【一往一来(いちおういちらい)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

一往一来(いちおういちらい)

「一往一来」とは「行ったり来たりする事や往来する事」です。当てもなく行き来するのではなく、ある場所から別の場所まで行き来するといった感じで、何かしらの目的や理由があっての行動ではないでしょうか。それでは「一応一来」の解説となります。

一往一来の意味

「一往一来」の意味は以下の通りです。
・行ったり来たりする事。行き来する事。
・「ある時は行き」と「ある時は来る」から、行ったり来たりの往来する事。
”一”は「ある時は」、”往”は「行く事」、”来”は「来る事」で、文字通り取れば「ある時は行きある時は来る」となり、そこから「行き来」や「往来」という意味になるのが「一往一来」です。一般的に多くの四字熟語は表面通りに受け取るだけでなく、その裏にはまた違った意味が込められていたりしますが、「一往一来」に関しては素直に「行き来」や「往来」だけとなります。ですから、例えば「車が道路を行き来する」として「車が道路を一往一来する」となります。日本語的にはやや違和感も残りますが、「地元の戦国武将は都との間を何度も一往一来したと伝えられている」となれば少しはしっくりきます。その他にも様々な「行き来」に使用できるので、実は意外に便利な四字熟語となっています。

一往一来の由来・出典

「一往一来」の由来は中国戦国時代の思想家・荀子の思想書「荀子」の「賦」となります。

一往一来の類義語・同義語

「一往一来」の類義語には、「抜来報往」などが挙げられます。

一往一来の使い方・例文

例文1.頭の中は良い思いと悪い思いが常に一往一来してばかりで、時には混乱するが折り合いをつけるしかない。
例文2.彼は落ち着かないのか職場と休憩室を一往一来してばかりいるが、どうやら妊娠している奥さんの出産報告を待ち構えているようだ。
例文3.休日になると近所のコンビニぐらいしか一往一来しなかったが、今はネットスーパーがあるのでそれすらしなくなって完全なる出不精の引き籠りだ。
例文4.友人と俺は互いに馴染みのパチンコ屋と居酒屋しか一往一来しないので、連絡などをしないでも常に自然と顔を合わせている。
例文5.誰もが心臓と脳の間を血液が一往一来しているのに、なぜここまで能力や金銭でも様々な差がついてしまうのだろうか。
「一往一来」を使った例文となります。

一往一来の会話例

男性
平日は営業先と職場を何度も一往一来してばかりで、これが夏場になると堪えるんだよね。
女性
分かるわー。車のエアコンが効かないのよね。いや、効いた頃に別の営業先に到着してもう嫌になる。
男性
俺なんて休みの日も、自宅アパートと実家を一往一来するからね。高齢の母親の面倒をみたり、もう大変だよ。
女性
大変ですね。平日も休日も急がしくて、休まる暇がないじゃないですか。

職場の同僚同士の会話で、男性の方は仕事に介護にと忙しい毎日を送っています。

一往一来の豆知識

「一往一来」から”行き”に関する四字熟語は、東に行き西に行く事から忙しく動き回る「東行西走」、道筋は違っても行先は同じとなる事から同じ結果の喩え「異路同帰」、大勢の人が行き交う「煕煕攘攘」などがあります。

一往一来の難易度

「一往一来」は漢字検定6級から10級相当の文字組み合わせで、”往”は6級で小学校高学年レベル、”来”は9級、”一”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

一往一来のまとめ

「一往一来」は「行ったり来たり」や「往来する」という意味の四字熟語です。中国戦国時代の思想家・荀子によるもので、当時は山や村から町を行き来するなどの機会が多く、そんな背景から誕生したと推測できます。

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