五分五分(ごぶごぶ)
｢五分五分｣とは｢優劣に差がない｣と｢50％と50％から可能性が同じぐらい｣という二つの意味があります。互角であったり匹敵している時に使われる、最も有名な表現や名文句の一つではないでしょうか。言葉の語呂が良い事からも、日常でも何かと使いやすいのが特徴となっています。中でも、スポーツ中継では強豪同士が白熱した試合を続けていると、必ずと言えるほど｢五分五分の展開が続いています！｣といったフレーズが使われる程です。そんな｢五分五分｣について詳しく調べてみました。
五分五分の意味
｢五分五分｣の意味は以下の通りです。
・程度や優劣や力関係に差がない。
・可能性が同じぐらい。半分半分な状態。
・互角。五分。五分と五分。
・｢5分5分｣とも書き同義。
”五分”は｢半分｣｢物事の半ば｣｢優劣に差がない｣で、勝利するか敗戦するか、または合格するか不合格か、成功するか失敗するかなど、勝負事や合格発表など運命の分かれ道的な状況において、どちらに転んでもおかしくない時に｢五分五分｣という表現が使われます。代表的なのはスポーツにおける、互いの実力が均衡している個人やチーム同士の試合で、大きな差がないとどちらか勝ってもおかしくありません。他にも、成功する確率と失敗する確率が50％ずつ程度でも、｢五分五分｣となります。よって、試合前や勝負最中に使われる事が多く、結果が判明したらそのバランスが崩れたのであまり使われません。もちろん、過去形としては使われますが、予想できない緊迫状態に使うからこそ意味があるのでしょう。そこから、ライバル関係やせめぎ合う関係でこそ｢五分五分｣と使いがちで、下位同士で使っても問題はありませんが、盛り上がりに欠けるのは事実です。名勝負･熱戦･激闘などと同列に使われる事で、｢五分五分｣もより言葉として存在価値を発揮するのではないでしょうか。実際の使い方としては、｢五分五分な状態｣｢五分五分と見た｣｢五分五分が続く｣｢五分五分な展開｣といった形があります。
五分五分の由来・出典
｢五分五分｣の由来は、残念ながら不明です。文献としては、三味線を使った劇場音楽｢浄瑠璃｣の｢卯月の紅葉｣(1706年)などに文言が記されています。
五分五分の類義語・同義語
｢五分五分｣の類義語には、｢切磋琢磨｣｢膠着状態｣｢半分半分｣などが挙げられます。
五分五分の使い方・例文
例文1.総合格闘技の日本人対決は五分五分な展開になると試合前は予想されたが、1ラウンドであっけなく決着がついた。
例文2.自動車教習所に通っているが、運転が苦手なので仮免に合格する可能性は五分五分かそれ以下だと思っている。
例文3.給料日前に貯金が底を付くかどうかは五分五分で、それぐらい逼迫している。
例文4.コロナで東京五輪が開催されるか否かは、それこそ五分五分と専門家がテレビで言っていたが、実際のところは外国から観光客を入れるのは100％不可能ではないのか。
例文5.告白をした彼女から今日返事を貰う予定だが、上手くいくかは五分五分だと思っている。
可能性や今後の状況などを｢五分五分｣とした例文です。
五分五分の会話例
職場の同僚男女が、コロナ渦の東京五輪開催について会話をしています。
五分五分の豆知識
｢五分五分｣の”五分”は、ヤクザ用語としてもよく使われます。任侠映画などで耳にする｢五分の兄弟｣や｢五分の盃｣は対等な関係でお互いに兄弟と呼び、｢四分六の兄弟｣や｢七三の兄弟｣のように差が開くほど兄貴分の方が立場が上になります。また、サイコロを使った丁半博打は一勝負事に五分(5％)がヤクザ側の取り分です。
五分五分の難易度
｢五分五分｣は漢字検定9級から10級相当の文字組み合わせで、”分”は9級、”五”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。
五分五分のまとめ
｢五分五分｣は勝負などで優劣が付けられない互角状態、又は可能性が同じぐらいという意味合いの四字熟語です。よって、どちらが勝負に勝つか分からない時や、ギャンブルなどで勝つも負けるも50％といった時などに｢五分五分｣となります。この事からも使い道が幅広く日常でも何かと重宝されます。
