【自由闊達(じゆうかったつ)】の意味と例文と使い方

自由闊達(じゆうかったつ)

”自由”が付いた四字熟語というと「自由自在」や「自由奔放」を連想すると思いますが、そこで真っ先に「自由闊達」が浮かぶならかなりの上級者ではないでしょうか。なぜなら”闊達”という言葉が、現在は滅多に使われないからです。それでは「自由闊達」は一体どの様なを意味しているのか詳しく調べてみました。

自由闊達の意味

「自由闊達」の意味は以下の通りです。
・心が広く物事に拘らない。度量が大きく心のままに行動する人。
・伸び伸びと振る舞う。小さな事に拘らず自由で大らか。
・「自由豁達」、逆さにした「闊達自由」も同義となる。
一言で言うなら「心が広い自由人」が「自由闊達」となります。心が広いと言っても様々な捉え方ができますが、”闊達”は「度量が広く小事に拘らない」となるので、そこに”自由”も合わせて、周囲の煩わしい人間関係などとは一線を画し心の余裕さを感じさせます。本来の”自由”とは、煩わしさとは無縁の羨ましさがある反面で、自分勝手やわがまま、自己中心的とも思われかねません。特に日本は村社会なので、「自由=勝手気まま」と悪い印象を抱く人も多いのです。それは、レールに乗った人生を送る人ほどその傾向で、無職や自由業に対して「自由で羨ましい」と言うのは、大半が皮肉や軽蔑以外の何ものでもないのです。しかし、「自由闊達」となると心の広さを称賛する意味合いが強くなり、大物や成功者などに使っても違和感を感じさせません。要は、単純に”自由”と使う前に、相手に失礼とも捉えられる可能性があるなら、「自由闊達」を使った方が無難です。

自由闊達の由来・出典

「自由闊達」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、大正時代の政治学者・吉野作造の著書「閑談の閑談」(1933年)に文言が記されています。

自由闊達の類義語・同義語

「自由闊達」の類義語には、「天空海闊」「闊達自在」などが挙げられます。

自由闊達の使い方・例文

例文1.東大医学部に現役合格しながら、一年足らずで興味が失せたと退学した友人は、頭の良さはもちろんながらその自由闊達な精神があれば何をやっても成功するだろう。
例文2.世間はIT業界の社長というと最近はお馴染みで驚きもないようだが、その中でも本当に成功している人は自由闊達で独創的なアイディアがずば抜けていたからだ。
例文3.サッカーはチームプレイだが、ゴールを量産するには自由闊達な個人技が最後はものを言う。
例文4.問題行動を起こす芸能人や有名人は、大金を稼ぐようになり自由闊達を履き違えたのだろう。
例文5.結局のところ、真面目な男と自由闊達な男がいれば、モテるのは後者である。しかし結婚相手は前者になる。
サッカーや東大合格者などに「自由闊達」を使った例文となります。

自由闊達の会話例

男性
えー、今日も早退するの?
女性
ちゃんと、課長の許可は取っていますよ!
男性
でも、先週も早退していなかった! 今は決算期で忙しいんだから、ちょっと自由闊達すぎない。仕事はチームワークだから勝手な振る舞いは職場の士気を下げるんだよ。
女性
それ以上言ったら、ハラスメントで訴えますよ。あと、今の会話は全てスマホで録音していたので。まだ何か文句ありますか?

職場の同僚男女が、早退をめぐって激しい口論へと展開します。

自由闊達の豆知識

中国は不思議な国で、「自由闊達」だけでなく「自由自在」や「自由奔放」といった自由に関係する言葉の(恐らくは)発祥でありながら、現在の政治は共産主義です。国土がとてつもなく広く、自然も当然豊富で、歴史的にも偉大な人物が思想的な自由を提唱しながらも、本質的には欧米式の自由を絶対に認めません。ですが、経済の仕組みでは日米の様なしがらみがないので、安価な人件費と驚異的な新製品投入スピードで、パソコンやスマホに家電と多くの製品で世界的なトップシェアを誇ります。これも「自由闊達」などの自由精神が国民に根付いている賜物なのか、判断が難しいところです。

自由闊達の難易度

「自由闊達」は漢字検定1級から9級相当の文字組み合わせで、”闊”は1級で大学一般レベル、”達”と”由”は7級と8級で小学校中学年レベル、”自”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

自由闊達のまとめ

「自由闊達」は単なる自由ではなく、心が広く物事に拘らないという意味の言葉です。伸び伸びとして、心のままに行動する様は、どこか憧れを抱かせるものがあります。”自由”は我儘や自分勝手という意味合いも含まれますが、「自由闊達」なら大物や成功者に上司や先輩などに使っても許容される感じがあります。

自由闊達な男性
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