【女人禁制(にょにんきんせい)】の意味と例文と使い方

女人禁制(にょにんきんせい)

「女人禁制」や「女性禁止」と聞くと何を思い出すでしょうか? 男ばかりが働く危険な力仕事、また歌舞伎や相撲取りなども女性の方は居ないです。他にも、「女人禁制」とする古来からの祭りといった伝統めいたものから、男子校なども一種の「女人禁制」です。逆に男性禁止となると昨今何かと物議を醸す女性専用車両やマンシションやアパートなどの賃貸物件でも多いそうです。では、今時性別で判断するのは時代錯誤ですが、実は長い歴史の「女人禁制」について調べてみました。

女人禁制の意味

「女人禁制」の意味は以下の通りです。
・女性の立ち入りを禁止する古来からの風習だが、現在はほぼ廃止されている。
・宗教修行の場や行事など女性の立ち入りや参加を禁止する日本独自の慣習。
・「にょにんきんぜい」とも読む。
「女人禁制」の歴史は大変古く、その歴史や意味を正確に伝えるのは困難ですが、仏教国である日本で大昔から行われてきた、宗教めいた場所などに女性の立ち入りを禁ずる習慣です。女性という存在がいる事での男性の欲望である煩悩を断ち切る、また女性の月経による出血を穢れとするのが理由ですが、その真実は時代ならではの男尊女卑が理由であると納得ができます。高野山や比叡山といった仏教の聖地扱いの場が率先して「女人禁制」としてきたので、他の聖域と呼ばれる全国各地の神社や霊場に祭場なども続き、広く隅々まで浸透しました。この様な場を「女人結界」とも呼び、「女人禁制」と同義扱いとなります。しかし、時代経過や近代化にも影響され、1872年になると明治政府が全国の神社仏閣に「女人禁制廃止」の政令を出し、現在では一部を除きほぼ「女人禁制」は廃止となりました。しかし、「女人禁制」という言葉が消えただけで、実際の男女差別が色濃く残っているのは周知の通りです。

女人禁制の由来・出典

「女人禁制」の由来は諸説が入り乱れていますが、発祥は奈良時代に仏教の五戒・不邪淫戒によって、僧寺では「女人禁制」となり尼寺では男子禁制となったのが始まりとされます。その後、平安時代になると男女差別の考えが定着し、本格的な「女人禁制」の動きとなっていきます。

女人禁制の類義語・同義語

「女人禁制」の類義語には、「女人結界」「男子禁制」などが挙げられます。

女人禁制の使い方・例文

例文1.今時でも女人禁制や女性禁止と思ったが、その名残は多く残っていて上場企業の女性役員比率や議員の女性比率を見れば一目瞭然だ。
例文2.母や姉が勝手に部屋に入ってくるので、ドアに女人禁制とプレートを張り付けたが、効果はまったくなかった。
例文3.中学高校は男子校で女人禁制という過酷な生活を送ったので、その反動なのか尾を引き40代になっても未だに遊び癖が抜けず独身だ。
例文4.離婚してからは女性恐怖症に陥り、長らく女人禁制のような生活を送っている。
例文5.有名な某アイドル事務所も男性アイドルばかりで、女人禁制を固く守っている今時珍しい芸能事務所である。
政治家や企業役員、芸能界や学生時代などで「女人禁制」を使った例文となります。

女人禁制の会話例

男性
昔の日本は至る所で女人禁制だったんだね。
女性
そうだよ。お祭りにも参加できないんだから、少し笑えるよね。
男性
でも、その名残って今でも確実に残っているよね。パチンコや雀荘に競艇場や競馬場は女性客が少しはいるけど、圧倒的に男性客ばかりだし。居酒屋だって、若い女性が一人で飲んでいたら色眼鏡で見られる。
女性
そうそう。でも、かわいいカフェに男性の一人客は少ないからお互い様かも知れないね。

男女平等には中々なれない社会の現実について男女2人が会話をしています。

女人禁制の豆知識

「女人禁制」は仏教に絡む日本伝統のものとしましたが、海外に目を向けると同じ様な女性を軽んずる風習めいたものがあります。有名なのは英語による今ではセクハラともされる「Miss(ミス)」と「Mrs.(ミセス)」の違いです。「Miss」は未婚女性、「Mrs.」は既婚女性で現代はジェンダーという観点からもあまりよろしくありません。他にも、古代オリンピックは基本男性の為の祭典で女性は観戦や出場制限がありました。現代で最も女性蔑視とされるのはイスラム教で、女性の服装で顔や肌を隠すのは半ば強制となっています。

女人禁制の難易度

「女人禁制」は漢字検定6級から10級相当の文字組み合わせで、”禁”と”制”は6級で小学校高学年レベル、”女”と”人”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

女人禁制のまとめ

「女人禁制」は、かつての日本で長く風習とされた女性の立ち入りを制限するものです。具体的には、仏教の寺院や祭など聖地や聖域とされる場は、男女差別や女性蔑視から入るのを禁じていましたが、明治時代になると近代化によって「女人禁制廃止」へと舵が取られ現在に至ります。

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