【難行苦行(なんぎょうくぎょう)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

難行苦行(なんぎょうくぎょう)

「難行苦行」とは「困難な状況での苦労や苦心」です。肉体や精神的に厳しく苦しい事で、元は仏教の悟りを開く為の修行とされるので、それは大変つらい事だったと理解できます。現在も仕事などで一人前になるには厳しいものがあるので、そんな状況が「難行苦行」となるのです。それでは、より詳しい解説に入らせて頂きます。

難行苦行の意味

「難行苦行」の意味は以下の通りです。
・非常に困難な状況で苦労や苦心する事。
・仏教用語で苦労や苦難に耐えて修行する事から、大変苦労する事。
・悟りを開く為の修行や苦労をする事。
”難行”は「苦しい修行」「悟りを開く修行」、”苦行”は「辛さに耐えて仕事する」「激しく苦しい修行で精神を浄化する」で、大変辛い修行や苦労が「難行苦行」です。元々は仏教用語で、悟りの境地に達する為の断食や滝行など大変苛酷な修行についてで、それが転じて現在は苦労や苦心の事となっています。苦労・苦心という言葉はある意味で抽象的なので、本来の仏教の苛酷な苦行ほど辛くなくても、個人の裁量判断で「難行苦行」と使えてしまいますが、一般的には大勢が納得や共感できる苦労などで使うのが望ましいです。よって、現代は仕事や家庭や学校生活など日常での苦労するあれこれで使われる言葉となっています。

難行苦行の由来・出典

「難行苦行」の由来は、大乗仏教の経典「法華経」の「提婆達多品」となります。

難行苦行の類義語・同義語

「難行苦行」の類義語には、「悪戦苦闘」「千辛万苦」「四苦八苦」などが挙げられます。

難行苦行の使い方・例文

例文1.小学生の頃に両親が離婚をしたので、それからは母が一人で育ててくれたが、生活苦から難行苦行の連続だった。
例文2.公務員で安定しているからと警察官になったが、徹夜がここまで多いとは知らず難行苦行な仕事なんだと痛感した。
例文3.コロナ禍の医療従事者ほど難行苦行という言葉が相応しい存在もないだろう。
例文4.海外でのサッカー留学は子供にとって難行苦行以外の何ものでもなく、ただ辛くきつい練習の日々が延々と続くそうだ。
例文5.震災で三日間、ろくに食べ物や水を取らなかった時は難行苦行で倒れそうになった。
様々な辛い苦労について「難行苦行」を使った例文となります。

難行苦行の会話例

男性
来月から小遣いなしって、本当?
女性
いいじゃない。家計が苦しいのよ。それに、コロナでテレワークになったんだから、ランチ代もかからないでしょう。
男性
そうだけど、小遣いゼロってそれは難行苦行だよ。あまりにも辛い。
女性
じゃあ、電子マネーで毎月千円あげるから、それでお菓子でも買って我慢してよ。

小遣いがゼロ円になり嘆く夫と妻の会話風景です。

難行苦行の豆知識

「難行苦行」から”苦労”や”苦心”に関する四字熟語は、苦労をして育ててくれた両親への恩に報いる事ができなかった嘆き「哀哀父母」、苦しい時の元気がない溜息「青息吐息」、困難で苦しみ悩む「艱難辛苦」、非常に苦心して詩文を作り上げる「彫心鏤骨」などがあります。

難行苦行の難易度

「難行苦行」は漢字検定5級から9級相当の文字組み合わせで、”難”は5級で小学校高学年レベル、”苦”は8級で小学校中学年レベル、”行”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

難行苦行のまとめ

「難行苦行」は元々は仏教用語で悟りに達する為の大変辛く苦しい修行から、非常に困難で苦労や苦心をする事です。現代で言うなら、例えば受験勉強や部活動や仕事などがあまりにも厳しい時などに「難行苦行」と喩えて使ったりします。

財布にお金がなく難行苦行である。
最新情報をチェックしよう!