【断崖絶壁(だんがいぜっぺき)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

断崖絶壁(だんがいぜっぺき)

「断崖絶壁」とは「険しい崖から絶望や危機的な状況の喩え」です。刑事ドラマで犯罪者が追い込まれるシーンでもお馴染みの「断崖絶壁」ですが、崖から身を投げると命を落とすので、それぐらいに危機が迫っているとして使われています。個人的にはこれほど言葉と状況が一致して、万人が共感できるのも珍しいと思っています。そんな「断崖絶壁」についての解説となります。

断崖絶壁の意味

「断崖絶壁」の意味は以下の通りです。
・切り立った険しい崖。
・落ちたら身の危険が伴う険しい崖の事で、転じて、非常に危機的な状況の喩え。
・急斜面な崖から、自身に危険が迫っていて絶望的な状況を喩えている。
”断崖”は「垂直に切り立った崖」「切り立った崖」、”絶壁”は「切り立った崖」「非常に険しい崖」で、どちらも切り立った崖であり険しい崖という意味で、それを続ける事で強調させています。使い方としては、実際にそんな険しい崖を見たり訪れて感想としての「断崖絶壁」と、例えば借金取りに追われていたり人生に絶望している様を形容した喩えとして「断崖絶壁」となります。さらに深読みすると、刑事物のドラマや映画などで、警察によって犯人が「断崖絶壁」に追い込まれ犯行などを自供するシーンがよくありますが、これは前に行けば警察に逮捕されて背後には崖があり落ちて命を落とすという、どちらにも道がない状況を表しています。よって類似となるのは、崖っぷち・打つ手なし・大ピンチ・背水の陣・後がない・土俵際なども同様です。

断崖絶壁の由来・出典

「断崖絶壁」の由来は残念ながら不明です。文献としては、近代日本を代表する小説家の一人である中山義秀の「テニヤンの末日」(1948年)などに文言が記されています。

断崖絶壁の類義語・同義語

「断崖絶壁」の類義語には、「危機一髪」「風前之灯 」などが挙げられます。

断崖絶壁の使い方・例文

例文1.我が人生は常に断崖絶壁の繰り返しだが、平凡に生きるよりはスリリングでまったく後悔していない。
例文2.公務員の友人はとても安定しているのに、酒を飲むとまるで断崖絶壁に立っているような口調で人生を語るので正直解せない。
例文3.平民が犯罪を犯せばいつ逮捕されるのだろうと震えて断崖絶壁な心境で夜も眠れないが、この国の最高権力者は間接的な悪さは治外法権でありそんな心配は無用だから羨ましい限りだ。
例文4.コロナ禍で医療関係者は断崖絶壁で苦しんでいるが、感染予備軍の都会の若者は駅近くの路上で酒浸りに明け暮れ現を抜かしているのだから堪ったものではない。
例文5.この国の少子化問題は既に断崖絶壁を通り越して海中に深く沈んでいるが、政治家はまったく解決する気がないのだから呆れてしまう。
現在の諸問題に批判を込めて「断崖絶壁」を使った例文となります。

断崖絶壁の会話例

男性
今月もお金がまったくない。大ピンチだー。
女性
給料入っても次から次へと散財しているからでしょう。
男性
それを言わないでくれよ。ところで、1万円貸してくれない?
女性
だめー。少しは借金をしないで頑張って。断崖絶壁だと思えば、お金がなくても多分何とかなるよ。

給料を散財してばかりでお金がまったくない彼氏が、彼女から1万円を借りようとする会話です。

断崖絶壁の豆知識

「断崖絶壁」から”絶望”や”危機”に関する四字熟語は、崩壊や敗北などの危機から一気に好転させ立て直す「起死回生」、希望がなくどうなってもいいとヤケクソな様の「自暴自棄」、危険な瀬戸際からかろうじて助かる「万死一生」などがあります。

断崖絶壁の難易度

「断崖絶壁」は漢字検定2級から6級相当の文字組み合わせで、”崖”は2級で高校卒業レベル、”壁”は4級で中学レベル、”断”と”絶”は6級で小学校高学年レベルの四字熟語となります。

断崖絶壁のまとめ

「断崖絶壁」は切り立った崖や険しい崖という意味から、危機が迫ったや絶望な状況の喩えとなります。崖の上に追い込まれると、前にも行けず後ろには崖があり大ピンチという状況を「断崖絶壁」は的確に表現する言葉となっています。

断崖絶壁の様子。
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