一目瞭然(いちもくりょうぜん)
｢一目瞭然｣は注意や叱る際、口癖にしている人が周囲にいませんか？ 何を隠そう私も思わず愛用している一人です。明快な意味や発音しやすい音も関係しているのか、とにかく口にしやすい四字熟語で無意識でも思わず使ってしまいます。普段言われている方は溜まったものではないでしょうが、誰もが理解している｢一目瞭然｣について解説となります。
一目瞭然の意味
｢一目瞭然｣の意味は以下の通りです。
・一目見てはっきり分かる。一目で明らかになる。
・少し見ただけで全貌が掴める。一見で物事が明確になる。
・｢一目了然｣も同義となる。
言葉で色々と説明するよりも、一目見せるだけで全てが掴めてしまう事や理解出来てしまう事があります。そんな様子を形容するのが｢一目瞭然｣です。言葉通りに、一目見てはっきり分かるという意味で、”一目”は｢少し見る｣｢一度だけ見る｣、”瞭然”は｢はっきりして疑いがない｣｢明白｣｢明らか｣となります。よって、｢一目瞭然｣は｢判然｣｢自明｣とも似たような言葉で、｢分かる｣｢理解する｣などよりも、さらに自信があると感じ取れます。
一目瞭然の由来・出典
｢一目瞭然｣の由来は、中国･宋代の儒学者･朱熹の書｢朱子語類｣の｢一三七｣となります。
一目瞭然の類義語・同義語
｢一目瞭然｣の類義語には、｢一目即了｣｢明々白々｣｢複雑怪奇｣などが挙げられます。
一目瞭然の使い方・例文
例文1.冷蔵庫に入っていた飲むヨーグルトを全て飲み干したのは、妻と子供のどちらなのか? 二人の笑顔を見れば一目瞭然だ。
例文2.馬の顔を見ればコンディションは一目瞭然と言いつつも、毎回競馬の予想を外す父と兄。
例文3.隣のクラスの絶世の美人が、間違いなく俺に興味ないのは一目瞭然である。
例文4.都知事に小池氏が再選したのは、キャスターから都民まで一目瞭然であり何の驚きも感動もなかった。
例文5.コロナが再燃するのは一目瞭然だが、それでも国は経済にシフトチェンジして、このままさらに感染者が増えるまで方針転換なくやり続けるのだろう。
明白や明確といった言葉を｢一目瞭然｣に代えた例文となります。
一目瞭然の会話例
職場の同僚が互いの外見上の変化に気付いて、会話をしている所です。
一目瞭然の豆知識
｢一目瞭然｣の様に”一目”が付く四字熟語は、他には｢一目十行｣しかありません。文章を読むスピードがとても速い喩えであり、一目で十行を読めるとなります。”一目”は｢少し見る｣という意味で、他の慣用句では｢一目置く｣｢一目散｣といったものがあります。｢一目置く｣は、少し見ただけで実力者と分かり相手に譲る。｢一目散｣は、少しもよそ見をしないで逃げるといった意味です。
一目瞭然の難易度
｢一目瞭然｣は漢字検定2級から10級相当の文字組み合わせで、”瞭”は2級で大学一般レベル、残り三文字は小学校中学年から低学年レベルの四字熟語となります。
一目瞭然のまとめ
｢一目瞭然｣は、少し見ただけで全て分かる、一目で全部分かるといった意味の四字熟語です。要は、物事を少し見るだけで状況を把握してしまう事です。類似の言葉が多いですが、見た事で何の疑いもないほど理解できると、それを強調するのも込めて｢一目瞭然｣となります。
