【機会均等(きかいきんとう)】の意味を例文や会話、由来・出典まで解説!

機会均等(きかいきんとう)

「機会均等」と言うと「男女雇用機会均等法」を真っ先に思い浮かべると思います。男女差別の是正は良い事ですし、職場で働く一人ひとりはセクハラ発言などをしない様に気を付けているものです。しかし、「男女雇用機会均等法」の実態は営業や肉体作業は相変わらず男性ばかりですし、逆に女性が多い職場に男性が働くのも困難で、実はまったく以前と変わっていないのが現実です。そして「機会均等」は”平等”という意味なので男女差別の他にも、貧困対策や教育を受けさせるという役割もある「機会均等」についての解説となります。

機会均等の意味

「機会均等」の意味は以下の通りです。
・全ての人や組織に機会を平等に与える。
・権利や待遇を平等にする事。
・外交政策で自国内の外国の経済活動を平等の待遇にする事。
・「機会平等」も同義となる。
”機会”は「事を起こすのに最も都合のよい時機」「チャンス」、”均等”は「平均して等しい」「平等」で、くだけた表現なら「誰にでもチャンスを与える」のが「機会均等」です。まるで理想論で実際にはそんな事はないのですが、便宜上用いています。「機会均等」は労働環境の是正や男女平等やセクハラ防止、他にも外国との経済活動など、国や地方が関わる諸々の事で多々使われています。代表なのは「雇用均等」とその中の「男女雇用機会均等」に関する方針や法律で、これは職場で男女の差別を禁止し採用や昇給や解雇等々で男女平等に扱うものです。よって、縁故入社・天下り・裏口入学・癒着等とは真逆で、全ての人々を同等に扱い最も優秀な人や能力高い人が人為的な障壁などに排除されないシステムです。しかし、実際の現場では「機会均等」が守られているとは言い難く、トラブルが絶えません。セクハラやパワハラも横行していますし、何よりも「男女雇用機会均等法」は罰則も甘くザル法とも批判されています。それは、要するに機会だけは与えるが中身は以前と変わっていないからです。例として、かつてはある試験を受けられるのは男性だけでしたが、「男女雇用機会均等法」によって女性も受けられるようになりました。一見すると「機会均等」や「男女雇用機会均等法」による効果だと感じますが、その中身は男性ばかりが合格し女性合格者は若干名に留めて、本質的には以前とまったく変わらないのです。同じ様な事は様々な場で横行し、結局は形だけ「機会均等」となり、体質は以前のままです。そもそも男性と女性では体力や資質も違うので本来は適材適所が望ましいのですが、世界的な流れもあり正式に「機会均等」を叫ぶようになると、日本では独身男女の急増や少子化など弊害の方が大きくなってしまったのです。外国との経済活動の「機会均等」も、日本国内での事業経営などを平等待遇とするものですが、実際はアメリカ第一の最優先となり、「男女雇用機会均等法」等と同様に現実との乖離が大きいのが問題となっています。理想と現実がかけ離れている「機会平等」ですが、教育や障碍者や貧困対策では一定の効果があり、昔よりはより良くなりつつありますが、それでも家庭の経済事情で教育格差が広がっているのもまた事実です。

機会均等の由来・出典

「機会均等」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、近代日本を代表する物理学者・中谷宇吉郎の著書「私の履歴書」(1951年)などに文言が記されています。

機会均等の類義語・同義語

「機会均等」の類義語には、「門戸開放」「公平無私」「不偏不党」などが挙げられます。

機会均等の使い方・例文

例文1.男女雇用機会均等法が制定され、これで男女差別がなくなり全員が幸せになると思ったら、派遣や独身が増えるだけで上級国民がますます恩恵に授かる社会となってしまった。
例文2.機会均等は理想論で現実社会を反映していないのが問題だ。
例文3.機会均等は先進国が声高に主張しているが、そのアメリカやフランスでは差別が年々酷くなるのは笑えない現実だ。
例文4.障碍者や貧困子供に機会均等が焦点を当てたのは評価すべきだが、まったく改善されていないので一刻も早く対応すべきだ。
例文5.機会均等が正しく実現されれば、優秀な人が出世してより良い社会になるので、そうなる事を望んでいる。
「機会均等」の厳しい現実や批判している例文となります。

機会均等の会話例

男性
まだ、子供も小さいし働かなくてもいいんじゃない?
女性
ダメよあなた。今を逃したら私のキャリアはここで終わってしまう。絶対に社会復帰をしたいの。
男性
うーん、そうかもな。男女雇用機会均等法もあるし、女性が育児をしながら働きやすい職場が多いから大丈夫か。
女性
そんな法律を本気で信じているの? それよりも保育園が決まり次第、またバリバリ働いてガンガン出世していくわ。

気が弱い夫と、働く意欲が盛んなキャリアウーマン思考の強い妻との会話様子です。

機会均等の豆知識

「機会均等」とは一般的な認識からすると、「男女雇用機会均等法」を連想するものです。正式名称は「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」で1985年に制定され、募集や採用や昇進等々で男女を差別しないで平等に扱います。2000年代に入るとセクハラやパワハラが社会問題となったので一部改正され、2007年からはこれらの問題にも対応する様になりました。しかし、日本の男女平等は世界的に見るとかなり下位で、2013年時点では1位アイスランド、2位フィンランド、3位ノルウェーに対して、日本は105位と先進国では大きく出遅れています。

機会均等の難易度

「機会均等」は漢字検定6級から9級相当の文字組み合わせで、”均”は6級で小学校高学年レベル、”機”は7級、”等”は8級でそれぞれ小学校中学年レベル、”会”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

機会均等のまとめ

「機会均等」は平たく言うなら国や組織や個人を差別しないで平等に扱う事で、国においては外交政策で外国の経済活動を平等待遇として、組織や個人は機会を平等にする事です。個人における具体例は「男女雇用機会均等法」で、男女平等の雇用や昇進など、他にもセクハラやパワハラ防止も含まれています。しかし、一方でザル法とも言われ、多くの問題点を抱えているのも事実です。それら以外にも、「機会均等」は子供の貧困や教育、障碍者などを大きく扱い問題を表面化させた功績はあります。

機会均等であることが理想だ
最新情報をチェックしよう!