空中分解(くうちゅうぶんかい)
｢空中分解｣にはどの様な印象を抱くでしょうか？ 言葉的にも、事故や離散や破綻などを想像すると思います。そして、飛行機事故などでも使われる言葉ですよね。ですから、意味合いは理解できる言葉ですがネガティブな要素が大きいので、どうしても使い方が限定されるのも事実です。そんな｢空中分解｣について、詳しく調べてみました。
空中分解の意味
｢空中分解｣の意味は以下の通りです。
・航空機が飛行中にバラバラに壊れる事。航空機が空を飛んでいる最中に部品が分解する。
・組織や計画が途中で頓挫する事。団体や組織が中途半端な形で終わってしまう事。
”空中”は｢大空の中｣｢空｣、”分解”は｢要素や部品に分かれる｣｢数学の考察対象をより簡単対象に分ける事｣となり、｢空中分解｣は主に二つの意味に分けられます。一つは航空機の事故であり、飛行中に何かしらのトラブルによって機体や部品がバラバラになってしまう事です。もう一つは飛行機には関係なく、計画や予定などがトラブルによって途中で駄目になる事です。どちらも途中で駄目になる点が共通していて、片や飛行停止、片や計画中止といったところです。飛行機トラブルでも使いますが、実際にはスポーツにおける強豪チームの思いがけない敗退、大企業の新規事業が失敗など、期待が高かったり評判が良いものが思わぬ失敗をした際、後からの評論で｢なぜ空中分解したのか？｣といった感じで使われるのが多いです。他にも、何かしらのブームが過ぎ去った時や弱体化した時、会議がまとまらず紛糾した時なども｢空中分解｣と表現しがちです。これらの場合は単に”分解”でも通じますが、それよりも｢空中分解｣とする事で、バラバラ･自滅･分裂･大失敗といった感を強める意味が込められています。実際に使う際には、｢空中分解の大惨事｣｢空中分解した｣｢空中分解寸前｣｢空中分解に見舞われた｣といった形があります。
空中分解の由来・出典
｢空中分解｣の由来は、残念ながら不明です。文献としては、辞書｢新語新知識辞典｣(1934年)などに文言が記されています。
空中分解の類義語・同義語
｢空中分解｣の類義語には、｢壊滅状態｣｢内部崩壊｣｢雲散霧消｣などが挙げられます。
空中分解の使い方・例文
例文1.メッシの高齢化だけでなくディフェンス陣の凡ミスによって、かつての栄光を極めたバルセロナの姿は見られず、空中分解を起こした惨劇が続く始末だ。
例文2.コロナによって我が社は、空中分解の寸前まで追い込まれている。
例文3.飛行機に乗っていると、テロリストによって空中分解をするのではと毎回思ってしまう。
例文4.ロックバンドが空中分解するのは、大抵はギタリストとボーカルの衝突が原因である。
例文5.結婚生活はまだ3年だが、妻との関係性は空中分解でとっくに破綻している。
欧州サッカーからコロナなどに｢空中分解｣を使った例文となります。
空中分解の会話例
彼氏が何気なく質問した事で、彼女の幼少期の苦労を知ってしまうという会話です。
空中分解の豆知識
｢空中分解｣は飛行機トラブルで使われますが、ドローンがさらに本格的に普及すれば、ドローンのトラブル専門用語となる日も近いかも知れません。現在は一部の宅配などで導入、または導入検討がされつつありますが、将来的には高度なAI搭載と大型化などによって、多少の暴風程度では問題なく飛行できるモデルが導入されるそうです。離島への荷物宅配だけでなく、高層マンションの宅配、他にも逆にさらなる小型化で人が入れない場所での点検や調査で活躍が期待されています。
空中分解の難易度
｢空中分解｣は漢字検定6級から10級相当の文字組み合わせで、”解”は6級で小学校高学年レベル、”分”は9級、”空”と”中”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。
空中分解のまとめ
｢空中分解｣は、飛行中の飛行機がトラブルでバラバラになる事と、計画や組織などが途中で駄目になってしまう二つの意味があります。飛行機トラブルに遭う機会は少ないので、実際には計画や組織が失敗する事をスポーツや仕事や会議などに使われる傾向が多いです。例えば、強豪チームが予選敗退したり、大企業が経営不振に陥ったり、政治的な会議が紛糾した際に｢空中分解｣と表現します。
