【一栄一落(いちえいいちらく)】の意味と例文と使い方

一栄一落(いちえいいちらく)

当事者にとっては悲惨な「栄光からの転落」も、第三者には興味深い場合もありますよね。そして、有名無名を問わず人生において誰でも、少しぐらいは良い時もあれば悪い時もあるものです。そんな様を表現するのが「一栄一落」で、人生が下り坂な人も、またこれから上昇して栄光を掴む人にとっても、感慨深い四字熟語ではないでしょうか。それでは、解説をさせて頂きます。

一栄一落の意味

「一栄一落」の意味は以下の通りです。
・人が栄えたり衰えたりする事。ある時は栄え、その後は衰える事。
・人生における全盛期とそこからの転落や落ちぶれ。
・草木が春には花を咲かせ、秋には落ち葉になる事。
人生を草木に例えると、春は花を咲かせるので絶頂期や全盛期で、その後の秋は落ち葉になるので、転落や衰える時期となります。そして再び春がやって来るので、誰しも良い時もあれば悪い時もあり、栄えたり衰える事を繰り返して、人生を終えると解釈できます。”一栄”は「一度栄える」「僅かな栄華」、”一落”は「一度没落する」「一度衰える」となります。

一栄一落の由来・出典

「一栄一落」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、平安時代中期の廷臣で漢学者・菅原道真による漢詩集「菅家後集」(903年頃)等に文言が残されています。

一栄一落の類義語・同義語

「一栄一落」の類義語には、「栄枯盛衰」「栄枯転変」「一栄一辱」などが挙げられます。

一栄一落の使い方・例文

例文1.スポ―ツ選手が若い時に一時だけ大活躍し、その後は成績不振で引退したり借金や薬問題が起こると、一栄一落とは言い得て妙だと実感する。
例文2.一栄一落を繰り返して人は死ぬ、と幼い息子に言われてドキッとした。
例文3.地方公務員な私は、一栄一落もない平平凡凡なまま人生を終えそうな気がする。
例文4.学生時代は一栄一落と呼べる劇的な事が毎日のようにあったが、大人になったら単調な繰り返しで、自分は主人公ではないんだと理解できた。
例文5.パチンコや競馬をしている時だけ、一栄一落を感じて幸せになれる。
やや悲観的に「一栄一落」を使った例文となります。

一栄一落の会話例

男性
今朝のネットニュース見た? あの芸人が大変な事になっているね!
女性
見ました。何人もの浮気がバレて、掲示板ではその話題で持ち切りですよ。
男性
けっこうテレビで活躍していたのに…。見事に一栄一落だね。
女性
でも自業自得ですよ。どうして男って、浮気がバレないと都合良く思うんでしょうね。

某人気芸人の浮気が発覚した事を、一栄一落に絡めて同僚が会話をしています。

一栄一落の豆知識

「一栄一落」の様に”一”が繰り返される四字熟語は、「一飲一啄」「一往一来」「一億一心」「一芸一能」「一言一行」「一伍一什」などがあります。「一栄一落」以外で”一栄”が使用されるのは「一栄一辱」、”一落”は「一落千丈」となります。

一栄一落の難易度

「一栄一落」は漢字検定7級から10級相当の文字組み合わせで、小学校中学年から低学年レベルの四字熟語となります。

一栄一落のまとめ

「一栄一落」は、人の一生は栄えたり衰えたりするという意味で、要は全盛期や衰勢期が永遠に続く訳ではなく、草花と一緒で花を咲かせればその後は枯れて、また花を咲かすと説いています。悲観的にも捉えられますが、万人が平等や今を楽しむべきとも解釈でき、それぞれの受け止め方次第なのでしょう。

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