【百尺竿頭(ひゃくしゃくかんとう)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

百尺竿頭(ひゃくしゃくかんとう)

「百尺竿頭」とは「30m超えの長竿の先端から、到達可能な最高地点や極地の喩え」です。古代中国の文化や歴史に触れないと長竿の意味が理解出来ず、現代人の感覚では洗濯物を干すイメージとなりますが、仏教の修行として用いる用語が”百尺竿”でそれぐらい長い修行を要する喩えと解釈されます。

百尺竿頭の意味

「百尺竿頭」の意味は以下の通りです。
 ・百尺もある竿の先端から、転じて、到達すべき極点や極限の事。
 ・行きつく事が出来る最高地点や限界地点。
 ・「ひゃくせきかんとう」とも読む。
 ・最高地点からさらに努力するという意味の諺「百尺竿頭一歩を進む」としても使用される。
”百尺”は「約30m」、”竿頭”は「竿の先端」「竿の先」で、長さ30mもある竿の先端が「百尺竿頭」です。そこから到達すべき最高の極点や極限といった意味になり、そこから更に少しだけ努力や工夫をするのを諺「百尺竿頭に一歩を進む」と言います。要するに、限界に到達してももう少し努力をすればさらにその先に行けるという、人間の努力には限界が設けられていないという事なのでしょう。

百尺竿頭の由来・出典

「百尺竿頭」の由来は中国北宋時代の歴史書「景徳伝灯録」となります。

百尺竿頭の類義語・同義語

「百尺竿頭」の類義語には、「百丈竿頭」「至高無上」などが挙げられます。

百尺竿頭の使い方・例文

例文1.総理には百尺竿頭に一歩を進むという気概は皆無で、派閥の顔色を窺う無難な内閣改造をしただけで大仕事をやり遂げ悦に浸っている。
例文2.日本の百尺竿頭はバブルの頃で、それ以降は明らかに落ちているのに政治家も官僚も責任と全く取らない。
例文3.フードファイターは毎回大食いの記録を更新しとんでもない量を胃袋に入れるが、百尺竿頭として凄いというよりは単に後で吐き出すだけではないのか。
例文4.年々貧しくなる日本でも百尺竿頭一歩を進むとなっているのは、各地で発生する記録的豪雨被害ぐらいである。
例文5.カルト教団を見ていると、金は人々を狂わせるのに献金を止められず、百尺竿頭を突き進むのは恐ろしい限りだ。
「百尺竿頭」を使った例文となります。

百尺竿頭の会話例

男性
ガソリンも高いし食費も高いし、光熱費も上がるし…。
女性
夏の暑さで感覚が麻痺しているけど、物価上がりすぎよね。
男性
どんどん百尺竿頭を更新していくのに、何の救済もしないのは腹立たしいな。
女性
政治家って、本当に使えないわよね。あの暑苦しい顔を見ていると、イライラするから避暑地から出てこないでほしい。

暑さや物価高にイライラしている会話内容です。

百尺竿頭の豆知識

「百尺竿頭」から”竿”に関する四字熟語は、釣り竿を手に風流を楽しむ事で自然の中で悠々自適な生活を送る「一竿風月」、渡し舟の中で勝負を挑まれ相手を先に上がらせ自分は竿を突いて船を出して戦わない勝負を選択した「無手勝流」などがあります。

百尺竿頭の難易度

「百尺竿頭」は漢字検定準1級から10級相当の文字組み合わせで、”竿”は準1級で大学一般レベル、”尺”は5級で小学校高学年レベル、”頭”は9級、”百”は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

百尺竿頭のまとめ

「百尺竿頭」は30mもある長い竿の先端という事から、到達すべき極点や極地という意味です。そして諺「百尺竿頭に一歩を進む」から、最高地点に達した後もさらに工夫や努力をするべきという教えでもあります。

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