【物見遊山(ものみゆさん)】の意味と例文と使い方

物見遊山(ものみゆさん)

「物見遊山」とは「気晴らしや気分転換を兼ねて、あちこちに出掛ける事」です。皆さんも仕事や学校生活や家事炊事などから解放されて、パーッとどこかに出掛けたい時ってありますよね。それが近い場所でも本格的な旅行でもどちらでも良く、とにかく家や職場を忘れて非日常生活に身を委ねるという感じです。そんな感覚に近いのが「物見遊山」ではないでしょうか? それでは、こんな社会だからこそ羽を伸ばしたくなる「物見遊山」の解説となります。

物見遊山の意味

「物見遊山」の意味は以下の通りです。
・物見と遊山で、見物や気晴らしに出掛ける事。
・気晴らしから、あちこちを見物に出る事。
”物見”は「物事を見る」「見物する」「戦争で敵情の探りや見張りをする」、”遊山”は「野山に遊びに行く」「気晴らしに出掛ける」で、現在の仕事などを一旦忘れて気晴らしから出掛けるのが「物見遊山」です。見る事や出掛ける事に意義があるので、それが近い公園であったり本格的な旅行であったりと
内容は二の次で、要するに当人が満足出来れば「物見遊山」を満たした事になります。従って、旅行・巡り・見物・見学・一人旅・漫遊・行楽などが類似となりますが、一方でどこか大人の遊びや嗜みといった感があるのも否めません。と言うのは、自論もありますが、”遊山”は本来はお寺で修行する仏教徒が修行の合間に山を下りて街を観て遊ぶという事ですが、それが実際には「女遊び」という目的や側面も大きいとされ、その後も隠語的に使われていたともされています。ですから、特に大人の男性が「物見遊山」ないし「遊山」と使う時には、「女遊び」というニュアンスが隠されている場合もあります。もちろん、単なる旅行や気晴らしとする場合もあるので、そこは当人の使い方次第であり前後の文脈や会話からの判断です。実際に使う場合は、「物見遊山にやってきた」「物見遊山で気晴らしができた」といった風になります。

物見遊山の由来・出典

「物見遊山」の由来は、”物見”は展覧会などで催し物を見る事が転じたと言われています。”遊山”は仏教の禅宗の言葉で、修行中の僧が次のお寺へ移動する為に山を下りる事で、その旅の最中は野山で遊んだり街を観て回れるので、修行を忘れて良い気分転換になったそうで、この二つが合わさって「物見遊山」と呼ばれる様になったそうです。

物見遊山の類義語・同義語

「物見遊山」の類義語には、「観光旅行」「文学散歩」「視察旅行」などが挙げられます。

物見遊山の使い方・例文

例文1.息子の受験勉強が無事に終わったので、慰労もかねて家族で物見遊山に出掛けた。
例文2.自宅でのテレワークばかりでストレスが溜まるので、コンビニや公園に少し出掛けるのが物見遊山としてバランスが取れている。
例文3.真夜中に物見遊山を気取って深夜ドライブを楽しんでいたら、暴走族に絡まれて警察沙汰に巻き込まれてしまった。
例文4.東京に住んでいたら、物見遊山に出掛ける場所がいくつもあって羨ましく感じる。
例文5.出張や転勤が多い仕事は働きながら物見遊山も出来て一石二鳥に感じるが、現実は厳しい面も多いのだろう。
旅行や気晴らしで「物見遊山」を使った例文です。

物見遊山の会話例

男性
来週、また出張だから。よろしくね。
女性
あなたはいいわね。いつもどこかに行けて。私なんて、ここ何年も満足に旅行にも行ってないのよ!
男性
そういっても、こっちも仕事だから。俺だって、遊びで物見遊山なら嬉しいよ。でも、仕事なんだよ…。
女性
でも、飛行機や新幹線に乗れるでしょう。それだけでも、楽しくて物見遊山よ。私に言わせたら。

日頃旅行に行く機会がない妻が、夫の出張に対して小言を言う会話です。

物見遊山の豆知識

「物見遊山」から”旅行”に関する四字熟語は、全国を絶えず旅する「南船北馬」、仕事などで全国を駆け回る「東奔西走」、結婚や旅行をするには最も縁起が良い「大安吉日」、僧が全国を巡り修行したり気儘な旅行の「雲水行脚」、旅先で空や雲を見て両親を思い出す「白雲狐飛」などがあります。

物見遊山の難易度

「物見遊山」は漢字検定8級から10級相当の文字組み合わせで、”物”と”遊”は8級で小学校中学年レベル、”見”と”山”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。 

物見遊山のまとめ

「物見遊山」は、気晴らしからあちこちに出掛けたりする事で、元々は修行中の僧が山を下りて街を散策した事が始まりとされています。現代なら仕事などが一段落して、ストレス発散や自分へのご褒美として旅行に行ったり、ちょっと公園や喫茶店などに軽く行く感じも含まれている四字熟語となっています。

春になったら物見遊山に出かけうよ。
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