【気候風土(きこうふうど)】の意味と例文と使い方

気候風土(きこうふうど)

「気候風土」という言葉は最近聞かれる事も多いですが、その割にはぼんやりとした印象を抱いている人も多いのではないでしょうか。何となく、その土地の気候や文化と想像し、寒い地域は静かな人が多く、暖かい地域は賑やかで騒がしい人が多いと抱いてしまいます。また、最近は地方移住や東京離れがコロナによって顕著になっているので、そこから注目を集める言葉となっている面もありますよね。そんな「気候風土」について調べてみました。

気候風土の意味

「気候風土」の意味は以下の通りです。
・その土地の天候や気温や地勢、歴史的な背景や建造物などを加味した総合的な特色。
・地域毎の気候や文化に合わせた生活様式で、気温や降水量だけでなく文化や精神的な環境。
”気候”は「ある土地で一年周期の大気の総合状態で気温や降水量などの傾向」「その地の天気の状態」、”風土”は「ある土地の気候や地形や景観などの総称」「自然現象と文化や歴史背景を考慮したもの」となります。要するに、”気候”は単純な気温や降水量や雨が多く降る等の天候状態で、”風土”は気候に様々な地域ならではの状況を加味したものです。ですから、歴史や文化的背景も当然ながら、「この土地は保守的」など政治的な事柄も含まれています。「気候風土」は割と新しい言葉なようで、それぞれを別にした「気候・風土」や「気候」「風土」とする向きもありますが、近年は特に建築業界で「気候風土」は多く使われています。それは住宅建設において、地域に根付いた特徴ある家を建てる為です。日本は縦長な国で四季があり高温多湿なので、木造建築が「気候風土」には合っていますが、しかし、木造建築は費用が高くなりがちですし、耐久性では鉄骨の方が優れています。ですから「気候風土」に合った住宅と一言で言っても、実際は費用面などで難しくなります。直近では、環境負荷を低減をする「気候風土住宅適応」というエアコンなどをなるべく使わないで済む過ごしやすい快適住宅が注目を集めています。建築業界の他にも、農業や観光に環境ビジネスなどで「気候風土」が使われる事が多くなっています。

気候風土の由来・出典

「気候風土」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、”気候”は室町時代中期の「史記」の注釈書「史記抄」(1477年)、”風土”は奈良時代の日本最古の和歌集「万葉集」(8世紀後半)などに文言が記されています。

気候風土の類義語・同義語

「気候風土」の類義語には、「気候特性」「気候環境」「独自文化」などが挙げられます。

気候風土の使い方・例文

例文1.薄給なのに思わず気候風土に適した住宅を購入してしまい、ローン支払いが30年続く事となった。
例文2.気候風土に合った野菜を育てようと、週末は妻と家庭菜園を整備している。
例文3.夏は倒れるぐらい暑く冬は凍えるぐらい寒く、隣近所は湿気同様に陰湿で、これが我が美しい国日本の気候風土なんだと最近は諦めている。
例文4.北海道に越して気候風土を肌で感じられるようになり、失われていた人生を取り戻した気がする。
例文5.全国各地の伝統食品は気候風土に合ったものばかりである。
「気候風土」をやや否定する様な例文となります。

気候風土の会話例

男性
子供も生まれたし、将来的には東京を離れて引っ越しもありだな!
女性
そうね。東京はずっと住むところではないわね。
男性
でも、東京以外となると、実際はどこが生活しやすいんだろう?
女性
うーん。引っ越しって言っても大都市から地方都市に田舎まで色々あるし、何と言っても気候風土も調べないといけないしね。…そこから一か所に絞るのは結構大変そうね。

東京在住の夫婦が将来的な引っ越しを考えて会話を繰り広げています。

気候風土の豆知識

「気候風土」の”気候”は分かりやすい言葉ですが、対する”風土”は実に幅広く明確な概念も実はありません。天候から地形や景観、さらに文化に宗教に政治等々、何でも含まれてしまうのでこれと言った言葉で片付けるのは無理があります。抽象的な言葉として逆に便利な面もありますが、個人的には地方や田舎のネガティブな問題を”風土”で片付けられるという、側面が大きいように思います。それは、寒い地域や暑い地域に閉鎖的な村社会でも、それを「この地域ならではの風土(気候風土)だから」と妥協させてしまうからです。

気候風土の難易度

「気候風土」は漢字検定7級から10級相当の文字組み合わせで、”候”は7級で小学校中学年レベル、”風”は9級、”気”は10級、”土”も10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

気候風土のまとめ

「気候風土」は、その土地の天候や気象に地形的背景や歴史や文化に政治等々を複雑に絡み合わせた総合的な特色となります。ですから、雨が多く降る地域や冬になると雪が降る地域などだけでなく、そこに景観の良し悪し、歴史的建造物の有無、採れる野菜や食品、政治や宗教、人間性や県民性格などを一つの特性として「気候風土」となります。

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