【薫陶成性(くんとうせいせい)】の意味と例文と使い方

薫陶成性(くんとうせいせい)

優秀な人材を育成する事は企業や国にとっての責務であり、大量の予算を組んで執り行われています。私などの古いタイプは、「人材育成」や「人材教育」というと戦時下の東ヨーロッパや日本などを連想する事もありますが、通常はポジティブな面で捉えるのが一般的です。それでは、四字熟語におけるそんな意味を持つ「薫陶成性」について、詳しく調べてみました。

薫陶成性の意味

「薫陶成性」の意味は以下の通りです。
・優れた人間を作る。優れた人材を育成する。
・人格者を育て上げる。
”薫陶”は、香を焚いて薫りを染み込ませた土で陶器を作り上げる事から「人を感化し教育する」「人を良い方に導く」「人格者に育てる」、”成性”は「育てあげる」「育つ」「完成」といった意味です。要するに、人格者となる優れた人材を育てあげたり、育成する事になります。”薫陶”の部分だけでも意味として成立しますが、”成性”を付け足す事でより強調されます。また「薫陶して」や「薫陶を受ける」という言葉も有名で、「品格ある人格者などから好影響を受けた」「(自身の性格などが)磨き上げられた」という意味になります。

薫陶成性の由来・出典

「薫陶成性」の由来は、中国元代の歴史書「宋史」の「程頤伝」となります。

薫陶成性の類義語・同義語

「薫陶成性」の類義語は、四字熟語では残念ながら不明です。”薫陶”の場合は、「唱道」「啓蒙」「指導」などが比較的に近い意味となります。

薫陶成性の使い方・例文

例文1.中学時代の恩師の影響を受け、私も教師を目指している。将来は子供達を薫陶成性とするのが夢である。
例文2.我が子が薫陶成性な男として、立派に成長すれば本望である。
例文3.駅伝で何度も優勝をしている某大学の有名監督は、それこそ薫陶成性な才能が突出しているのだろう。
例文4.優れた上司とは単に仕事ができるだけでなく、後輩や部下を育てる薫陶成性な能力も必須である。
例文5.幼い頃から読書をする習慣を両親から植え付けられたが、今思うと薫陶成性とする教育の一環だったのだろう。
人格者を育てるという意味で「薫陶成性」を使った例文となります。

薫陶成性の会話例

男性
出世おめでとう!
女性
先輩よりも私の方が、役職上になりましたね。
男性
これからは部下第一号です。
女性
さっそくですが、先輩を薫陶成性になるよう指導するのが任務だと思っています(笑)。

職場にて、出世した後輩女性が先輩男性に対して「薫陶成性になるよう指導する」と、冗談を口にします。

薫陶成性の豆知識

「薫陶成性」は育成・指導という意味合いなので、関連深い四字熟語は「応病与薬」「金口木舌」「随類応同」などがあります。「応病与薬」は人の性質や理解力に応じて指導する、「金口木舌」は言論で世界中の人々を導く、「随類応同」は相手の能力に応じて指導するとなります。

薫陶成性の難易度

「薫陶成性」は漢字検定準2級から7級相当の文字組み合わせで、”薫”は準2級で高校レベル、”陶”は3級で中学卒業レベル、残り二文字は6級と7級で小学校高学年と中学年レベルの四字熟語となります。

薫陶成性のまとめ

「薫陶成性」は、人材を育成する、優れた人間を育てるという意味の四字熟語です。両親が我が子に、教師が教え子になど意外と使い勝手が多いです。また、人格者から影響を受けたとする「薫陶して」や「薫陶を受ける」もセットで覚えると捗ります。

薫陶成性を心がけて接する
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