【散髪箕踞(さんぱつききょ)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

散髪箕踞(さんぱつききょ)

「散髪箕踞」とは「乱れた髪で足を投げ出して座る態度から、常識に囚われず自由に生きる喩え」です。誰しも自由に生きるのは憧れるもので、若い人ならファッションに意志表示を示したりしますよね。個性的で奇抜なら自由の象徴であったり唯一のオリジナリティーを見せ付ける意味もありますが、それは古代中国でも同じだったようです。

散髪箕踞の意味

「散髪箕踞」の意味は以下の通りです。
 ・髪が乱れた頭で足も投げ出した状態で座る事から、隠者として自由な生き方や常識や礼儀に囚われないで生きる事。
 ・礼儀を無視しても自分が思った通りに姿勢を貫き通す喩え。
”散髪”は「乱れた髪」「冠を被らないざんばら髪」、”箕踞”は「農具・箕のような形に足を投げ出す」「足を投げ出し座る」となり、乱れた頭髪で足を投げ出して座る様子が「散髪箕踞」です。「冠を被らない」は古代中国の仕官は本来は冠を頭に被るがそれを拒否している事となり、世間との関わりを避ける「隠者」になります。よって、髪は乱れ足を投げ出す様から、外見や態度などは構わずに隠者として自由に生きると解釈出来ます。良く言えば何にも縛られずに自由気まま、悪く言えば常識が通用しなくなった変わり者ともなり、「散髪箕踞」はその様な際に使われる言葉です。

散髪箕踞の由来・出典

「散髪箕踞」の由来は残念ながら不明です。文献としては、”散髪”は室町時代中期の蔭凉軒主による公用日記「蔭凉軒日録」(1463年)、”箕踞”は平安時代の僧・空海の書物「三教指帰」(797年頃)などに文言が記されています。

散髪箕踞の類義語・同義語

「散髪箕踞」の類義語には、「孤雲野鶴」「閑雲野鶴」「羊裘垂釣」などが挙げられます。

散髪箕踞の使い方・例文

例文1.寝坊して髪はボサボサで登校したら、担任の国語教師から散髪箕踞と笑われた。
例文2.毎日会社勤めをしていると、散髪箕踞な生き方をしたいと何度も脳裏をかすめるが、結局は勇気がなく今の生活をダラダラと続けるしかない。
例文3.ペット愛好家は絶対反対するだろうが、犬や猫は自然の中でのびのびと散髪箕踞で生きる方が幸せで、例え豪華な餌を与えたり安全な飼育環境だろうと人に飼われるのは苦痛である。
例文4.週末だけは野生の血が目覚めるのか散髪箕踞になり、競馬場からパチンコ屋に飲み屋をはしごして散財を繰り返し、財布が空っぽになってやっと冷静な常識人に戻る。
例文5.バーベキューやキャンプを楽しむ一部の者は散髪箕踞を求めているので、ゴミをまき散らし自然や周辺で生活する住民に迷惑を掛けても何とも思わずに実に迷惑な存在だ。
「散髪箕踞」を使った例文となります。

散髪箕踞の会話例

男性
少し髪を伸ばそうと思うんだけど、どうかな?
女性
韓国アイドルみたいにするの? 止めなよ似合わないから。
男性
違うよ。ニューヒッピーとかフラワームーブメント、それから中国の偉人達のようにどこか世捨て人な散髪箕踞のような雰囲気を出したいから、まずは格好を真似するんだよ。
女性
あなた公務員なのに、そんな髪型をして大丈夫なの? それに不審者で警察から職務質問されるわよ。

自由に憧れ髪を伸ばして反抗的な雰囲気を出したい公務員の夫と妻の会話です。

散髪箕踞の豆知識

「散髪箕踞」から”髪の毛”に関する四字熟語は、白髪頭になるまで経書の研究をする事から年を取るまで学問に励む「白首窮経」、赤い髪と青い眼から西洋人の「紅毛碧眼」、髪を短くして刺青をする野蛮な風習「断髪文身」などがあります。

散髪箕踞の難易度

「散髪箕踞」は漢字検定1級から7級相当の文字組み合わせで、”踞”は1級、”箕”は準1級で大学一般レベル、”髪”は4級で中学レベル、”散”は7級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

散髪箕踞のまとめ

「散髪箕踞」は乱れた髪と足を投げ出して座る態度から、自由で好き勝手に振る舞う隠者の生き方となります。世の中の礼儀やマナーを破り常識に囚われず自分が思ったように生きるのは、まるで世を捨てた隠者のようで、だから乱れた髪や悪い態度などを気にしないのです。

最新情報をチェックしよう!