【詩歌管弦(しいかかんげん)】の意味と例文と使い方

詩歌管弦(しいかかんげん)

「詩歌管弦」とは「漢詩や和歌を詠んだり楽器演奏を楽しむ事」です。古代中国や日本では、人々を繋ぎ合わせたり余興で楽しむ術として、漢詩や音楽は重要な役目を担っていたようです。現在でも文学や音楽は日常生活に欠かせられないので、当時なら尚更だった事でしょう。そんな現在でも大勢の趣味として親しまれ、音楽や文学などの事でもある「詩歌管弦」についての解説となります。

詩歌管弦の意味

「詩歌管弦」の意味は以下の通りです。
・漢詩や和歌や音楽を楽しむ事。漢詩や和歌を吟じて音楽を奏でる。
・漢詩や楽器を吟じたり奏でる事から、転じて、文学や音楽全般でありそれを使った遊びや余興。
・「詩歌管絃」とも書き同義。
”詩歌”は「漢詩と和歌」「和歌や俳句など韻文の総称」、”管弦”は「管楽器と弦楽器」「音楽全般」で、そこから漢詩などの韻文であり現代の文学、そして管楽器などから現代の音楽全般を合わせた言葉が「詩歌管弦」で、これだけでも楽器や漢詩で楽しんでいるとも理解できます。また、それぞれを同時に歌詞から楽器を弾く即興演奏のような形とも解釈できます。昔のジャズなどは即興演奏が醍醐味なので、「詩歌管弦」も漢詩と音楽を分けるのではなく、漢詩に合わせて音楽を奏でる姿があったとしてもまったくおかしくありません。即興には、その場で詩歌や音楽を作り歌ったり演奏する事で、これは突き詰めると娯楽であり見世物や芸となります。従って、「詩歌管弦」は当時の楽しみや遊びであったと理解できます。実際に文章などで使う場合は、「詩歌管弦が上達」「詩歌管弦に感動」「詩歌管弦を披露」といった風になります。

詩歌管弦の由来・出典

「詩歌管弦」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、鎌倉時代の仏教説話集「米沢本沙石集」(1283年)の「四」に文言が記されています。

詩歌管弦の類義語・同義語

「詩歌管弦」の類義語には、「歌舞音曲」「詩歌弦管」などが挙げられます。

詩歌管弦の使い方・例文

例文1.今は亡き祖父は、町内会で詩歌管弦を披露するのを楽しみにしていた。
例文2.子供の頃からピアノ教室に通い中学生になると吹奏楽部に入ったのは、親子代々受け継ぐ詩歌管弦の血が影響したのだろう。
例文3.駅前で二人組が演奏する詩歌管弦に感動して、迂闊にも涙を流してしまった。
例文4.日本の文学は大変素晴らしく、作家のレベルでは世界に通用する詩歌管弦だと思っているが、なぜか映像になると途端に評価が下がる。
例文5.食後はブランデーを片手にお気に入りのソファーに腰かけ、最高級のアンプとスピーカーから流れるアニソンやJポップを詩歌管弦するのが習慣になっている。
音楽や文学を「詩歌管弦」とした例文です。

詩歌管弦の会話例

男性
何かいい趣味ないかなー? 新しい事を始めようと思っているんだけど、若い人から意見を聞きたくて教えてよ。
女性
キャンプや料理、DIYとかもいいですけど、私は音楽や読書をお勧めします。
男性
えー、それって在り来たりじゃない。定番過ぎて趣味って言えないよ。
女性
だからいいんですよ。のめり込むと本当に奥深く、詩歌管弦の世界に夢中になりますよ。

職場の男性が後輩女性にお勧めの趣味を訊ねて会話を繰り広げます。

詩歌管弦の豆知識

「詩歌管弦」から”音楽”や”文学”に関係する四字熟語は、詩文を称賛「一唱三歎」、音楽や文章が単純で変化がない「一本調子」、音楽や詩文が奇抜で巧みな「石破天驚」、優れて巧みな音楽の演奏「高山流水」、文学才能がある女性「詠雪之才」、話し言葉で文章を書く「言文一致」などがあります。

詩歌管弦の難易度

「詩歌管弦」は漢字検定準2級から9級相当の文字組み合わせで、”弦”は準2級で高校レベル、”管”は7級、”詩”は8級でそれぞれ小学校中学年レベル、”歌”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

詩歌管弦のまとめ

「詩歌管弦」は漢詩や和歌を吟じたり音楽を演奏して楽しむ事から、現在は文学や音楽を表現する四字熟語です。大昔の中国や日本では現在の様に遊びや余興が充実していないので、その中で漢詩や楽器演奏とは特別な楽しみであり、人々を結びつけるコミュニケーションであったと容易に理解できます。

生まれて初めて詩歌管弦を聞いた。
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