【相碁井目(あいごせいもく)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

相碁井目(あいごせいもく)

囲碁や将棋に関する四字熟語、或いは故事成語・諺が本当に多いのを知っていますか? また日常で何気なく使用する言葉も、実は元々は囲碁や将棋の専門用語というのも数多くあります。それだけ、人々に親しまれ楽しまれてきた証拠なのでしょう。今回の「相碁井目」は囲碁から誕生した四字熟語で、実力者の腕前と関係があるので、一体どんなものなのか解説に入らせて頂きます。

相碁井目の意味

「相碁井目」の意味は以下の通りです。
・人それぞれ実力や能力に違いがあるのは当然とする考え。
・囲碁の様に実力が拮抗するものから差が離れているものなど、様々な人が居て当然である。
・「相碁聖目」「相碁星目」とも書き、同義となる。
”相碁”は「囲碁の実力が対等」「勝負がつかない碁」、”井目”は「(囲碁で)盤面に記された9つの黒点」「(囲碁で)実力に大差がある」となり、上記の様な意味合いです。元々は囲碁用語を合わせた事からも、囲碁や或いは将棋などで使用されていましたが、現在は転じて他のゲームやスポーツ、仕事などでも力の差がある二人や一方と多数との比較で喩えとして用いられます。

相碁井目の由来・出典

「相碁井目」は囲碁が発祥であるのは判明していますが、それ以上の詳細は判明していません。文献としては19世紀前半の国語辞書「俚言集覧」には文言が記されています。

相碁井目の類義語・同義語

「相碁井目」の類義語には、「千差万別」「十人十色」「三者三様」などが挙げられます。

相碁井目の使い方・例文

例文1.入社式には見た目から様々な人が集まったのは一目瞭然だが、その違いこそ相碁井目であり、会社側の新人への期待の表れではないのか。
例文2.相碁井目と言うほど実力差があった二人だが、数年が経過して現在のマジシャンとしてのレベルはほぼ同じ程度だ。
例文3.相碁井目となる二人の方が、互いに弱点を補完して良い関係を築けるものだ。
例文4.課長の手腕で、相碁井目にしか見えない個性ある若手達をまとめあげ見事なグループにした。
例文5.友人は成績優秀だが人付き合いが悪く、私は成績悪いが誰とでも万遍なく接するのが得意で、この二人は傍から見ると相碁井目だが実は親友同士である。
人それぞれ違うや個性があるという意味で「相碁井目」を使った例文です。

相碁井目の会話例

男性
遂に藤井七段が棋聖になったね。
女性
昨日は一日中、ニュースやワイドショーでその話題ばかりでしたよ。
男性
本当に凄い。でも、俺もあのまま将棋を止めなければ、今頃は名人と呼ばれていたんだろうなー。
女性
先輩が将棋を続けていても、藤井棋聖とでは月とスッポンで、それこそ相碁井目という以上の実力差がありますから大丈夫です。

藤井棋聖の話題を職場男女が繰り広げています。男性は将棋に未練があるような言いっぷりですが、女性の方が厳しめに反論します。

相碁井目の豆知識

「相碁井目」を囲碁用語の観点から深掘りすると、”相碁”は実力が拮抗している同士の勝負で、ハンデ無しの真剣勝負から「互い先」と呼びます。対する”井目”は実力差が開いているので、弱い方が九目に石を置いて勝負する「九子局」(ハンデ戦)となります。因みに将棋でも「相碁井目」は使われ、ハンデ戦となる場合は飛車角を落とす「駒落ち戦」が一般的です。

相碁井目の難易度

「相碁井目」は漢字検定準2級から10級相当の文字組み合わせで、”碁”は準2級で高校レベル、残り三文字は小学校中学年から低学年で習う四字熟語となります。

相碁井目のまとめ

「相碁井目」は囲碁用語から派生した四字熟語で、実力差がある勝負と拮抗している勝負を合わせた事から、人々には様々な人がいて能力や実力に違いがあるのは当然であるという意味があります。要するに、ある分野で優れていたり劣っているのは自然な事で、優劣よりも受け入れるべきと解釈できます。

相碁井目なのでそれぞれの良さを活かそう
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