【蒼然暮色(そうぜんぼしょく)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

蒼然暮色(そうぜんぼしょく)

「蒼然暮色」とは「夕暮れになり辺りが徐々に薄暗くなる様子」です。昼間はあれだけ騒がしかったのに、夕方になると誰もが家路に向かうので、どこか寂しくて何とも言えない景色に様変わりしますよね。そんな「蒼然暮色」についての解説となります。

蒼然暮色の意味

「蒼然暮色」の意味は以下の通りです。
・夕方になり辺りが少しずつ暗くなっていく事。
・夕暮れで薄暗くなる様子。
・逆さにした「暮色蒼然」も同義。
”蒼然”は「日が沈み薄暗くなる」、”暮色”は「日が沈み薄暗い夕方」で、どちらも夕方という意味合いから強く強調している言葉だと理解できます。昼間と比べると明らかに景色が変わり、夕暮れならではの何とも言えない独特な暗くなる頃合いを「蒼然暮色」と表現します。丁度、昼から夜に変わる境目といった感じで、時間で言えば季節にもよりますが16時や17時頃になります。昼間の太陽が隠れ、夜に変わりつつある黄昏のような雰囲気も醸し出しています。実際に使う際には、「蒼然暮色な景色」「蒼然暮色たる街路」「蒼然暮色な時間」といった風になります。

蒼然暮色の由来・出典

「蒼然暮色」の由来は、中国唐時代の文学者・柳宗元が詠んだ自然詩「始めて西山を得て宴游するの記」となります。

蒼然暮色の類義語・同義語

「蒼然暮色」の類義語には、「薄暮冥冥」「暮色蒼然」などが挙げられます。

蒼然暮色の使い方・例文

例文1.初デートの帰り、二人で見た蒼然暮色な景色は生涯の思い出で今でも忘れる事ができない。
例文2.青春映画などは蒼然暮色な映像をどのタイミングでどのように入れ込むのかが、一つの注目点である。
例文3.娘の帰りが遅くなり、空が蒼然暮色になると父は居ても立ってもいられないのか、ソワソワして落ち着かない。
例文4.蒼然暮色な時間まで今日も寝てしまった。これだから仕事を辞めると、一日の生活リズムが完全に狂って困ってしまう。
例文5.我が家の愛犬は蒼然暮色が差し迫ると、散歩に行けると喜び途端に元気になる。
夕方や夕暮れで「蒼然暮色」を使った例文となります。

蒼然暮色の会話例

男性
久しぶりに散歩でもしようか?
女性
でも、もう夕方だよ。少し寒くない?
男性
でも、今の季節は蒼然暮色になっていく瞬間は趣があるでしょう。だから行こうよ。
女性
そうだね。よし行こう。

恋人同士が夕暮れの景色が見たくて散歩に行くという内容です。

蒼然暮色の豆知識

「蒼然暮色」から”夕暮れ”や”夕方”に関する四字熟語は、朝の雲や夕暮れの雨から男女の契りとなる「朝雲暮雨」、夕暮れや春の樹木から遠くに離れた友を思う「暮雲春樹」、朝の過ちと夕方まで改めるから自分の過ちをすぐ改める「朝過夕改」、朝に出した命令が夕方には改める事から命令が頻繁に変更される「朝令暮改」などがあります。

蒼然暮色の難易度

「蒼然暮色」は漢字検定準1級から9級相当の文字組み合わせで、”蒼”は準1級で大学一般レベル、”暮”は5級で小学校高学年レベル、”然”は7級で小学校中学年レベル、”色”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

蒼然暮色のまとめ

「蒼然暮色」は夕暮れ時の辺りが薄暗く変わるひと時を意味する言葉です。徐々に薄暗くなり、空気感も少し変わる独特な雰囲気を見事に表現し、趣がある四字熟語として知られています。四字熟語で夕暮れを意味する言葉は少ないので、貴重な言葉と言えるのではないでしょうか。

広がる空はまるで蒼然暮色だ。
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