【旧套墨守(きゅうとうぼくしゅ)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

旧套墨守(きゅうとうぼくしゅ)

昔気質、或いは頑固者などに相応しいのが「旧套墨守」です。伝統的な職人気質のお寿司屋や日本蕎麦屋などに訪れると、「旧套墨守」を連想するのではないでしょうか? 一方、時代の変化と共にこの様な伝統的なお店や習慣などがどんどん減っているのも事実でしょう。だからこそ、せめて言葉だけはきちんと残すのが我々の役目なのではと思ってしまいます。それでは、「旧套墨守」についての解説となります。

旧套墨守の意味

「旧套墨守」の意味は以下の通りです。
・古いしきたりや方法を守る。昔ながらの方法や習慣を大事にして頑なに守る。
・古いしきたりに拘るあまり、融通が利かない。自分の考えを譲らない。
・頑固者、偏屈、柔軟性がないなどの喩え。
「旧套墨守」は主に二つの意味があり、昔ながらのしきたりや方法を大事にする事を是とするものと、それが逆に非として、融通が利かないとするものです。古いしきたりを大事にする事は当然良い事ですが、時代に応じた変化も必要なのも事実です。また、あまりにも自分の考えに固執して、その結果が悪くなれば本末転倒です。要は、通常は昔からの習慣などを大事にして守るという意味ですが、その裏には皮肉めいた頑固者や偏屈なども隠され、融通が利かない喩えとしても使用されます。”旧套”は「昔ながらの習慣や形式」「ありきたりの様式や方法や思考」、”墨守”は「習慣や主張を頑なに守る」「昔のしきたりや自説を守る」となります。

旧套墨守の由来・出典

「旧套墨守」の由来は、残念ながら正確には判明していません。”墨守”に関しては、中国戦国時代の思想家・墨子による名を冠した思想書「墨子」の「公輸」となります。宋の城を敵軍の攻撃から九度に渡って守った事から、自らの方法や習慣を固く守り変えないとなります。

旧套墨守の類義語・同義語

「旧套墨守」の類義語には、「刻舟求剣」「守株待兎」「墨守成規」などが挙げられます。

旧套墨守の使い方・例文

例文1.我が家は旧套墨守な家庭なので、父親が帰ってきて全員揃ってから夕食を食べる。
例文2.保身に走る旧套墨守な政治家や官僚を見ていると、税金泥棒と耳元で怒鳴りつけたくなる。
例文3.近所のラーメン屋は旧套墨守な独自ルールが多く正直窮屈に感じるが、店の味は本物なのでつい通ってしまう。
例文4.コロナ渦によって旧套墨守な業界は半減どころか殆ど消えてしまうだろう。
例文5.寺院を練り歩くと、旧套墨守で伝統を大事にする文化も悪くないと感じる。
「旧套墨守」を肯定的にも否定的にも捉えた例文となります。

旧套墨守の会話例

男性
このパソコン遅いなー。仕事にならないよ。
女性
ですよね。今時、OSがWindows 7って、うちの会社ぐらいですよ!
男性
本当にここまで旧套墨守って、呆れるよ!
女性
それで、社員には仕事の効率化を求めるんですからね。

会社のパソコンがWindows 7な事から仕事が捗らず、職場の同僚男女が呆れて批判をする会話です。

旧套墨守の豆知識

「旧套墨守」は古いしきたりを守るですが、反対に革新的というか新しいものを取り入れるのが「吐故納新」です。「新旧交代」や「新陳代謝」も類語となり、組織の若返りや持続の為には必要不可欠となります。四字熟語、または古代中国の漢詩は古い物を大事にする感じがありますが、一方で未来志向というか新しいものを取り入れるべきと理解していた事になります。

旧套墨守の難易度

「旧套墨守」は漢字検定準1級から8級相当の文字組み合わせで、”套”は準1級で大学一般レベル、”墨”は3級で中学校卒業レベル、残り二文字は小学校で習う四字熟語となります。

旧套墨守のまとめ

「旧套墨守」は、昔ながらのしきたりや習慣を守り伝統を大事にするという意味がありますが、もう一つ、古いしきたりを大事にするあまり融通が利かないや頑固者とも解釈がされています。云わば、良い面と悪い面を併せ持つのが「旧套墨守」です。

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