【先見之明(せんけんのめい)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

 

先見之明(せんけんのめい)

予想した出来事が当たった人に「先見の名があるね」といった会話をした事があると思います。この「先見の明」とは元々は四字熟語「先見之明」の事で、日本では諺「先見の明」として知られています。将来を見通す、先を見る(能力)といった感じでしょうか。そこから、能力が高い人を評価する際にも使用されます。それでは、詳しい解説となります。

先見之明の意味

「先見之明」の意味は以下の通りです。
・将来がどうなるかを見抜く。将来予想の能力が高い。
・先を見越して準備する。先を見抜く力が備わっている事から聡明で優秀な人物。
・将来を見通す鋭い見識がある。
凡人は現在だけを考えてしまいますが、能力が高い人とは常に先を見越して行動をするものです。「先見之明」もその様な事で、現在も大事にはするが同時に将来を分析や予測する能力が極めて高いのです。よって、将来がどうなるか見抜く力が備わっている人は結果的に優秀なので、これらに対して「先見之明がある」といった使い方をします。”先見”は「将来がどうなるか見抜く」「物事が起こる前に見抜く」、“明”は「(光が)明るい」「(夜が)明ける」「はっきりしている」「物事を見分ける力がある」といった意味があります。

先見之明の由来・出典

「先見之明」の由来は、中国後漢朝の歴史書「後漢書」の「楊彪伝」です。政治学者・楊彪が、将来を見通す能力を「先見之明」と表現したと伝えられています。

先見之明の類義語・同義語

「先見之明」の類義語には、「先見之識」「深慮遠謀」などが挙げられます。

先見之明の使い方・例文

例文1.友人は中学時代は野球部で万年補欠だったが、高校になり監督が能力を高く評価してレギュラーに定着し今ではプロで活躍している。高校時代の監督に先見之明があったのは明白だ。
例文2.大勢とは違った行動を取れるかが、先見之明が備わるか否かの判断材料でもある。
例文3.クラス一の努力家は先見之明も備わる聡明さによって、今は担任教師よりもIQが高いと評判だ。
例文4.コロナ騒動による世界の混乱を見ると、どんなに偉大な学者や天才達でも先見之明を持ち合わせている人は一人もいないと思えてならない。
例文5.定額給付金支給におけるマイナンバーカードのお粗末さは、国には先見之明など微塵もない事が改めて露呈された。
先見之明を持っていれば何事もうまくいきそうなものですね。

先見之明の会話例

男性
しまったー。今日は夕方から雨だよね。
女性
傘忘れたんですか?じゃあ、駅まで一緒に帰ります?
男性
本当。悪いね。でも、傘を準備していて先見之明があるね。
女性
Aさんが傘を持ってきたら、私は持ってないフリをしようと思っていたんですよ。

先見之明かと思ったらわざとだったんですね。

先見之明の豆知識

「先見之明」は、”先見”だけに注目すると将来を見通す能力となるので、予見や先読みなどの言葉とほぼ同義扱いですが、”明”があるので物事の本質を見抜く能力もあると理解できます。そこから、博打的な不確定要素が多い事ではなく、本質を見抜いた上での見通しする能力と理解すべきです。

先見之明の難易度

「先見之明」は漢字検定準1級から10級相当で構成されています。”之”だけが大学・一般レベルで、他は小学校低学年レベルの漢字となります。

先見之明のまとめ

「先見之明」は将来を見抜く能力、またその能力が高い人物を意味する四字熟語で、そこから優秀な人や聡明な人に対して「先見之明を備えている」「先見之明を持ち合わせている」といった使い方や喩えがができます。

非常に優れた先見之明を持つ男性
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