蛙鳴蝉噪(あめいせんそう)
｢蛙鳴蝉噪｣は一見すると、蛙や蝉の鳴き声や煩い様子と推測できますが、果たして実際にはどの様な意味が込められているのでしょうか？ 難解そうな感じもしますが、一方で文字通りなら実は容易なのではとも思えますよね。四字熟語は大変種類が多く、時には｢蛙鳴蝉噪｣の様な滅多に触れる機会がない言葉とも出会い、それがまた面白いのでしょう。それでは解説を始めさせて頂きます。
蛙鳴蝉噪の意味
｢蛙鳴蝉噪｣の意味は以下の通りです。
・蛙や蝉が鳴き騒ぐ様から、がやがやとやかましく喋る。
・内容のない文章や議論を馬鹿にした物言い。無用な口論や下手な文章。
・騒がしく何の役にも立たない。
・逆さにした｢蝉噪蛙鳴｣も同義。
蛙や蝉の鳴き声は大勢にとってはただ煩いだけで何の意味もないので、そこから、がやがやとやかましい喋りや様子。また、内容のない文章や議論、無意味な口論や下手な文章などとなります。典型的な会社によくある、無意味な会議や無駄な報告書などが正に｢蛙鳴蝉噪｣ですが、一方で蛙や蝉と同じで無くすのが難しいのも事実です。そして、当事者には直接言えないものですから、陰から｢蛙鳴蝉噪｣と表現するのが関の山となります。
蛙鳴蝉噪の由来・出典
｢蛙鳴蝉噪｣の由来は、中国唐代中期の文人･韓愈の｢平淮西碑評｣となります。
蛙鳴蝉噪の類義語・同義語
｢蛙鳴蝉噪｣の類義語には、｢蛙鳴雀噪｣｢驢鳴犬吠｣｢驢鳴牛吠｣などが挙げられます。
蛙鳴蝉噪の使い方・例文
例文1.選挙カーの応援演説ほど、私にとって蛙鳴蝉噪と思わせる無意味な存在はない。
例文2.昔は近所の公園で子供たちが蛙鳴蝉噪とそれこそ無駄に賑やかだったが、現在はそんな声を聞く事はなくなった。
例文3.話題の新刊を購入して楽しみに読んだら、蛙鳴蝉噪な連続で本当に退屈極まりなく、よくこれで世間は大絶賛をするのか疑問に思った。
例文4.今にも倒産しそうな我が社の会議ほど、蛙鳴蝉噪はないだろう。上司は気合だけを熱心に語り、部下達はただ大人しく固まり時間が過ぎるのを待つだけだ。
例文5.コロナ渦を受けての、政府や関係者の会議が蛙鳴蝉噪であるとバレてから、世間や国民はまったく期待をしなくなった。
騒がしい、無駄な会議、退屈な文章などを｢蛙鳴蝉噪｣と表現した例文となります。
蛙鳴蝉噪の会話例
午後からの会議を前にして、職場の男性が不平不満を同僚女性にぶつけています。
蛙鳴蝉噪の豆知識
｢蛙鳴蝉噪｣の他にも、無用や無駄に関する四字熟語は多々あります。無駄な労力は｢掉棒打星｣｢吹影鏤塵｣、無駄な事をするのは｢画蛇添足｣｢対牛弾琴｣、役に立たないは｢夏炉冬扇｣、時間の無駄は｢蹉跎歳月｣｢酒嚢飯袋｣、無駄な贅沢は｢羅綺千箱｣となります。
蛙鳴蝉噪の難易度
｢蛙鳴蝉噪｣は漢字検定1級から9級相当の文字組み合わせで、”噪”は1級、”蝉”と”蛙”は準1級でそれぞれ大学一般レベル、”鳴”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。
蛙鳴蝉噪のまとめ
｢蛙鳴蝉噪｣は、蛙や蝉の鳴き声は煩く役に立たない事から、騒がしい様子に加えてそこから転じて、無駄や無意味な文章や議論を形容します。騒がしい張本人には意味があるのでしょうが、それ以外の大多数にとってはまったくの無意味な事です。
