【鬼手仏心(きしゅぶっしん)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

鬼手仏心(きしゅぶっしん)

怖そうに見えるが、実は優しい人って大勢いますよね。第一印象で顔が優しそうや穏やかな人は確かに好感を持たれますが、内面に問題があるとそのギャップに驚くものです。しかし、怖そうに見えたりそんな性格なのに、実は誰よりも優しさで溢れていると、途端に好印象に変わり思わず感心してしまいます。「鬼手仏心」とはそんな意味合いで、鬼の手と仏の心の対比からポジティブな言葉となります。それでは、詳しい解説に入らせて頂きます。

鬼手仏心の意味

「鬼手仏心」の意味は以下の通りです。
・外科医の手術は時として残酷で大胆だが、それは患者を治療しようとする心によるもの。
・元は仏教用語で、鬼の手は化け物の手でそこに仏心を合わせて、内心は慈悲で溢れているが外見は手荒な手段を用いる。
・無慈悲な行為の裏には、相手を思いやる心が隠されている。
・逆さにした「仏心鬼手」も同義となる。
”鬼手”は「将棋などでは意表をつく奇抜な手」「残酷な手」、”仏心”は「仏のような心」「仏のような慈悲心」となります。「鬼手仏心」は大きく分類すると二つの意味で、一つは外科医の手術、二つ目は仏教用語から転じて、相手への思いやりが隠されている事です。本質的にはこの二つはまったく同じで、どちらも一見すると怖さを感じさせますが、その内面には相手への思いやりや優しさがあるのです。この事から自論も含めると、「人を見た目で判断できない」「可愛い子には旅をさせよ」「獅子の子落とし」等とも近い意味合いがあると思えます。実際の使い方は、「鬼手仏心な行為」「鬼手仏心によって」「鬼手仏心の先生」「鬼手仏心を信条」といった形になります。

鬼手仏心の由来・出典

「鬼手仏心」の由来は、残念ながら不明です。仏教用語から派生したと言われていますが、こちらも正確には判明していません。文献としては、”鬼の手”(鬼手)は江戸時代の川柳句集「誹風柳多留」に文言が記されています。

鬼手仏心の類義語・同義語

「鬼手仏心」の類義語には、「鬼面仏心」「人面獣心」などが挙げられます。

鬼手仏心の使い方・例文

例文1.外科医は鬼手仏心と聞いていたが、初めての外科手術で担当医もぶっきら棒な感じがしたが、無事手術が終えると安心感から先生が優しく感じた。それは、ナーバスになっていた私の思い込みで、先生を勝手に怖がっていたのだ。
例文2.父や母が子供を厳しく躾けるのは、鬼手仏心によるものだ。
例文3.どの分野でも成功者は鬼手仏心な一面を持っている。
例文4.刑事が犯人逮捕で時として暴走するのは、その背景には被害者を助ける鬼手仏心な気持ちがあるからだ。
例文5.鬼手仏心な医師の頑張りによってコロナ渦でも救われた命は無数にある。
医療現場や刑事、両親の愛情などで「鬼手仏心」を使った例文となります。

鬼手仏心の会話例

男性
人生初の手術で、不安なんだけど…。
女性
大丈夫、あなたは何だって出来る人なんだから、今回だって大丈夫!
男性
俺は患者で、手術するのは先生なんだけど…。
女性
そうだけど…、でも今回の先生は鬼手仏心な超エリートだから絶対に成功するよ。それに私達は生命保険にも入っているから、万が一の事態でも二人とも大丈夫!

手術を控えて心配する夫に対して、どうも話が噛み合わない妻とのやり取りです。

鬼手仏心の豆知識

「鬼手仏心」から医療や病気に関係深い四字熟語は、病気を治すのは食べ物という「医食同源」、持病がある方が長生きする「一病息災」、病気が治らない「再起不能」、才能ある人は体が弱い「才子多病」、心臓の病気の事である「心腹之疾」、健康で悩みがない「無事息災」、体中が怪我している「満身創痍」などがあります。

鬼手仏心の難易度

「鬼手仏心」は漢字検定4級から10級相当の文字組み合わせで、”鬼”は4級で中学レベル、”仏”は6級で小学校高学年レベル、”心”は9級、”手”は10級でそれぞれ小学校低学年レベルの四字熟語となります。

鬼手仏心のまとめ

「鬼手仏心」の”鬼手”は「残酷な手」で”仏心”は”慈悲心”として、そこから、鬼の様な残酷な感もあるが実は内面には優しく思いやりがあるという意味です。特に外科医や外科手術で用いられる事が多い言葉で、外見や印象とは裏腹で優しい心の持ち主に対して使われます。

鬼手仏心の優しさ
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