【旗幟鮮明(きしせんめい)】の意味と例文と使い方

旗幟鮮明(きしせんめい)

社会に一歩出ると自己主張の激しい人が意外に多くて、驚いた経験があると思います。多かれ少なかれ自己主張は必要ではありますが、限度や度合いもありますよね。そのバランス加減次第ともなりますが、今回の「旗幟鮮明」はそんな事を考えさせる四字熟語となっています。それでは解説となります。

旗幟鮮明の意味

「旗幟鮮明」の意味は以下の通りです。
・主義主張や立場や態度がはっきりしている。
・旗印が明確やはっきりしているから転じて、態度や主義や持論などがしっかりしている。
”旗幟”は「旗と幟」「旗印」「立場や態度や主義主張」、”鮮明”は「鮮やかではっきりしている」「立場や態度が明確」となります。同じ様な意味合いを繰り返す事で、主義主張が明確であると強調しているのが「旗幟鮮明」です。政治家やテレビのコメンテーター、起業家や社長などに求められる資質や能力めいたものでもあり、同時に一般人ではあまりにも自己主張が激しいと周囲から疎まれるのも事実です。

旗幟鮮明の由来・出典

「旗幟鮮明」の由来は、残念ながら不明です。文献としては、明治から昭和に活躍したジャーナリスト・徳富蘇峰の著書「自由、道徳、及儒教主義」に文言が残されています。

旗幟鮮明の類義語・同義語

「旗幟鮮明」の類義語には、「明明白白」「一目瞭然」などが挙げられます。

旗幟鮮明の使い方・例文

例文1.選挙の投票前日になってもどの候補者に入れるか決断できない私は、旗幟鮮明の能力が欠けているのだろう。
例文2.コロナ対策で、今後の方針を旗幟鮮明されると国民も納得できるが、そんな政治家は皆無なので辟易してしまう。
例文3.母は旗幟鮮明すぎるので父は肩身が狭いのか、休日はとても居心地が悪そうで可哀想だ。
例文4.我が家で飼われている猫は一体誰に似たのか、旗幟鮮明が強烈でわがまま放題である。
例文5.芸能界は旗幟鮮明な人ほど、結局は消えていく事が多いと思う。
自己主張がはっきりしているを「旗幟鮮明」とした例文です。

旗幟鮮明の会話例

男性
ねえ、いいかげんに明日こそは絶対にデートしよう!
女性
絶対に嫌です。貴重な休日なので、会社の人とは会わないって決めているんです!
男性
ところで何回誘っても、いつも断るよね。
女性
はい。私は曖昧な返事をしない旗幟鮮明なタイプなので。それに懲りず何度も誘う先輩も、相当な旗幟鮮明タイプですよ。

職場にて男性が同僚女性をデートに誘うが、頑なに拒否する会話です。

旗幟鮮明の豆知識

「旗幟鮮明」を使った有名な言葉に、「旗幟鮮明に動乱に反対せよ」というものがあります。これは1989年4月、中国の共産党機関紙の社説として掲載されたもので、この中身に当時の民主化を求める学生たちは怒りから大反発を起こし、同年6月の「天安門事件」へと繋がります。学生などデモ隊に中国政府の軍隊が武力によって制圧し、一説によると1万人以上の若者達が亡くなったと言われています。

旗幟鮮明の難易度

「旗幟鮮明」は漢字検定1級から9級相当の文字組み合わせで、”幟”は1級で大学一般レベル、”鮮”は4級で中学レベル、”旗”は7級で小学校中学年レベル、”明”は9級で小学校低学年レベルの四字熟語となります。

旗幟鮮明のまとめ

「旗幟鮮明」は、主義主張や態度などが明確という意味の四字熟語です。要するに、何事にもはっきりと明確な答えや持論を持ち合わせている人で、政治家などに求められる能力ともなります。逆に言うなら、有耶無耶や不明確とは真逆となるのが「旗幟鮮明」です。

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