大逆無道(たいぎゃくむどう)
「大逆無道」とは「両親や君主を殺害するなど、人の道から大きく逸脱した行為」です。日々のニュースや新聞を見ても、事件事故について「大逆無道」と報道する事は非常に稀です。それぐらい滅多に使われないのは、とんでもなく残忍や残虐行為等に対してのみ使われる言葉だからです。そんな「大逆無道」について詳しく調べてみました。
大逆無道の意味
「大逆無道」の意味は以下の通りです。
・人の道を大きく踏み外した行為。罪悪の甚だしい事。
・人の道に背き道理を無視する行為で、主に君主や親殺しなど。
・「たいぎゃくぶどう」「だいぎゃくむどう」とも読む。
”大逆”は「君主や親殺しなど酷い行い」「人の道に背く最も悪質な行為」、”無道”は「人の道に外れる」「見苦しい」「道理に外れる」で、親や君主などお世話になった者を裏切り殺すような人の道から大きく踏み外した行為が「大逆無道」です。ですから、多少の悪い事では使わず、極悪で最悪な行為にのみ使う言葉なのです。現代的に解釈するなら、親殺しなどはもちろんながら、数十人を殺害するような大量殺人犯などに相応しい言葉となっています。一方で、類語でもある「極悪非道」の方が印象深いのは、ヤクザ映画や小説などで見聞きする機会が多いからでしょう。「大逆無道」はそこまで有名ではないですが、逆に言うならだからこそ使われた時はそれぐらい酷い行為だったと察すれます。使い方としては、「大逆無道の行為」「大逆無道の振る舞い」「大逆無道に相当」といった風になります。
大逆無道の由来・出典
「大逆無道」の由来は、中国前漢時代の歴史書「史記」の高祖紀となります。
大逆無道の類義語・同義語
「大逆無道」の類義語には、「悪逆非道」「悪逆無道」「極悪非道」などが挙げられます。
大逆無道の使い方・例文
例文1.障害者施設で19人を刺殺した男は、大逆無道で人の姿をした鬼である。
例文2.戦国時代などは大逆無道な行為があちこちであったのだろう。
例文3.思春期の頃は両親と険悪だったが、さすがに殺めて大逆無道な男になろうとまでは考えも及ばないので、実際にする人は相当だ。
例文4.これまで未成年は少年法で守られてきたが、今後は厳罰化が決定したので大逆無道な事件が増減するのか注視する必要がある。
例文5.極道の親分に値する親殺しは小説などでよくあるパターンだが大逆無道とはまず言われないので、ある意味で黙認されているのだろう。
実在の事件などで「大逆無道」を使った例文です。
大逆無道の会話例
知人男女が悪役ながら人気のプロレスラーについて会話をしています。
大逆無道の豆知識
「大逆無道」から”道理”に関する四字熟語は、人の道に外れた悪事をする「悪逆無道」、才知に優れ道理に明るい「英明闊達」、昔の事柄を調べ直して新しい道理や知識を探り当てる「温故知新」、頑固で視野が狭く道理を弁えない「頑迷固陋」などがあります。
大逆無道の難易度
「大逆無道」は漢字検定6級から10級相当の文字組み合わせで、”逆”は6級で小学校高学年レベル、”無”は7級で小学校中学年レベル、”道”は9級、”大”はそれぞれ10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。
大逆無道のまとめ
「大逆無道」は親殺しや君主を殺すなど、人の道を大きく踏み外した行為の事です。要するに、少しばかりの犯罪行為ではなく、とんでもなく悪い事をする者に対する最悪というレッテルとも受け取れます。有名な「極悪非道」などと類語なので、それだけでもとんでもなく悪い言葉だと想像できます。