【一進一退(いっしんいったい)】の意味と例文と使い方

一進一退(いっしんいったい)

スポーツや囲碁将棋などが多い印象ですが、他にも病状や選挙戦から経済に株価など、多様な場面で使用されているのが「一進一退」です。もしかしたら、最も日常に浸透している四字熟語の一つかも知れません。これだけ当たり前に生活と隣り合わせだと、改めて意味や由来などを調べていないと思うので、より詳しく解説をさせて頂きます。

一進一退の意味

「一進一退」の意味は以下の通りです。
・状況や事態が良くなったり悪くなったりする。情勢などが良い悪いを繰り返す。
・進んだり後戻りする。進んだり退いたりする。前進したら後退する。
・良いと悪いの均衡状態でどちらに動くか展開が分からない。
「一進一退」が最も使用されるのは、スポーツの世界ではないでしょうか。両チームが白熱した試合展開でどちらが勝利するか予測不能な場合は、「一進一退」という表現が多くなります。また、観客目線での「一進一退の攻防にスタジアムが沸いた」といった言い回しも、すっかりお馴染です。他には、最近何かと注目を集める将棋や囲碁、他にも国会議員などの選挙戦でも有力候補者同士の争いとなると、票読みが読めない事から「一進一退」となります。これらを踏まえて、元々は上記の様な「進んだり後戻り」「状況が良くなったり悪くなったり」ですが、現在は「白熱」「盛り上がる」という状況が加味されて「一進一退」が用いられる傾向が多いと感じます。その一方、病気や経済などでも使用されるので、やはり懐が広く様々な場で使い勝手が良いのは間違いありません。

一進一退の由来・出典

「一進一退」の由来は、残念ながら詳しく判明していません。文献としては、明治から昭和戦後期のジャーナリスト・徳富蘇峰による「将来之日本」(1886年)、劇作家・坪内逍遥の「当世書生気質」(1886年)などに文言が残されています。

一進一退の類義語・同義語

「一進一退」の類義語には、「二転三転」「一喜一憂」「一左一右」などが挙げられます。

一進一退の使い方・例文

例文1.サッカーと野球の日本における人気度は一進一退で、年代や性別によっても変化してくる。
例文2.日経平均が一進一退しているので、この先の景気に不透明感が残る。
例文3.双子の弟との成績勝負は、外見同様に一進一退で甲乙付け難い。
例文4.病状が悪化して入院していた父だが、一進一退の山を通り越して現在は快方に向かい、家族はほっと一安心した。
例文5.コロナなどのウイルスが世界規模に拡大すると、この世界は一進一退を繰り返し、油断をしていると闇がやってくるんだと痛感した。
先が分からないを「一進一退」とした例文となります。

一進一退の会話例

男性
少し顔が引き締まったと思わない?
女性
うーん、毎日顔を合わせているから…。いつも通りな気がしますが…。
男性
それが痩せたんだよ。今月はもう2キロも落としたの。
女性
そうなんですか…。でも、先月は3キロ太ったって言ってましたよね。一進一退の体重で結果はあまり変化ないから、周囲の人間でも分からないですよ。

体重が痩せて喜んでいる男性社員に、同僚女性が無関心である事を伝える会話です。

一進一退の豆知識

「一進一退」は進むと後退の両方となるので、前進だけを指すのは「直往邁進」「猪突猛進」「勇往邁進」です。反対に後退となるのは「寸進尺退」で、他には該当しません。この事から四字熟語では進む=ポジティブなものが多く、後退=ネガティブなものは少ないです。よって、「一進一退」も根底には進む事(前向き)を期待しているのではと、個人的には感じ取れます。

一進一退の難易度

「一進一退」は漢字検定5級から10級相当の文字組み合わせで、小学校高学年から低学年レベルの四字熟語となります。

一進一退のまとめ

「一進一退」は、状況が良くなったり悪くなったりを繰り返すや、進んだり戻ったりを繰り返し先行きが不透明な喩えともなる四字熟語です。スポーツから選挙戦、又は経済など様々な場面で使用される大変使い勝手がよい言葉であり、広く世間に浸透しています。

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