【慧可断臂(えかだんぴ)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

慧可断臂(えかだんぴ)

「慧可断臂」とは「自らの肘を切り落としてやっと弟子入りを果たした事から、非常に強い決意や覚悟の喩え」です。正直なところ肘を自ら切るなんて眉唾な感じもしますが、大昔の偉人というのはそれぐらいの覚悟があったのでしょう。現代なら恐怖すらも覚えるぐらいの異常な覚悟と紙一重な「慧可断臂」の解説となります。

慧可断臂の意味

「慧可断臂」の意味は以下の通りです。
 ・非常に強い決意や並外れた決意。
 ・切なる求道の思い。
 ・古代中国の高僧・慧可は少林寺の達磨(だるま)に教えを請うため自らの肘を切り落とした事から、並々ならぬ求道への思いとして、そんな強い決意などの喩え。
”慧可”は「禅宗の高僧の名前」、”断臂”は「腕を切り落とす」「肘を切り落とす」で、自らの肘を切り落とすほどの強い決意が「慧可断臂」です。決意に関する四字熟語は多数ありますが、肘(腕)を切り落とす事からも死を覚悟するほどの並々ならぬ強い決意と読み取れます。元々の言い伝えによると、中国南北朝時代の高僧・慧可は少林寺の達磨に教えを請うよう頼むが断られ、そこで強い決意を示す為に自らの肘を切り落とし、その覚悟が認められて弟子入りが許可された事から誕生した言葉です。現在は仏教用語という扱いであり、また絵画の画題としても有名です。使い方としては「慧可断臂をもって」「慧可断臂を表明」「慧可断臂の覚悟」といった風になります。

慧可断臂の由来・出典

「慧可断臂」の由来は古代中国の高僧の伝記集「続高僧伝」となります。

慧可断臂の類義語・同義語

「慧可断臂」の類義語には、「一大決心」「一心発起」「発菩提心」などが挙げられます。

慧可断臂の使い方・例文

例文1.もうタバコは止めると何度も慧可断臂の覚悟をしたが結局は吸ってしまうので、奥の手だと右手人差し指をワザと突き指させたら、左手で吸うようになり堪え性のない自分が情けない。
例文2.親からどんなに働けと言われても、俺の心は慧可断臂となっていて岩よりも固いので、絶対に誰かの下で働くのは拒否する。
例文3.なぜバラエティ番組に出演するコンビニ社員は、料理人のジャッジにびくびくするのか理解に苦しむ。彼らに味を否定や酷評されても一般人から支持されて売上があるなら問題がなく、もっと慧可断臂を見せて堂々と出演するべきだ。
例文4.新人の頃は会社に貢献すると慧可断臂な気持ちがあったが、今では目立たず騒がずじっと我慢をして一日でも長く務める事に全神経を集中させている。
例文5.夫婦共働きで貯金を貯めて絶対にマイホームを買うとお互いに慧可断臂をもっていたのに、半年もするとケチケチ生活に飽きた妻は昔のように夜遊びを再開し、それに不満がある俺も酒とギャンブルを再びやり始め、今では会話もないし離婚を切り出すタイミングをはかっている状態だ。
「慧可断臂」を使った例文となります。

慧可断臂の会話例

男性
就職おめでとう。念願の第一志望の大手商社に就職が決まったけど、これからが大変だぞ。それこそ…、えーと何だっけ。
女性
不退転の覚悟とかでしょう。分かっているって、大丈夫。
男性
まあそれも大事だけど、俺が言いたいのは、えーと、周りには慧可断臂な気持ちで挑む野心家も多いって事だよ。一流会社は新人も優秀な人ばかりだから。
女性
そんな新人より、私はもっと頑張るから。

一流企業に就職が決まった妹に兄がアドバイスを送っています。

慧可断臂の豆知識

「慧可断臂」は強い決意という意味ですが、”決意”の対義語は「翻意」で一度決意した事を変える事です。また、”決意”は「覚悟」や「決心」が類語となり、「覚悟」は仏教用語としての側面もあり迷いを去り悟ったり心構えをする事で、「決心」は心を決めたり覚悟を決める事です。

慧可断臂の難易度

「慧可断臂」は漢字検定1級から6級相当の文字組み合わせで、”臂”は1級、”慧”は準1級で大学一般レベル、”慧”と”断”は6級で小学校高学年レベルの四字熟語となります。

慧可断臂のまとめ

「慧可断臂」は古代中国の高僧が弟子入りの為に自らの肘を切り落としたという伝えから、非常に強い決意や覚悟、そして求道への特別な思いという意味です。現在は強い決意などの喩えとして使われる有名な四字熟語となっています。

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