【一芸一能(いちげいいちのう)】の意味と例文と使い方

一芸一能(いちげいいちのう)

「一芸一能」という言葉をどこかで聞いた覚えがありませんか? ヒントは芸能人などの大学入試です。もうお分かりですよね。答えは「一芸入試」の事で、これを説明する際に「一芸一能」が使われる事が多いです。言葉から、芸能などの能力や才能に特化していると理解できますが、果たして実際はどの様な意味なのか調べてみました。

一芸一能の意味

「一芸一能」の意味は以下の通りです。
・一つの技芸・芸能と一つの能力・才能から転じて、特別な一つの能力や才能に優れている事。
・技芸や芸能など何か一つの才能が秀でている者。
・逆さにした「一能一芸」も同義。
”一芸”は「一つの芸事」「一つの芸能」「一つの技術」、”一能”は「一つの技能」「一つの才能」となり、二つを合わせて、芸能や芸事や技能などの才能が特に優れているとなります。要するに、学業成績は平均や凡人並だとしてもそんな評価を覆す、ピアノや役者や柔道などある一つの分野においては人並み外れた才能を持っている事です。例えば、近年は学業成績に拘らず学力試験も実施しない、芸事や特技に文化活動などを評価や審査して主に大学入学の合否を判断する「一芸一能入試」(一芸入試)の制度が増加しています。傍から見ると芸能人や芸術家などが有利な気もしますが、実はスポーツ推薦が多く、高校時代の成績が評価されスポーツに力を入れる有名大学に進学というパターンが一般的です。それが近年は、芸能や技芸はもちろん、家族や親せきが系列校を卒業していたり、小論文と面接のみで合格させる大学も増えています。そこには少子化で学生確保が難しくなった学校側の苦肉策とも見て取れます。「一芸入試」の変わった例としては、「けん玉日本一」を一芸として認め入学させた亜細亜大学などがあります。実際の使用としては、「一芸一能を身に付ける」「一芸一能に秀でている」といった風になります。

一芸一能の由来・出典

「一芸一能」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、”一芸”は平安時代中期の格式「延喜式」(927年)、鎌倉時代中期の教訓説話集「十訓抄」(1252年)などに文言が記されています。

一芸一能の類義語・同義語

「一芸一能」の類義語には、「一能一芸」「一芸入学」などが挙げられます。

一芸一能の使い方・例文

例文1.美人アイドルが有名大学に合格したとネットニュースで報道されたが、後から一芸一能入試と情報が流され、「あーやっぱりな」と妙に納得した。
例文2.一芸一能を磨けば、将来は安泰である可能性が高い。
例文3.芸能人は一芸一能に優れている者の集まりと言われるが、単なる目立ちたがり屋と大金を稼ぐ一発逆転狙いばかりが内情だろう。
例文4.窓口業務をテキパキこなす公務員も、一芸一能と認めるべきではないのか。
例文5.のび太の様に眠る能力だけは一芸一能として秀でているが、活かせる現場はどこにもなくこんな世の中にガッカリしている。
芸能人やアイドルから公務員まで「一芸一能」を使った文章となります

一芸一能の会話例

男性
また家事をしないで、刺繍や裁縫をしていたの?
女性
ごめんなさい。つい夢中になると時間を忘れて。
男性
しっかりしてくれよ…。待てよ、これはネットビジネスになるんじゃないのか? その才能を活かせば、小遣い以上のお金を稼げるよ。
女性
それって、あなたが私の裁縫を一芸一能だと認めてくれたのね。ありがとう。それが何よりも嬉しいわ。

家事をしないで裁縫に夢中な妻と、仕事帰りの夫による中年夫婦の会話です。

一芸一能の豆知識

先ほど説明した様に「一芸一能」と言えば、「一芸入試」を連想する人が圧倒的に多いでしょう。芸能人やスポーツ選手の大学入学としてすっかり定着しているからです。同じような言葉に「AO入試」があり、これも主に近年多くなっている大学入試の一つで、高校時代の学業成績や面接などで合否判決をするものです。要するに、高校受験の推薦入試と非常に近いシステムです。一方で、最近は小中学校受験でもAO入試が導入されるケースがあり、さらにコロナ渦によってオンライン入試が増えると予想されています。

一芸一能の難易度

「一芸一能」は漢字検定6級から10級相当の文字組み合わせで、”能”は6級で小学校高学年レベル、”芸”は7級で小学校中学年レベル、”一”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

一芸一能のまとめ

「一芸一能」は、技芸や芸能など何か一つの才能が優れている事です。学業以外の能力を測る尺度として、近年は芸能事はもちろんスポーツや音楽などの才能も認める傾向が高まり、それが大学受験でも「一芸入試」として導入される機会が増えつつあります。

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