【普天率土(ふてんそつど)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

普天率土(ふてんそつど)

”全世界”や”全宇宙”など途方もない広さを表現する言葉って、少し憧れがありますよね。小さな事でウジウジ悩んでいたのがバカらしく感じるほどです。四字熟語にはそのような意味の言葉が多くあり、有名なのは「天上天下」「津津浦浦」ですが、今回の「普天率土」も忘れては困ります。同じような言葉ながらマイナー扱いされているので、何気なく使用すると鼻高々となれ優越感に浸れます。

普天率土の意味

「普天率土」の意味は以下の通りです。
・全世界。天下。世界中。国中。世界のあらゆる場所。
・天の覆うすべての地。天下至る所。
・天下を治めた王。王様。君主。
・「ふてんそっと」とも読む。
「普天率土」は大きく二つの意味で、「全世界」と「王様」になります。どちらも同じ意味とも解釈できますが、全世界や国中も支配する王様の存在あって成立しているというものです。”普天”は「広大な天」「全世界」「国中」、”率土”は「陸地の続く限り」「国の果て」という意味があります。また、「普天率土」の”普”は「敷」や「溥」とも書きます。

普天率土の由来・出典

「普天率土」の由来は、中国最古の詩集「詩経」の「小雅・北山」となります。

普天率土の類義語・同義語

「普天率土」の類義語には、「一天四海」「率土之浜」「三千世界」などが挙げられます。

普天率土の使い方・例文

例文1.アメリカと中国は各々がIT技術から貿易や軍事などで、普天率土を我が物にしようと争いを続けている。
例文2.この広大な普天率土で暮らす人々は、誰もが平等で安心して生活を送る権利を持っている。
例文3.日本もかつては普天率土となるのを目指し、アジア諸国を侵略した黒歴史がある。
例文4.航空網の整備によって、普天率土が狭まり人々の往来が容易になった。
例文5.戦国時代の名立たる武将は普天率土を目指して戦い、そして散っていった。
普天率土を使用した例文となります。

普天率土の会話例

男性
世界中を支配しているのって誰か知っている?
女性
それはアメリカとか中国じゃないの。
男性
違うでしょう。神様!悪魔から普天率土を守り、そして統一しているのは神様が一人で頑張っているからだよ。
女性
あー、そっち系ね。それでも、キリストと釈迦の二人にならない。

神様が普天率土を支配していることについて話している二人の会話例です。

普天率土の豆知識

「普天率土」と同じように”世界中”などを意味する四字熟語は、「天上天下」「津津浦浦」「三千世界」「四荒八極」など数多くあります。これらと「普天率土」の違いは、正直なところ扱いが難しいところがあります。「普天率土」は文字からも、天があり王様支配があっての”世界中”とも解釈できますが、他の言葉もそれぞれ中国発祥であり同じような背景があると想像できるからです。また、現在は多少前後の文脈が違っても最終的には、”世界中”という喩えで統一されています。そこから、他の四字熟語との差別化もあり、王様的な扱いの際に用いられるのが「普天率土」で、世界的な際には他の四字熟語が使われるケースが多いです。

普天率土の難易度

「普天率土」は漢字検定4級から10級相当で、中学校から小学校低学年レベルの容易な四字熟語となります。

普天率土のまとめ

「普天率土」は、天の覆う地・王様・君主・天下・全世界などの意味を持つ四字熟語で、要するに世界または王様の喩えとなります。実際には世界という表現で使われる四字熟語が多いので、そこから王様の喩えとして用いられるケースが多いと思われます。

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