【智勇兼備(ちゆうけんび)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

智勇兼備(ちゆうけんび)

「智勇兼備」とは「知恵や勇気を兼ね備えた優秀な人物」となり、そんな人を称賛する意味もあります。古代中国はこの言葉の他にも、「勇猛果敢」や「剛毅果断」など勇ましくて戦で活躍するような武将についての四字熟語は数多くありますよね。個人的には思想家などの偉人が武将に恐れて、忖度から編み出したと思っていますが、実際のところはどうなのでしょう? それでは解説に入らせて頂きます。

智勇兼備の意味

「智勇兼備」の意味は以下の通りです。
・知恵と勇気を兼ね備えている。才能が優れて敏腕である。
・知識や情熱ある優秀な人を称賛する言葉。
・高材疾足と同義。
・「知勇兼備」とも書き同義。
”智勇”は「知恵と勇気」「知者と勇者」、”兼備”は「兼ね備えている」「二つ以上の長所や取り柄を併せ持つ」で、知恵と勇気を備えた素晴らしい人が「智勇兼備」です。このような優秀な人物を褒め称える際に特に使われる言葉で、特に古代中国では武将や家臣などの男性を褒める際に用いられています。因みに女性の場合は「才色兼備」や「才貌両全」となり、これらは才能と容姿が優れている事です。男性の場合で美しい外見は「眉目秀麗」となりますが、これは能力など内面には触れていません。本題に戻して、現代における「智勇兼備」の類似となるのは英雄・偉人・風雲児・逸材・ヒーローなどで、才能や能力が優れて凡人以上の特別な何かを秘めて成功したような人々の事です。

智勇兼備の由来・出典

「智勇兼備」の由来は、中国前漢時代の歴史書「史記」の「廉頗藺相如」となります。

智勇兼備の類義語・同義語

「智勇兼備」の類義語には、「高材逸足」「高材捷足」などが挙げられます。

智勇兼備の使い方・例文

例文1.貧しい家計を支える為にバイトをしながらも東大に現役合格した兄は弟達にとっては智勇兼備であり絶対的なヒーローである。
例文2.震災時には全国各地から智勇兼備なボランティアが集まり復興に協力してくれたが、それから10年が経過してコロナ禍に陥ると迷惑を顧みずに酒を飲み騒ぐ若者が大量発生し、医療従事者や国が止めてと懇願しても自己中な考えから一向に耳を貸さない。
例文3.スポーツ選手は五輪でメダルを獲得すると智勇兼備のような扱いで大絶賛されるが、その実態は浮気や金銭問題を抱える人も多くて、本来は運動能力と人間性はまったく別物である。
例文4.武将やお城が好きな歴史オタクは智勇兼備な戦国武将の素晴らしさを力説するが、現在なら単なる大量殺人犯であり格好のワイドショーネタである。
例文5.全国の主婦に言わせると、智勇兼備な夫の条件は、黙って定年まで働き家事炊事もこなす事だそうだ。
知恵や勇気ある男性を揶揄した例文となります。

智勇兼備の会話例

男性
今日は燃えるゴミの日だよね。俺が出勤前に捨てておくよ。
女性
分かっているなら、黙ってやりなよ。いちいち確認しない。
男性
はい。分かりました。
女性
あと、仕事終わりにスーパーに寄って買物してきてね。今は男も火事炊事を率先して、やっと智勇兼備と評価される時代だからね。

妻が絶対権力を握る家庭の夫婦の会話風景です。

智勇兼備の豆知識

「智勇兼備」から”知恵”に関する四字熟語は、悪知恵や悪巧みの「奸智術数」、心が曲がっていて悪知恵が働き人に媚び諂う「奸佞邪知」、三人が集まって知恵を出し合うと解決策が見つかる「三人文殊」、人間の知恵では思いつかないすぐれた謀「神機妙算」などがあります。

智勇兼備の難易度

「智勇兼備」は漢字検定準1級から7級相当の文字組み合わせで、”智”は準1級で大学一般レベル、”兼”は4級で中学レベル、”備”は6級で小学校高学年レベル、”勇”は7級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

智勇兼備のまとめ

「智勇兼備」は知恵や勇気を兼ね備えているという意味で、古代中国ではそんな優れた武将(男性)を称賛する際に使われていました。現在の日本では武将というよりも、有名人や成功者など能力高い人は当然ながら家族や友人などにも便利に使える言葉となっています。

智勇兼備な男性。
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