。
・秘密を他人に話してはいけない。
・内密な話なので、他の人には言わないで欲しい際の言い回し。
・「たげんむよう」とも読むが、一般的には「たごんむよう」が正解。
”他言”は「秘密を他の人に話す」「口外する」、”無用”は「役に立たない」「いらない事」「不要」「してはいけない事」となり、口外しないで欲しいお願いめいた言葉が「他言無用」です。特に大事な話や秘密を他の人に漏らさないようにと口止めを込めて「他言無用」と使う傾向があります。よって、お願いといった要請であり禁止事項とも受け取れます。また「他言無用」と口にしなくても、大人の社会は暗黙の了解がまかり通っているので、空気を読むように常識として促す側面もあります。仕事などでは「他言無用でお願いします」「他言無用を約束して下さい」「他言無用で分かりますよね」といった感じで、秘密を守るように常識として口約束をされます。

他言無用の由来・出典

「他言無用」の由来は残念ながら不明です。文献としては、”他言”は江戸時代に遊女や歌舞伎などの物事の評判を書いた書物「評判記」の「色道大鏡」(1678年)、”無用”は室町時代の軍記物語「太平記」(14世紀後半)などに文言が記されています。

他言無用の類義語・同義語

「他言無用」の類義語には、「口外無用」「極秘情報」「機密事項」などが挙げられます。

他言無用の使い方・例文

例文1.お笑い芸人同士は秘密を暴露し合うのが仕事のようなもので、彼らに他言無用という概念を期待しても無駄だ。
例文2.友人に他言無用と口を酸っぱくしてお願いしたが、あっという間に恥ずかしい秘密がクラス全員に洩れてしまい、それから学校に通えなくなった。
例文3.SNSで自ら秘密を暴露して、それでいて他言無用にならなかったと訴えるバカな若者がどうやら増えているようだ。
例文4.出世する議員や秘書は他言無用を誰よりも忠実に守る者で、そこには能力や資質などは一切皆無で単に権力者にすり寄るだけのチョロイ世界である。
例文5.刑事は付き合いがある記者に他言無用で情報を流し、記者は新聞に載せられない場合は裏社会系の人物に教え、それが結局は表に出てくるという構図である。
秘密裏や内緒として「他言無用」を使った例文です。

他言無用の会話例

男性
まったく、何で会社の人に話すんだよ。
女性
ゴメン。だって思わず口に出ちゃって。それで相手が色々と聞いてくるから、絶対に他の人には言わないでねって口止めしたのに。
男性
○○さんはお喋りなんだから、他言無用って言っても信用できないよ。
女性
でも、これで付き合っているのが職場公然という事になったのね。

同じ職場ながら付き合っているカップルの会話内容です。

他言無用の豆知識

「他言無用」から”秘密”や”内緒”に関する四字熟語は、秘密の中でも絶対に知られてはならない秘密の「秘中之秘」、人の欠点や秘密をあばき出す「爬羅剔抉」、内緒話やひそひそ話の喩え「交頭接耳」などがあります。

他言無用の難易度

「他言無用」は漢字検定7級から9級相当の文字組み合わせで、”無”は7級、”他”は8級で小学校中学年レベル、”言”と”用”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

他言無用のまとめ

「他言無用」は秘密話を他に漏らさない事で、打ち明けてくれた人から念を押す際に使われる言葉です。言葉通りに「他の人に言ってはいけない」となり、相手はそれだけ信用してくれたので秘密を打ち明けた訳で、これからも関係を続けるなら「他言無用」とお願いされたら約束を守った方が良いでしょう。

他言無用でいる女性。
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