【群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)】の意味と例文と使い方

群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)

戦国時代を舞台としたシミュレーションゲームが得意なら、「群雄割拠」はすっかりお馴染な言葉ではないでしょうか? 最早、「戦国時代」と「群雄割拠」はワンセットという感じで常に一緒くたであり、それに何の疑いも抱かない程に世に浸透しています。それだけに意味も大勢の人が分かっているものですが、敢えてより詳しく解説をさせて頂きます。

群雄割拠の意味

「群雄割拠」の意味は以下の通りです。
・英雄や実力者が各地で勢力を振るい覇権を目指して互いに対立する事。
・戦国時代を象徴する言葉で、武将達が敵国の領土奪取を目的に対立する事から転じて、現在は同じ様な勢力を持つ者同士が敵対し合う場合やその様な者が大勢いる事。

「群雄割拠」は、元々は戦国時代の混沌とした社会を象徴する言葉でした。王様や幕府、または政府など明確な統治している役割がいない状態で、だから「我こそは全国統一する」と地元の権力者や武将などが隣や近隣の敵地を奪取しようと対立が全国各地で起こったのです。具体的には、明智光秀・織田信長・武田信玄・真田幸村などが有名な戦国時代の武将で、その後、織田信長や豊臣秀吉(又は徳川家康)が全国統一(天下統一)を成し遂げ、戦国時代が終わりを迎えたとされています。そこから、現在は、圧倒的な存在がない業界やスポーツ等々で喩えとして「群雄割拠」が用いられます。例えば、サッカーの優勝チームを予想する際に、良く言えばどのチームも優れているが、悪い言えば他を圧倒する優勝候補となるチームが無い場合は「群雄割拠」となります。また、「群雄割拠の世」「群雄割拠の時代」「群雄割拠の覇者」といった使い方も多く、新しい時代が始まる前の転換期的な雰囲気を漂わせます。”群雄”は「大勢の英雄」「群豪」、”割拠”は「勢力を張る」「自らの領地から勢力をふるう」となります。

群雄割拠の由来・出典

「群雄割拠」は日本の戦国時代頃を発祥とする、英雄が乱立した混沌とした時代というのが通説ですが、残念ながら明確な根拠や理由などは分かっていません。文献としては、江戸時代の武将・荻田長三の「布令字弁」(1868年頃)に文言が記されています。

群雄割拠の類義語・同義語

「群雄割拠」の類義語には、「治乱興亡」「治乱興廃」などが挙げられます。

群雄割拠の使い方・例文

例文1.メッシやC・ロナウドが30代半ばに差し迫り、サッカー界も新しいスーパースターの誕生が待たれる群雄割拠な時代に突入した。
例文2.コロナによって新しい客商売の形が模索され、群雄割拠というと聞こえはいいが倒産する店はますます増えるだろう。
例文3.かつては何万もするブランド服が主流だったが、現在は低価格ながら高品質や防寒着としても機能的なコスパ良いものが増えて、群雄割拠と呼べる熾烈なシェア争いとなっている。
例文4.ビジネス的な観点からの群雄割拠な様相とは、逆に見るとそれだけ新陳代謝が良い事なので消費者は歓迎すべきだ。
例文5.群雄割拠と最も縁遠い安定した生活が約束されているのが、政治と官僚の腐敗した関係性だ。
サッカーから政界まで「群雄割拠」を使った例文となります。

群雄割拠の会話例

男性
初めて渋谷に来たけど、カフェが多いね。
女性
普通のカフェじゃなくて、おしゃれなカフェね。
男性
そうそう、おしゃれカフェ。でも俺たちの地元は、駅前に自販機すらないのに、この差は一体何なんだろう?
女性
でも、これだけライバル店が多いと、カフェ店側からすると群雄割拠で気の休まる暇もないでしょう。

渋谷を訪れたカップルが、カフェの多さを「群雄割拠」と表現します。

群雄割拠の豆知識

「群雄割拠」という言葉が誕生したとされる、日本の戦国時代についての解説です。戦国時代は実は明確な基準はないですが、共通認識としては、応仁の乱(1467年)から豊臣秀吉が全国統一を成し遂げた時(1590年)とされています。これが資料や情報によって認識が曖昧で、明応の政変(1493年)に始まり織田信長や徳川家康の全国統一を終わりとする場合もあります。要は、始まりも不透明だが、完全に全国統一したか、ほぼ手中に治めた時点を全国統一と見做すかで意見が分かれるようです。個人的には、「群雄割拠」とはライバルが同時多発的に多数存在するので、それがない状態なら「全国統一」ではなくても「群雄割拠(の時代)」とも言えないのではないでしょうか。

群雄割拠の難易度

「群雄割拠」は漢字検定4級から7級相当の文字組み合わせで、”雄”と”拠”は4級で中学レベル、”割”は5級で小学校高学年レベル、”群”は7級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

群雄割拠のまとめ

「群雄割拠」は、戦国時代に権力者や武将などが各地で勢力を振るっていた事で、そこから現在は、ビジネスやスポーツなどの分野でも使われ、同じ程度の実力者やライバルが多く抜きん出た存在がまだ出現していない状態を表現しています。実力が拮抗している混沌とした面白い状況ですが、新しい時代になる夜明け前とも言えるのではないでしょうか。

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