【一牛鳴地(いちぎゅうめいち)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

一牛鳴地(いちぎゅうめいち)

「一牛鳴地」とは「牛の鳴き声から、非常に近いと長閑な田園風景」となります。都会の喧騒を離れて、実家がある田舎に帰ったり旅行に出掛けると、虫や動物の声がよく聞こえて驚く事がありますよね。そんな感覚に近い言葉が「一牛鳴地」ではないでしょうか。それでは、より詳しい解説に入らせて頂きます。

一牛鳴地の意味

「一牛鳴地」の意味は以下の通りです。
・一頭の牛の鳴く声が聞こえる土地から、非常に距離が近い、長閑な田園風景の喩え。
・牛の鳴き声が聞こえるほどの距離。
・「いちごみょうち」とも読む。
”一牛”は「一頭の牛」、”鳴”は「(牛が)鳴く」、”地”は「土地」となり、一頭の牛の鳴き声が聞こえる土地から転じて、非常に近い距離や長閑な田園風景となります。牛の泣き声が聞こえる距離は個人差もあるでしょうが、犬の鳴き声が90db程度なので、牛もその程度と仮定すると数十m先でも聞こえるぐらいなので、「一牛鳴地」はその位の距離か、またはさらに近いと推測できます。また、田園風景という意味もあるので、大自然・山奥・田舎・山間・ローカル・牧草地・農村なども類似となります。実際の使用例としては、「一牛鳴地で生活」「一牛鳴地で暮らす」「一牛鳴地な近さ」といった形になります。

一牛鳴地の由来・出典

「一牛鳴地」の由来は、古代インドの尺度の単位となります。古代インドでは物の長さを測るのに、人の指、掌を広げて親指から小指まで、肘など体を使っていました。これらは当時としてはなかなか万能でしたが長い距離を測れない弱点もあり、そこで、長い場合は牛の声が聞こえる距離を一つの単位として、それが今回の「一牛鳴地」です。

一牛鳴地の類義語・同義語

「一牛鳴地」の類義語には、「一牛吼地」「一衣帯水」などが挙げられます。

一牛鳴地の使い方・例文

例文1.若い時は都会で働き、中高年になったら一牛鳴地を求める生活に憧れを抱く。
例文2.我が家は狭小住宅なので、玄関からリビングや寝室だけでなく、お隣までも一牛鳴地である。
例文3.一牛鳴地な場所は野生動物が迷惑行為を繰り返し、買い物も不便なので実際に住むには大変である。
例文4.最近はソロキャンプがブームなので、一牛鳴地な土地を購入する人も多いようだ。
例文5.妻が住みたいと懇願するから一牛鳴地な場所にマイホームを建てたのに、ものの半年もしないで虫が多いと不満を漏らして元の家に帰ってしまった。
憧れの田舎生活やその実態などで「一牛鳴地」を使った例文です。

一牛鳴地の会話例

男性
コロナが終息したら、どこに旅行に行く?
女性
そうねー、私は京都に行きたいかなー。あなたはは?
男性
俺は東北でのんびりと過ごすのが良いと思うけど。虫の声が聞こえる長閑な一牛鳴地で、温泉に入るなんて最高じゃない?
女性
そうね。東北ってお米も美味しそうだし、いいかも!

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一牛鳴地の豆知識

「一牛鳴地」の様に”田園”や”田舎”に関連する四字熟語は、古代中国の田舎者が多く住む土地から転じて下品な言葉の「斉東野語」や田舎の人を軽蔑した「斉東野人」、田園で穏やかに暮らす「晴耕雨読」、自然を愛して官職を捨てて地方に帰った「陶潜帰去」などがあります。

一牛鳴地の難易度

「一牛鳴地」は漢字検定9級から10級相当の文字組み合わせで、”牛”と”鳴”と”地”の三文字は9級、”一”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

一牛鳴地のまとめ

「一牛鳴地」は、牛の鳴き声が聞こえる事から非常に近い、そして牛が飼える事から長閑な田園や田舎といった二つの意味を持つ四字熟語です。どちらかと言うと、田園や田舎として使う事が多いですが、非常に近いという意味も含まれている事を注意して下さい。

田舎に帰省するたびに一牛鳴地を感じる。
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