【不承不承(ふしょうぶしょう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

不承不承(ふしょうぶしょう)

「ふしょう」と聞くと、”負傷”や”不詳”もありますが、ネット上のコラムなどで多いのは「不肖」ではないでしょうか? これは、謙遜し自らを劣っているや未熟といった意味ですが、今回の「不承不承」はまた違ったものとなります。肯定的な雰囲気を持ち合わせていない点では似ていて、云わば日本人や日本語らしい微妙な表現となっています。それでは、詳しい解説を始めさせて頂きます。

不承不承の意味

「不承不承」の意味は以下の通りです。
・いやいやながら承知。気はすすまないが引き受ける、実行する。
・いやいや、しぶしぶ、やむを得ず。
・「不請不請」も同義となる。
”不承”は「不承知」の略でもありますが、今回は違います。いやいや、しぶしぶながら承知を意味する”不承”を繰り返す事で、強調する効果があります。大まかな意味は上記の通り、嫌々で本心は乗り気しないが承知をするというものです。例えば、嫌な仕事だけど先輩に頼まれたので渋々引き受けた場合に、「不承不承ながらOKと返事した」といった感じで使います。端的に言うなら「不承不承」とは、満足していない、やりたい意欲はないが、色々な状況を鑑みて仕方なくや取り敢えず”そうした”という感じです。

不承不承の由来・出典

「不承不承」の由来は、残念ながら不明です。かつては「不請不請」と使われていましたが、時間経過によって現在は「不承不承」が広く一般的に使われています。文献としては、”不承知”が江戸時代の武将・大久保忠教による「三河物語」(1626年)に文言が残されています。

不承不承の類義語・同義語

「不承不承」の類義語は、残念ながら四字熟語では存在しません。それ以外では、「仕方なく」「無念」「不本意」「敢え無く」などが同じような意味となります。

不承不承の使い方・例文

例文1.昨日は不承不承ながら、父の頼みに従って留守番で一日中家に居た。
例文2.マスクをするのは本当に嫌だが、外出時は不承不承ながらしている。
例文3.家族で旅行に行くのは不承不承だったが、着いてみると結果的にはとても楽しめた。
例文4.不承不承、友達に文庫本を貸したら、結局は戻ってこなかった。
例文5.彼女の買物に不承不承付き合ったら、休日の大半を無駄にしただけでなく、支払いも肩代わりされて散々だった。
不承不承を使った例文となります。

不承不承の会話例

男性
週末キャンプに行かない?
女性
えー、またですか?楽しいですけど、色々面倒なんですよね。
男性
それがキャンプの魅力。大自然でビールを飲んで美味しいのを食べたいでしょう。
女性
不承不承ながら、行きます。今回が最後ですよ。

キャンプに誘われた女性が不承不承で返事をする会話例です。

不承不承の豆知識

「不承不承」の様に”不”が繰り返されるく四字熟語は、「不朽不滅」「不言不語」「不将不迎」「不撓不屈」などが挙げられます。”不”は基本的には否定語なので、「不朽不滅」の様に朽ちないと滅さないで、永久に滅びないという意味になります。今回の「不承不承」は”承知”や”受け入れ”を拒否する感がありますが、しぶしぶながらも受け入れとなります。よって、”不”が付いても完全な否定と否定ながら容認があります。

不承不承の難易度

「不承不承」は漢字検定5級から7級相当の文字組み合わせで、小学校高学年から中学年レベルの四字熟語となります。

不承不承のまとめ

「不承不承」は、いやいやながらも承知、しぶしぶ納得、不本意ながら了解と言った意味で、要するに要求に応じる四字熟語です。本心としては拒否したいが、諸々の事情などを考慮していやいや納得とし、せめてもの抵抗で”不承”を繰り返す「不承不承」として、いやいや感を強調しています。しかし、結局は了承しているので、この辺りは日本語ならではの微妙なものが垣間見れます。

不承不承する女性
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