【蓋世不抜(がいせいふばつ)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

蓋世不抜(がいせいふばつ)

「蓋世不抜」は難解な四字熟語の中でも、さらに日常ではお目にかかる事は稀なので、知っている人はかなり少ないと思います。しかし、言葉の意味としては実は有り触れたもので、本来ならもっと世に浸透してもおかしくないのですが、語呂悪さや類語多さが災いしていると思います。ですから、四字熟語としては不幸な星の下で生まれてしまった「蓋世不抜」について、解説をさせて頂きます。

蓋世不抜の意味

「蓋世不抜」の意味は以下の通りです。
・性格や才能が他人と比較できない程に優れている。
・世界を圧倒する才能や性格を持っている。大変優れた人物。
”蓋世”は「世を覆い尽くすほど意気が盛ん」「功名心が盛ん」、”不抜”は「しっかして動かない」「意志が強い」「志が強く安定している」となり、要するに、才能ある優れた人物を褒め称えています。具体的には、人より困難や誘惑にも耐える強い心があり、その意志強さは別格で他に類を見ない程です。また、戦でも負け知らずという意味も込められています。実際の使い方としては、「蓋世不抜の精神」「蓋世不抜の才能」といった形になります。

蓋世不抜の由来・出典

「蓋世不抜」の由来は、残念ながら不明です。”蓋世”は中国前漢時代の歴史書「史記」の「項羽本紀」の一文「力は山を抜き気は世を蓋う」からで、”不抜”は公法学の概論書「泰西国法論」(1868年)などに文言が記されています。

蓋世不抜の類義語・同義語

「蓋世不抜」の類義語には、「抜山蓋世」「一騎当千」「一人当百」などが挙げられます。

蓋世不抜の使い方・例文

例文1.世界で活躍するスーパービジネスマンは蓋世不抜な能力を秘めているに違いない。
例文2.意外な事に子供時時代は目立たなかった人ほど、大人になると蓋世不抜な才能を発揮して華々しく活躍するから人生とは不思議だ。
例文3.私には蓋世不抜な何かが眠っていると、彼女だけはずっと応援して支えてくれたが、流石に10年間も貧乏暮らしをしていると愛想を尽かしてそろそろ出ていくだろう。
例文4.何十年も教員生活を続けている父ですら、子供の将来や才能を見抜くのは無理だと断言しているので、蓋世不抜で神童の様な子を見出すのも才能が求められる。
例文5.近所に住む迷惑おばさんは、他人に嫌がらせをする才能だけは蓋世不抜と呼べるほど醜悪で手が込んでいる。
才能ある人を「蓋世不抜」とした例文となります。

蓋世不抜の会話例

男性
それってデコ弁って言うんだよね?
女性
そうです。最近はデコ弁に凝っていて、画像をインスタにアップすると評判良いんですよ。
男性
確かにこれだけ再現度が高いとネット上でも人気になるよね。〇○さんがお弁当作りで蓋世不抜な才能を持ち合わせているとは、恐れ入りました。
女性
全然そんな事はないですよ。だって実は、肝心の味は悪いですからね。見栄え重視で美味しくないお弁当なんですよこれは。

職場にて、同僚女性が持ってきた弁当のデコレーションが凄くて男性社員が絶賛します。

蓋世不抜の豆知識

「蓋世不抜」は才能や能力があるといった意味なので、先ほど紹介した類語以外にも、「相碁井目」「一目十行」「冠前絶後」「錦心繡口」などがあります。一言で才能といっても、漠然として中身については触れていないものから、文学の才能や文章を書く才能、本を読む才能など明確に定義されているものがあります。

蓋世不抜の難易度

「蓋世不抜」は漢字検定2級から8級相当の文字組み合わせで、”蓋”は2級で高校レベル、”抜”は4級で中学レベル、”不”は7級、”世”は8級で小学校中学年レベルの四字熟語となります。

蓋世不抜のまとめ

「蓋世不抜」は才能溢れる人を称賛する言葉で、世の中を圧倒するほどの気性や才能を持つ、他の誰よりもしっかりして意志が固いといった意味になります。それだけ素晴らしい人物であり、同様の意味となる言葉には「一人当千」や「一騎当千」などがあります。

蓋世不抜な才能を評価される
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