【真一文字(まいちもんじ)】の意味と由来、使い方を実例で解説!

真一文字(まいちもんじ)

「真一文字」とは「わき目を振らず真剣な事」です。他の事に意識を向けず、ひたすら集中している感を出しています。そこから、高い集中力の喩えともなるのが「真一文字」です。皆さんも、勉強に仕事や趣味と何かに集中していると自然と無口になったり、他の事はまったく考えずに気が付いたら時間だけが経過していたという経験があると思います。そんな状態を意味する「真一文字」の解説となります。

真一文字の意味

「真一文字」の意味は以下の通りです。
・漢数字「一」の様に真っすぐ。一直線。
・わき目も振らずに真剣な様。
・わき目も振らずに突き進む。
”真”は「嘘偽りがない」「純粋」「正確にその状態の意味を表す」、”一文字”は「漢数字”一”の様に横に真っすぐ」「わき目も振らずに真っすぐ」となり、”一文字”だけでも意味は同じですが最初に”真”を付ける事でより強調しています。「真一文字」は基本的には大きく二つの意味合いがあり、一つはまっすぐな線や一直線で、端的に言うなら横線や直線の事で、またそんな喩えです。ですから、口を閉じる際に使うのが多いですが、道路や地平線や水面なども、まるで全体が横線に見える事から「真一文字」と表現します。もう一つは、わき目も振らずに真剣な事から、目標に突き進む場合です。勢いよく真っすぐに進む喩えで、スポーツ選手の激しい走りや勉強や仕事など熱中の表現となります。これらを実際に使うと、「真一文字に進む」「真一文字で集中する」「真一文字に結ぶ」といった形になります。因みに最も有名な「口を真一文字に結ぶ」は、沈黙や黙秘という意味になります。

真一文字の由来・出典

「真一文字」の由来は、日本を代表する古典文学「太平記」(14世紀後半)となります。

真一文字の類義語・同義語

「真一文字」の類義語には、「猪突猛進」「一生懸命」などが挙げられます。

真一文字の使い方・例文

例文1.ケンカをした後の妻は必ず口を真一文字にして不貞腐れるが、その姿が一段と可愛い。
例文2.遅刻しそうになったので、真一文字になって必死に自転車のペダルを漕いだ。
例文3.普段は大人しい性格なのに、コスプレが集まるイベントでは真一文字な表情からテキパキと写真撮影に勤しむ友人。
例文4.口を真一文字に結び気合を入れ直してから、上司の説教タイムを黙って受け入れる。
例文5.不都合な質問をされると、明らかに不満顔で口を真一文字に結ぶ不倫芸能人の顔を真剣に見つめるテレビ画面の向こうの主婦たち。
真剣や不満な様を「真一文字」とした例文です。

真一文字の会話例

男性
子供達は将来、どんな風に成長していくんだろうな?
女性
まだ、小さいんだからそんな心配はしなくていいんじゃない。
男性
そうだけど、あどけない顔を見ていると色々考えてしまうんだよ。
女性
私は目標や夢に向かって、真一文字に進んでくれたら、それでいいな。その結果、成功しても失敗しても、悔いが無ければね。あなたもそう思わない?

子供達の将来について夫婦が会話を繰り広げます。

真一文字の豆知識

「真一文字」の”一文字”は、文字としての”一字”という使い方が主流ですが、他にも多様な意味が実はあります。真剣に取り組む、鎧に入れる薄い板、掛け軸の細長い布、演劇の木綿の黒布、刀工の一派なども”一文字”となります。因みに、毎年発表される今年の世相を漢字を一文字で表す「今年の漢字」は、1995年から開始された比較的に新しい行事ですが、現在は年末恒例としてすっかり定着しています。

真一文字の難易度

「真一文字」は漢字検定8級から10級相当の文字組み合わせで、”真”は8級で小学校中学年レベル、残り三文字は10級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

真一文字のまとめ

「真一文字」は漢数字”一”の様に真っすぐな事や直線、また、わき目も振らずに真剣な様を表す四字熟語です。そこから、真剣になり思わず口を閉じるのを「真一文字に口を結ぶ」としたり、夢や目標に真剣に進むのを「真一文字に突き進む」と表現します。

彼が仕事をする時は真一文字になる。
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